『アルピニスト岩壁に登る』は、1959年に制作されたフランスの山岳ドキュメンタリー映画。
リオネル・テリイ氏、ルネ・デメゾン氏などのフランス山岳界を代表する世界的登山家達の、岩壁に登る姿が記録されています。
私がこの映画を見たのは、1961年春のことと記憶しています。
大江戸は有楽町の洋画封切館の巨大スクリーンでした。
英国人 E・ウィンパー氏のマッターホルン初登頂に纏わる遭難事故を題材にした劇映画との2本立てでしたが、こちらの方は印象が薄く、題名さえ記憶していません。
俳優達の演じる登攀のシーンで、身の熟しの違和感だけを憶えています。
続いて上映されたのが『アルピニスト岩壁に登る』でした。
この映画は、ある事柄から私に強い印象を残し、想い出深いものになりました。
老境の近頃、この映画をもう一度観ておきたいとの思いが強くなりました。
題名で検索しても映像ソフトが見つからず、試みにヤマレコ質問箱に投稿してみました。
流石はヤマレコ! ユーザー層が厚いです。
直ぐに回答が寄せられ結果が出ました。
懐かしい映画『アルピニスト岩壁に登る』との、1961年以来55年目の邂逅でした。
(写真右は当該映画撮影年に同じ1958年の前穂北尾根稜線直下のプロフ画像)
フランス語 原題 Les Etoiles de midi
山道具も山装束も、登り方さえ古く懐かしい時代の登攀映像記録です。
大昔の登攀にヘルメットもハーネスもありません。
ザイルもナイロンの編組製ではなく、未だ麻の捩合製です。
ピッケルシャフトは木製ですが、流石にアイゼンは未だ当時珍しかった新型のプレスアイゼンです。
そのアイゼンで仲間の肩に乗るシーンがありますが、これは痛そうです。
山小屋のシーンには、懐かしい ラジウス SVEA 123 の姿もあります。
登山風俗と道具の歴史資料としても、貴重な映像だと思います。
(一部分に登攀者自身が演じる過去の回想シーンあり)
残念ながら、折角見つかった此のソフトには日本語字幕がありません。
記憶は年月の経過により薄れ、美化されたり誇大化されるのでしょうか〜、それとも日本向けバージョンとの違いなのでしょうか〜、記憶の印象と異なる処も随所にあります。
背景の音楽については、その有無を含め全く記憶がありません。
会話が少なく、独白ナレーションと自然音で構成された静謐な映画だったように記憶していました。
多分、切り替わる字幕を追いつつ、食い入るように画面を注視したのでしょう。
音楽は耳に入らなかったかも知れません。
そして悲しいことに、人間の記憶には歳月による風化があるのかも知れません。ainakaren
*weblio 映画解説 http://www.weblio.jp/content/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%94%E3%83%8B%E3%82%B9%E3%83%88%E3%80%80%E5%B2%A9%E5%A3%81%E3%81%AB%E7%99%BB%E3%82%8B
この映画、名前は知っていましたが、YouTubeに上がっているとは。あの“無償の征服者”テレイの動いている姿が見られるのは嬉しいですね。今度観てみます。
kennさん、こんにちは。
コメント深謝です。
お久しぶりです。
懐かしい映画ですが、褪色が激しくフィルムの傷みもあり残念です。
日本向けのバージョンではないので、字幕が無いだけではなく、編集が多少異なるのかも知れません。
是非御覧頂き、御批評願えれば幸いです。ren
「ウィンパーのマッターホルン初登頂を題材にした劇映画」というのは知らなかったので、こちらもちょっと気になります。
kennさん、残念ながらマッターホルン初登頂の映画の題名は、全く覚えていません。
音楽をはじめ、台詞が英語だったか仏語だったかも覚えていないのです。
転落シーンと、空中に現れた異変のシーンがありましたが印象は薄いです。
映画にお詳しいkennさんが昔の洋画リスト調べれば見つかると思います。
制作時期は”真昼の星”と同年代頃だと思います。ren
ainakarenさん、こんにちは
リオネル・テリイ氏とかルネ・デメゾン氏とは、懐かしい名前ですね。
ルネ・デメゾン氏の名前を冠したアイゼンとかピッケルを使っていました。
『アルピニスト岩壁に登る』は知りませんでした。フランス語なので何を言っているか判らないけど、原題からミディ針峰の登攀かと思ったら、midiは昼とか午後の意味で「真昼の星」って感じなのですね。
星で思い出したのは、ガストン・レビュファ氏の「星に伸ばされたザイル」という映画。
これを見た当時はクライミングに嵌っていたので、アルプスの岩壁登攀への憧れを掻き立てられたものでした。
憧れはあったものの、結局、アルプスは岩壁登攀はおろか山にも登らず、スキーに行っただけでした。
guchi999さん、こんにちは。
コメント深謝です。
本当に懐かしい名前ですね。
私もルネ・デメゾン氏が設計監修したミレーのアタックザックを使っていたことがありました。http://www.yamareco.com/modules/diary/8042-detail-78482
実は、仏語原題が「真昼の星」であることを6年前まで知りませんでした。
6年前に山の想い出として、この山岳映画とジャズ映画のレヴュー日記を書いたとき、そのコメント欄でyoneyamaさんに原題を教えて頂き、とても驚きました。http://www.yamareco.com/modules/diary/8042-detail-13140
アルプスとヒマラヤには、憧れの山が沢山ありますね。
残念ながら私も、海外の山を登ったことが一度もありません。
大島(海外? )の三原山さえ登ったことがないのです。 ren
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