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2025年07月17日 12:20ツマラヌモノ全体に公開

怪談☆奥多摩の闇女

『山人が語る不思議な話 山怪朱』を買いまして。現代の遠野物語と紹介される『山怪』の漫画版です。原作・田中康弘氏。作画・水谷緑氏。妖怪とか好きなもので、買ってみましたら。その中で「闇女」という件があり。野生動物の撮影のために山中に赤外線カメラを設置したら、深夜にレジ袋を提げて山中を歩く女性が写っていたという話。はて。そういえば、以前、こんなことがありました。以下、実体験に基づく回想。

あれは、いつだったか。暑い夏の夜だったことは覚えている。国道411号線。いわゆる青梅街道を奥多摩から山梨県に向けて車で走っていた時のこと。山間部とはいえ、東京都内は人家もあり、街灯もあって夜間でもそこそこ明るい。が。山梨県丹波山村に入った途端に、人家が途絶え、街灯もなくなり、一般的な山間部の国道となる。唯一の灯りと言えば、車のヘッドライトくらいだ。そんな真っ暗な国道を車で走っていると。

うっ。人がいる。道路の右側を、東京方向へ向かって歩いてくる人がいる。正確な時刻は覚えていないが、午前0時は過ぎていたと思う。周囲には人家も街灯も全く無い。車のヘッドライトが、闇の中から照らし出したのは、真っ白なネグリジェのようなワンピースを着て、肩より少し長いウェーブのかかった真っ白な髪の毛、おしろいでも塗ったかのような白い顔をした、全身が「白」で統一された年齢80歳くらいの瘦せ細った老婆の姿だった。その老婆は、心なしか青白く光っていたようにも見えたが、気のせいだろう。

普通なら、車のヘッドライトに照らされれば、目を細めるなり、顔を背けるなりして、眩しいという意思表現をすると思うが。その老婆は、まっすぐに前を向き、大きく目を見開いて、目の玉を動かさず、瞬きすらしていないかのような無表情で、こちらのことなど意に介している様子もない。さらには懐中電灯も持たずに、ただ歩いていた。まるで、歩くことだけに執着するかのように。

走行している車から見えただけなので、一瞬で通り過ぎたが、なぜ、こんな時間に? 歩道も無い国道だぞ? 人家が近くにあるのか? 見る限り周りに何もないぞ? ガードレールと崖があるだけだ。何より不気味だったのは、ライトを持たず、鉄仮面のような無表情さと、こちらを気にしている様子が全く無いことだった。

あの老婆は『山怪』に出てくる「奥多摩の闇女」の類だったのだろうか。それとも、認知症で徘徊していた方だったのか。今となっては、知る由も無い。

というわけで『山怪』には、遠野物語よろしく長短様々な山にまつわる不可思議な物語が多数収録されています。私の実体験は収録されてないですけど。
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コメント

こんにちは。
タイトル気になって本文読んだら、
今夜トイレに行けなくなりそう。
自分も数年前に早朝から笠取山に
登ろうと411号線を丹波山村を
抜け車を走らせていたら、全身に
鳥肌が立ち金縛りみたいな状態に
なりました。幸い事故にはなりま
せんでしたが、暫く気持ちが落ち
着かなかった記憶があります。
他にもちょっと怖い体験があるの
で、一人で登山者の少ない山へは
行かないようにしてます。
自分的には、熊よりそっちが怖い
です。
2025/7/17 18:57
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1
ひとしさん、コメントありがとうございます。

正直、この手の話はまるで信じていないのですが、自分のこの目で見てしまったからには、まあ、実際にそこに居たのでしょう。本当のところは、徘徊している老人だったというだけのことかもしれませんが、真夜中に誰もいないと思っていた山中の国道で、突然、歩いている人が現れると、心臓が潰れそうになるくらいに、ドキリとすることは確かです。まして、それが異様であればあるほどです。

老婆を見かけた正確な場所はよく覚えていないのですが、山梨県に入ってからだったのは確かで、丹波山村の集落を抜けた先だったか、手前だったか定かではありません。仮に丹波山村集落を抜けた先だったとすると、花魁淵がありますね。花魁淵は、戦国時代に黒川金山の秘密を守るために、55人もの遊女の命を奪った伝説の場所。夜中に近くを通れば、なにかしら言い知れぬ不気味さを感じてもおかしくないのかもしれません。

ひとしさんが、鳥肌が立った場所というのは、丹波山村の先というと、まさに、その花魁淵の辺りですかね。国道411号線は、夜中には走らないほうがよさそうです。

実はこの日記を書いている時に、触ってもいないし、通知も着信も来ていないのに、いきなりスマホのロック画面が表示されて驚きました。アプリの動作不良とか、センサーの故障と言ってしまえばそれまでかもしれませんが。不思議なことが起こると、この日記の内容と何か関係してるのではないかと思ってしまいます。
2025/7/17 21:19
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