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写真2）周提募の出土品
写真3）濤佛湖から見る斜里岳
9月４日８時頃以久科原生花園に到着しハマナスなど夏の名残の花を探して暫く遊歩道を歩く。夏の花の残り、ハマナスやハクサンフウロ？アキノキリンソウやヒヨドリ桑などを見かけた。遊歩道は海岸砂丘の裏側にあるが浜辺に出る道は無いようなので入口に戻って 浜に出るが、砂浜と釣り人以外は何も見えず、車に戻って知床博物館に向かう。
知床博物館は世界自然遺産を抱え多数の考古遺跡もあるためか、各セクションに一人づつ学芸員が配置されているらしく、出版物かかなり充実した内容で立派なものだと感心する。思わず沢山買ってしまい、またまた資料の山を重ねることになるーー
展示では昨日見学した朱円周提募に関する展示が目を引いた。5年前に副葬品などの出土品が北海道指定文化財となったという―長年の懸案だったらしい。また周提募の土層の剥ぎ取り観察から、周提募がどのような順で作られたかが研究されている。
それによると一番下の黄褐色層は3000年以上前の周提募造成前の火山灰層、その上のややくすんだ黄褐色層は周提を盛り上げた盛土、その上の黒色土層は、周提放棄後に落ち込んだ土で、その中には千年前の摩周岳噴火時の軽石も含まれているようだ。さらにその上の土層は後世の耕作による攪乱層だという。さらに赤い線の上の土は、土地所有者の栗沢喜重郎氏が、遺跡を守るために周提の上を埋めた土だという。こうした人々のおかげで遺跡が守られたようだ。
この遺跡は昭和24〜5年、北海道学芸大学の河野広道氏による発掘の際に発見された栗沢式土器により、今から約3千年前という時期が推定されている。
出土品を見ると、石棒や装身具、土器やミニチュア土器、櫛などの漆器破片などが出ており、お墓での祭祀もあったかもしれない。
またウトロ遺跡出土品として、縄文からオホーツク文化期の土器や装身具、鉄器、漁具などの貴重な道具類が並んでいる。縄文から続縄文、オホーツク、擦文、トビニタイの各時代の土器も整然と並べられている。
隣の建物で仕事をしていらした学芸員にいくつか質問をして、次の網走に向かう。途中、濤佛湖（ラムサール条約登録湿地）から斜里岳を眺める。
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