闘病日記７ー退院間近の外泊、外出（科博神澤氏講演聞く）ー7月17・18日

2019年07月18日 19:52治療・医療関係全体に公開

闘病日記７ー退院間近の外泊、外出（科博神澤氏講演聞く）ー7月17・18日

腎生検の最終結果が出るまで1か月以上かかるようで、他の血液や尿の検査結果では、腎臓機能の目安のeGFR（糸球体ろ過値？）が30代（基準値は60以上）で低く、しかし7月5日からこれまで6回分の数値があるが、横ばい状態で悪化は見られない、炎症値など他の問題項目も同様なので、ここですぐ治療に入る（ステロイド剤投与？）とまでいかないので、様子を見ながら来週いったん退院ー外来で腎生検結果を待つ、という方針が出ているらしい。

　よくわからない状態だが、退院してどこまで通常の生活が送れるか不安があるので、外泊許可を取って、17日に自宅に戻り、様々なたまった用事を足し、昼食や夕食を作って泊り、翌18日8時過ぎにはお茶の水まで出かけて、前々から楽しみにしていた国立科学博物館人類学研究員で古代ゲノム解析をリードする神澤氏の講演を聞く。精力的に旧石器（沖縄白保竿根田原洞窟人骨など）や縄文人（三貫地貝塚、伊川津貝塚、船泊遺跡出土人骨）などの核ゲノム解析を行い、研究成果を次々に発表している。まだまだ分析事例が少ないので、大まかなことしかわからないケースが多いものの、これまでわからなかった様々なことがわかり始めている。弥生以降の古代人骨の解析も着手しており、列島（国立遺伝研、科博などを中心に進めているヤポネシア・プロジェクト）ヤポネシア人の起源、形成過程の研究は注目に値する。列島人、縄文人のDNAハプロタイプは主として東アジア沿岸部やアムール川沿岸などに残り、またチベットやアンダマン諸島など、比較的孤立した場所にそのタイプが残っている。おそらく4万年前ころ、大陸のどこかで古いタイプのDNAを持つ集団が各地で分化し、列島その他の孤立系地域に残り、大陸では多くの民族が行きかう中で古いタイプは消滅したと考えられるか？これは例えば植物でも日本の高山植物には固有種が少なくなく、またアマミノクロウサギなど、かつで大陸と地続きだったころにヤポネシアに流入した原始性を持つ動物（アマミノクロウサギは短い耳を持つウサギの祖先タイプ）が、列島が大陸から切り離された後、天敵が少ないので今日まで集団を維持し、大陸では古いタイプのウサギは敵が多く絶滅し、耳の大きいタイプが生き残っている（敵の音を素早く感知？）のに似ている。むろん縄文文化を持つ集団そのものは消えているが、アイヌや琉球列島などではより多くの遺伝子が残され、本土日本人でも１０％程度はDNAが引き継がれているという。またさらに古いネアンデルタール人やデニソワ人等の旧人のDNAもわずかだが（２％以下）検出されているらしい。むろん、そのプロセスは単純でなく、ヤポネシア人といっても地域により時代により、一様ではない。弥生時代の千年間およびそれ以降で大陸渡来の農耕民の文化とDNAが流入し、縄文系が10％にまで減少するプロセスをどう理解するかでまだまだ謎が多い。大陸からの渡来系は考古学的にはさほどまとまった人口が移動してきた形跡は少ないのだが、一方、北東部九州や西北部九州の弥生人DNAでは見かけの形質（渡来系・縄文系）にかかわらず、混血が進んでいて、縄文系DNA１５％のような数値が出ているらしい。農耕社会の人口増加率と縄文系の人口増加率が大きく違うので理解できなくもないが、そのプロセスはまだよく説明がつかないように思える。講演会が終了し、昼食レセプションでも大いに質問、議論があったが、私は病院に戻るので途中退席し、大学博物館図書室で資料をいくつかコピーして病院に戻る。体力、体調面では特に問題はなかったが、帰院後、少し微熱が出た。夕食後再び病棟担当医と今後について話をして、週末に再度一時帰宅し、体の反応、体調面をチェックし、来週早々血液検査などを行ってその日のうちに一時退院という運びになりそう。

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