川原に降りるまでには笹や葦を抜けて行かなければならず、かと言って径が無い訳ではなく人々の生活や娯楽に川は関わっていて身近な存在だったのです。川は緩やかに湾曲していて水深も流れもまちまちでありました、自然の川はおおまかに言うと瀬と早瀬と淵で構成されてそれを繰り返しながら河口に向かいます。
当時はじいさんが川舟(山王淵に置いてあった)を持っていて、山王淵に浮かべて川ガニや鰻を獲っていましたので、何度か親父に同行したものです。川ガニは蟹カゴで鰻はハエ縄で獲っていましたが、特にハエ縄漁は面白いのです。ハエ縄は幹縄(50m程度)に枝縄を25個程垂らしてその先に釣り針があるのですが、縄を手繰っていくと見えない深みから、ぬっと鰻が表れたり鯰が表れたりしてまるでゲーム感覚とでもいうのでしょうか☆見てると簡単に獲れるような感じがして楽しいんですよ♪
こんな事を知ってしまえば、やりたくなるのが野生児(高学年)です.ww
家には川舟もあるし、親戚には老舗の釣具店(旧佐伯市内)がありましたので恵まれた環境だった♪ハエ縄は木綿糸(たこ糸)とウナギ針があれば出来ますし、舟も竹ざお一本で動かしてましたので.w 仕掛けも教えてもらいながら作って、餌はハエ縄だけにハエ(ハヤ)ですがこれは現地調達です。
うちの地域では、ハエはカガシラで釣るのですが?カガシラとは毛鉤のことです、カガシラはウキが頭に付いて毛鉤が6本程度連なっていましてこれを流れのある瀬に浮かべて流すんですよ竿釣りでテンション掛けながらで岸に近づくと竿を振って川の中心に投入して流すを繰り返すと、ハエが羽虫が落ちたか羽化したかと間違えて食いついてきます。
あとは、ハエを針に掛けて、川舟に乗りハエ縄の一方の端を木や岩に結んで仕掛けを投入して行きもう一方に石の重りを着けて沈めて終了です。ウナギは夜行性なので夕方に仕掛けて早朝に回収します。
結果はあまり獲れませんでしたが、朝靄漂う川面に魚の波紋がひろがったり、カワセミが水面近くを飛んで行ったりして良い風景でしたね。