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写真��同縄文中期中葉の土器
写真⓷中期の大地渡遺跡出土の豪華な透かし入口縁の土器
坂を上りきると文化財センターが見える。
今回は「縄文ムラの人々」と題した企画展を見る。
最初に上台遺跡の無文土器（花巻市博物館所蔵）があり、無文土器は破片の多いこの時期、全体の姿がわかる例として貴重か？また石皿は植物利用を示す遺物だ。
前期の折居遺跡出土品は県の埋文にあり、展示は写真のみなのは残念。
中期の小瀬川�軌篝廚療擺鐡玄�品はみな完形で立派だ。口縁部などスケッチを試みたが、ものすごく複雑で、製作も大変と思うがよくこんな形を作り出せたものと感心する。「マジカルな文様」という表現がぴったりする。
同遺跡の土偶だが、完形で出た数少ない土偶で、裏を見ても文様はないが、顔だけの破片のものでは裏が渦巻き文様になっているものもあるようだ。
１）上台?遺跡―花巻地域における縄文時代の幕開けを告げる縄文草創期の遺跡（花巻市矢沢）で、9500年前の無文深鉢形土器や石器・石皿などが出土、展示されている。この頃の住居には屋内炉がなく野外で火をおこし建物は寝泊まりの場所だった。建物は生活拠点で、人々は狩猟採集に出かけて途中の洞窟などに泊まりながら借りを続け、移動しつつ、拠点に帰ってくる生活と推定される。まだ出土土器の数も少ない。（無文土器は花巻市博物館蔵）
２）折居遺跡（花巻市太田）は豊沢川支流の神沢川南東側の河岸段丘上にあり、縄文時代前期（約6千年前〜5000年前）のムラの跡が発見された。竪穴建物19棟以上、土坑、土器、石器などンお遺物包含層（投棄場所）などが確認され、数少ない前期集落の一端が明らかになった貴重例。温暖化が進み、ドングリ、クリ、土地など、動植物も豊富になり、定住性が高まった。柱穴も以前より太い木で屋根を支える強固な構造に変化し、屋内に炉が出現し、暖を取りながら炊事をすることが可能となった。冬などに共同作業をした可能性のある大型建物も複数確認された（以上「縄文ムラの人々」展示資料より、また原資料は岩手県埋蔵文化財センターで展示は写真のみ）
３）小瀬川?遺跡（花巻市湯本）
鍋割側北岸にあり、中期（約５千年〜4千年前）を主体とするムラの跡で、竪穴建物、掘立柱建物跡、貯蔵穴、陥し穴などが見つかった。ほぼ全域が調査され、ムラの内容が明らかになる。
台地南端に広場を持ち、掘立柱建物を放射状に配置し、周囲に貯蔵穴、さらに外側に馬蹄形の竪穴住居が分布―いわゆる「環状集落」形態で、長期にわたる集落が維持された。土器、石器、土偶などの土製品、石製品ほか、漁網の浮子なども出土、構成員間には地位の差などは見いだせない。
4）観音堂遺跡（花巻市大迫町大迫）
中期後半から後期（4千年前〜３千年前）前半のムラ跡で稗貫川北岸台地上にある。南に上る台地の東西縁辺から南の先端部にかけて竪穴建物が馬蹄形に配置され、中央部は広場となっていた。建物群は南側で密集、重なり合い、ほとんどの建物には複式炉とよばれる石囲炉が作られていた。
後期初めには南側の建物密集地域は配石遺構と呼ばれる墓域に変化した。後期に入ると気候が冷涼化し、後期半ばには規模は半減した。後晩期には日常道具に加えて、精巧な作りの土器、土偶、岩偶、石棒、石刀などの祭りの道具や呪いグを盛んに制作、配石や立石は墓地や祭祀空間っだった。
5）立石遺跡と稲荷神社遺跡（ともに花巻市大迫町内川目）
は稗貫川（岳川）の東岸に立石遺跡、西岸に稲荷神社遺跡がある。
立石遺跡は旧内川目小学校周辺で、縄文後期から晩期（約３千年前〜2200年前）にわたる遺跡で竪穴建物、掘立柱建物、配石遺構が各所に分布、蹲踞（そんきょ）形土偶、耳・鼻の土製品をはじめ、土偶、土製品、石製品が出土、石剣・石刀などの未成品も見られ、祭祀用具の石製品を製作していた。
立石遺跡の配石遺構郡は当時の祭祀の中心地であったと推定される。
（「縄文ムラの人々」パンフレット資料より）
