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2016年04月02日 08:48博物館、展示会、美術館など全体に公開

東博考古展示リニューアルー初の石器展示解説

東博の考古展示室のリニューアル後、最初の石器に関するギャラリートークーー話は東博考古室アソシエイトフェローの飯田茂雄氏ーーまだ若い研究員だ。東博で石器に関するギャラリートークは珍しく、もしかしたら初めてかもしれないと飯田氏。最初に前置きの話として人類のアフリカからの拡散から東アジア・列島への到達と氷河期の古環境などについて話をされ、石器の話しに移る。最初に北海道の大きな黒曜石が展示されている場所で黒曜石など石器に多用される石について解説する。宵石材を得るために関東から長野中央高地の和田峠など100?いや数百?も移動しながら石材を入手したこと、神津島などの200?近く離れた海流の強い海を渡って黒曜石を求めたことなど、旧石器人がいかに宵石材を求めて努力したことかーー。次にナイフ形石器、磨製石斧などから尖頭器や細石刃など石器の変遷や加工法などについて簡単に触れる。次に展示されている貫ノ木遺跡の石器ー貫ノ木遺跡は野尻湖にある遺跡で、黒曜石・珪質頁岩・緑色凝灰岩など、長野の諏訪・星ケ台産の黒曜石、新潟た東北の珪質頁岩、緑色凝灰岩製のナイフ形石器など様々な石が使われている。磨製石斧は砂岩など軟らかい石も使われているが、硬い透閃石岩も使われ、砂岩は砥石に使われている例もあるようだ。磨製石斧は磨くことで伐採や木の加工などにも利用できたのではないか?新潟の荒屋遺跡では、珪質頁岩で細石刃を造り、その細石刃を設置する骨角器の製作を行うための彫器も併せて、計画的に石材収集や石器製作を行っていたと考えられている。色とりどりの貫ノ木遺跡の石器は美しい。さらに荒屋遺跡の石器は細石刃や彫器など、旧石器時代後半のものだが、彫器は細石刃を取り付ける骨角器や木材を加工するのに使われたのか?
 荒屋式彫器などは、新潟の新津と長岡に出かけた時に、帰路、越後川口により、川口町歴史資料館ではあまりきれいな写真を撮れずに終わったので、今回は写真が撮りやすい展示になっているのがよかった。湯別技法による細石刃角から細石刃打ち割りの図を見ながら石器を観察、展示数は限られているが美品を撮影し、いくつか飯田氏に質問をして展示室を出る。
写真1)石器の作り方
写真2)貫ノ木遺跡のナイフ形石器
写真3)荒屋型彫器
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