3泊4日de奥秩父縦走 奥多摩駅〜瑞牆山荘(巻きあり)


- GPS
- 40:22
- 距離
- 71.4km
- 登り
- 6,080m
- 下り
- 4,889m
コースタイム
- 山行
- 7:41
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 7:57
- 山行
- 11:39
- 休憩
- 1:42
- 合計
- 13:21
- 山行
- 10:20
- 休憩
- 1:55
- 合計
- 12:15
天候 | 素晴らしき晴天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
残雪状況は5/2-5日のもの 1日目 水根巻き道気持ちトラバース注意 雲取山巻き道残雪あり 2日目 唐松尾〜水干巻き道大規模崩壊のため尾根道使用が望ましい 2日目ルートで注意すべき残雪無し 3日目 残雪箇所 東破風東側斜面 木賊の砂払より上部からは甲武信ピーク以外全ルート 4日目 残雪箇所 大弛から金峰山頂 金峰山尾根一部 砂払から大日岩 |
その他周辺情報 | 増富の湯5段階の温度のお風呂が面白いけどやはり42℃が一番 (瑞牆山荘バス停に割引券あり) |
写真
感想
夏のハイシーズンの訓練を兼ねて2年ほど前からいつかヤルゾーと考えてた3泊4日奥秩父(東アルプス)全山縦走にようやく体力技術が追いついたので決行しました。
ただし全部ピークハントする体力までは無いので、できるだけ巻き道を利用。
危険箇所と残雪状況はコース状況/危険箇所説明の通り。
計画ルート
1日目 奥多摩駅から歩き七ツ石山以外全巻き 雲取山荘テント
2日目 飛龍〜唐松尾巻き・笠取以降ピークハント(実際は道崩壊で唐松尾の尾根道を歩き笠取は巻く) 雁坂小屋テント
3日目 木賊巻き 大弛テント
4日目 瑞牆山巻き 瑞牆山荘着
装備で考慮した点
水込み20kg以内に抑える(幕営時の防寒、銀マットを省略)
ワカンを携行(甲武信〜国師対策)
食料の軽量化し調理具込み4kg
(朝晩はFD、アルファ米、パスタ、パン少々が主体、行動食は普段の山行からギリギリの分量を計算)
長期縦走に耐えられるよう靴を買い替え(2代目モンベルツォロミーお披露目)
1日目
前日に右足首に違和感を覚え急遽テーピングを巻いて対処。結果的に非常に具合が良く、今後も長期縦走で役立つと思いました。
奥多摩駅で準備し全山縦走のスタート。まずは例のコンビニ脇の近道から神社を抜けて石尾根登山口へ。石尾根は本当に単調な登りが続きます。六つ石山分岐に到着しますが巻きます(往復5分を節約したい)。
分岐から城山・将門馬場をパスし水根巻き道に入ります。この巻き道は初めて使いましたが石尾根にしては荒れ気味でトラバースに注意しないと滑るかもしれません。
水根分岐から更に鷹巣巻き道へ。石尾根の山は全部登ってるから、と自分に言い聞かせて先を急ぎます。
七ツ石あたりでかなりバテ気味になりました。幕営地を奥多摩小屋にしようかと悪魔が囁きましたが、水を飲んで何とかHP回復し予定通り雲取山荘へ。2年前に永沢背陵を歩いたときに比べHPが格段にレベルアップしてます。
小雲から巻き道へ。ここも初めて使いましたが素直に山頂ルートにした方が良かったかも。途中雪渓を渡る場面があります。
雲取山荘でテントを張り1日目終了。
2日目
雲取山荘から雲取山を経由し飛龍へ。石尾根に引き続きダラダラ道が続くので先を急ごうと休憩回数を減らしたらバテました。長めの休憩を取りつつハゲ岩から今後の行程を眺めます。
気を取り直して将監小屋へ。テン場も広く水も豊富で一度幕営してみたい小屋でした。将監峠から山の神土へ行くと看板に不穏な張り紙発見。
どれくらいの規模で崩壊してるかは分かりませんが、引き返したと言うメモがあるくらいなのでやばいのでしょう。巻き道を諦めて尾根道を行きます。
唐松尾への登りで崩壊箇所が5箇所くらいありました。下を覗くとかなりの幅で崩壊してるのが見えたので張り紙どおり、巻き道の通行は無理だと思います。
唐松尾から水干までには1箇所岩場が有りえらく難儀します(無名峰?)。ここで全HPを持って行かれ、水干手前で雁坂まで行けるか、かなり悩みました。
昼食のエネルギーバーを食べ、だらだら休み、何とか調子が良くなったので笠取を巻いて雁峠から縦走を続行。バテたときはモノを腹に詰め込んで20-30分休めば何とかなりそうです。
雁峠からのトリプルウォール、燕・古礼・水晶では己を手足を交互に動かすマシーンと言い聞かせてやっつけていきます。古礼山頂で思わず昼寝しそうになりました。
ようやく雁坂小屋につくとテント場一杯で場所をさがすのに一苦労。
何とかテントを張って食事。テント場で会話するのが楽しみで登りに来てると言う人と会話しつつ2日目終了。登山の楽しみ方は人それぞれだなぁと思いました。
3日目
今回の山行の核心部分に入ります。まずは雁坂小屋から雁坂嶺、破風山をバシバシやっつけます。このあたりから斜面に残雪が増えるので下り時にアイゼン(6爪)を使ったり外したりを繰り返します。
破風の小屋から木賊へのBigwall登場。HPが十分な状態ならば、この手の登りは得意。手足を交互に動かすマシーンと化してがんがん登ります。砂払から残雪が増えますが登りならアイゼン使わなくても何とかなります。
甲武信小屋に到着し、核心部に向けて念入りな準備をします。何せ残雪期のこのルート、甲武信岳から大弛まで9時間とも10時間とも言われてます(山小屋主人、談)。
準備を終えていざ核心部へ。甲武信岳山頂を過ぎ千曲川源流分岐を越えます。思えばこの山行、多摩川源流(2日目の水干)に千曲川源流とエリアの異なる2つの大河の源流を巡る旅でもあります。
富士見(見えません)まではコースタイム通りで「どこが10時間かかるんだよ」と鼻歌混じりでした。
連休中、大弛→甲武信ルートを歩く登山者が多いようで、トレースばっちり。雪の踏み抜きも回避しやすかったのです。ここまでは。
富士見から東梓のルートから山の悪意が見え隠れします。細かなアップダウンが多く偽ピークも多い。気温の上昇に伴い、ここ踏み抜くの!?みたいな場所でも地雷が爆発・私は埋没。
残雪のおかげでトンネルになるはずのシャクナゲがちょうど体に当たる高さに枝を張り出し、体をザックを、かわいがってくれます。
ヒザまでの踏み抜きを繰り返し東梓に到着か、と言う期待を5回ほど裏切ってようやく東梓に到着。シャクナゲには数え切れないほどかわいがられました。
このルートがかなりタフなのは、以前10月の無積雪時に歩いた時いやと言うほど味わってましたが、今回はタフを越えて悪意が見える気がします。
とはいえ、富士見〜東梓を1ピッチで歩けたあたり、前回よりもHPが上がってることを実感(前回は2-3ピッチかかってました)。
東梓から国師のタルまでは踏み抜きしつつもこれくらいは仕方ないよねという感じで進みます。しかしタルの先からが地獄。
タルから国師が岳まで400m以上ある高低差を延々と登ります。繰り返す小ピークと体重をかけるたびに腐って崩れる足下の雪に大変難儀します(崩れるたびにマリオのちくわブロックを思い出す)。
そして体力をさんざん奪われた後に急登が出迎えてくれました。
もうどうしようもないので休憩を繰り返しながらダラダラと登ります。悪態をつきながら。
急登を登り切りようやく国師が目の前に!と思いきやこれまた偽ピーク(2465m地点)。これほど登山者に悪意を見せつける山は他にあろうか(いや無い)。
甲武信岳→国師のルートは1回登ると二度とやるか!と思えるルートとして是非おすすめです。でも何故かまた登りたくなります。
這々の体で国師が岳に到着し大弛まで下山。10時間まではいきませんでしたが休憩込み8時間弱。
大弛山荘のテント場は繁忙期のせいか番号制出なかったのが幸いです。問題は雪上幕営だったこと。重量削減のために寒さ対策をばっさり切り落としたので底冷えする夜になりました。
ちなみにこのルート、大弛から甲武信岳であれば国師のタルまでの斜面をずっと下りるだけになるので難易度が大きく変わるそうです(大弛山荘小屋番さん談)。そりゃ大弛→甲武信ですれ違う人が多いわけだ。
4日目
流石に疲れが出てきてダラダラ準備し予定時間を超過してのスタート。朝日岳で朝日を眺めようと思ってましたが間に合わず。でも景色が良いので結果オーライ。
朝日岳から金峰の尾根・ハイ松地帯までは特にみるべきものもなく歩き続けます。時間が早いせいか雪が固まってて3日目よりとても歩きやすい。
ハイ松地帯は天気も良く風も少なかったのでとても穏やかで気持ち良い歩きが出来ました。岩場を抜けると五丈岩がお目見え。金峰山頂です。
五丈岩は周辺の山々からでもパッと見て分かるのでとても頼もしいランドマークです。見えるたびに「oh! ゴジョーサン!」と呼びかけるくらいには愛着を持ってる、そんな憎めないアイツ。
今回も五丈岩を堪能し、瑞牆山荘に向けて下山開始。金峰の尾根は岩場なのでアイゼンは使いたくないのですがスポット的に雪の斜面があり着脱を繰り返します。
大日岩への下りは全面的にアイゼンを使用。大日岩から先はアイゼンいらず。
行き交う人が非常に多い以外は特にみるべきものもなく大日小屋から富士見平へ。
富士見平への下り坂で、何故か大菩薩嶺から福ちゃん荘に下る坂道を思い出してました。坂道とトイレの位置のアングルが似てたからかな?
瑞牆山は道中にないのでパスし、バスの時間と早く温泉に入りたい一心で瑞牆山荘へ急ぎ、ついに到着。構想から2年越しの奥秩父全山縦走をこなせて感無量。
お約束の瑞牆ソフトで祝杯をあげつつバスに乗車、増富の湯で旅の汚れを落としました。
以前はこんな計画絶対無理だろと思ってましたが、鍛えたかいもあり自分の山レベルも上がったものだと実感できた山行でした。これで夏山は岩稜以外はどんなルートでも問題なく歩けるでしょう。
今回も無事下山できてお疲れちゃんでした。
それにしてもワカン、毎度携行すれど使わないまま最後の残雪シーズンまで終わってしまうとは…
コメント
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Holiday-Aさま
先日は雁坂へおいでいただきましてありがとうございました。
この連休の中でもテント場が一番混む時で、水の事も含めてご迷惑をおかけしました。少し時期を外すと本当に静かな静かな小屋です。またぜひお越しください。テン場も一戸建てふうの場所で張ってもらえば快適かと思いますので。
わざわざのコメントありがとうございます。連休は混むのがあたりまえなので気にされないでください。
また奥秩父を歩く際にはご厄介になると思いますが、その時はよろしくお願いします。
獅子鍋を作ってる山小屋は初めてで、びっくり楽しいひと時でした!
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