7月26日（土）古代高座郡衙展４）

2025年07月27日 03:10博物館、展示会、美術館など全体に公開

相模国分寺跡に近い早川城山遺跡からは奈良三彩小壺破片が出土、国分寺に来訪した僧侶らがもたらしたと推定されている。また相模国分寺から北東10km付近には田名塩田遺跡などがあり、古代の高座郡塩田郷があったと考えられる．田名地域は旧石器時代遺跡で有名な田名向原遺跡などもあり、古代の遺跡も田名塩田や田名坂上など古代の塩田郷の地域と考えられている。このあたりからは「庄」や「力」など様々な墨書土器が出土し、田名坂上遺跡からは関係に近い奈良三彩小壺も出土している。さらに田名半在家遺跡からは「龍文鏡」破片が出ており、この鏡は8世紀の唐で製作された鏡とされ、本来は道教との関連が深い鏡らしいが、山林修行を行う修行僧は道教的な素養も持ち合わせていたとされる。参考資料として京都の安祥寺下寺跡から出土した蟠龍鏡片の写真や中国洛陽付近の唐墓出土雲龍八花鏡の文様描き起し図も展示され、龍文がどのようなものだったかの参考になる。鏡の破片からは文様がよくわからない。田名エリアは現在ではバスの本数も少なく、不便な場所だが古代では相模川の水運でつながっていたのだろう。
　最後に茅ヶ崎市の本村居村B遺跡出土の井邑号４号木簡では、古代の大地震で有名な貞観年間（859-877)の年号が記載され、地域や人物名の他に大量の酒や食物（およそ酒154リットル、食物115㎏）が運ばれたことが記録されており、高座郡南部で大宴会が開かれたことを物語っているようだ。

2025-07-27 7月26日（土）高座官衙展－茅

2025-07-27 7月26日（土）茅ヶ崎市博物館

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