八ヶ岳縦走 青年は天望抱き高原へいらっしゃい


- GPS
- --:--
- 距離
- 21.6km
- 登り
- 2,456m
- 下り
- 1,885m
コースタイム
10:30 観音平
14:00 編笠岳山頂
14:30 青年小屋
【二日目】
06:40 青年小屋
07:20 ノロシ場
08:30 権現岳山頂(登頂前に大休憩)
10:30 キレット小屋(大休憩)
13:20 赤岳山頂(山頂小屋で昼食)
14:20 赤岳展望荘
【三日目】
<ALFAROMEO>
05:40 赤岳展望荘
06:40 横岳山頂
07:05 硫黄岳山荘
07:30 硫黄岳爆裂火口エッジ行き止まり
07:40 硫黄岳山頂標章
08:05 夏沢峠
08:40 根石岳山荘
08:50 根石岳頂上
09:10 東天狗山頂
09:50 中山峠
09:55 黒百合ヒュッテ
10:20 中山山頂
11:15 高見石小屋
11:35 丸山
12:10 麦草峠
<Y氏>
不詳=赤岳展望荘発
不詳=横岳三叉峰を探し数往復
不詳=見つからず諦め展望荘に引き返す
不詳=県界尾根降下開始
不詳=奥様が車でピックアップ
不詳=八ヶ岳高原ヒュッテ泊
天候 | 一日目:小淵沢は晴れ、観音平より上は曇り一時雨 二日目:曇 三日目:ピーカン |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー 自家用車
(1)新宿〜小淵沢駅:JR特急あずさ (2)小淵沢駅〜観音平:タクシー 【復路】 <ALFAROMEO> 麦草峠〜佐久平駅:タクシー 佐久平〜東京:新幹線あさま <Y氏> 八ヶ岳高原ヒュッテ〜東京:奥様が迎えに来ており自家用車 |
コース状況/ 危険箇所等 |
足がふらつく酔っぱらいは、 源治梯子やキレット〜赤岳間のルンゼを歩いてはいけません。 |
予約できる山小屋 |
黒百合ヒュッテ
|
写真
タラの芽天麩羅、
ボイルしたカリフラワー・ブロッコリー・ニンジン、
味付けキノコ、
茎のような山菜(塩味)、
しば漬け、
汁物として鶏肉シチューと豚汁、
デザートとして杏仁豆腐と缶詰みかん、
そしてご飯。
冷たいもの飲みたかったが、テラスは日除けない灼熱のテーブル&イス、さらに無数のアブが飛び交い、高齢者男女の数グループでかしましく、這々の体で何も飲まずに退散。
感想
3月にY氏と約束していた、南八ヶ岳のんびり紀行。
Y氏に予約を頼まれていたのが、「遠い飲み屋」の青年小屋と、「五右衛門風呂」の赤岳展望荘。3日目はあの田宮二郎主演TBS「高原へいらっしゃい」のロケ地である八ヶ岳高原ロッジを擁する八ヶ岳高原ヒュッテに宿泊。しかし、私は前2日の走破距離では物足りないので、3日目一人で北上縦走することに決めている。
前夜電話打ち合わせ。
Y「あずさで駅弁とビールいこう。」
A「えっ?登る前にビールはあんまりやらないなあ。」
Y「大丈夫、どうせ遅出で青年小屋行けばいいだけだし、ビールは350CCだから。」
1日目、どうせ今日は青年小屋で飲むんだろうから付き合うか、と、新宿駅ホームで駅弁と350CCビールを買って、8:00発のあずさの扉開くのを待っていると、Y氏登場。列車の指定座席で早速駅弁とビールはじめる。Y氏のビールは500CC!もう初めから話が違うが、どうせ今日は飲むだけだし、と初日の行動モードは決定。
9:53小淵沢着。タクシーで観音平。途中ローソンで水補給。
観音平手前の湧き水「延命水」は不安定で、水が枯れていることが多いが、今日は先週の雨の影響か、きちんと水が出ている。
観音平から上は曇天。Y氏のペースに合わせ、ゆっくりと登る。途中雲海〜押手川間ベンチで大休憩中、「Y氏の落とした帽子を枝に掛けておいた」と、親切な後続カップルが声をかけてくれる。私が走って取りに戻る。その後もゆっくりペースで編笠頂上へ。途中、森林限界突破の辺りで、ポツポツと雨粒が落ちるが幸いな事に続かない。
山頂から青年小屋へ。チェックイン済ませたあと、雨になると水質が劣化するので、急いで乙女の水に給水に行く。ここは十数年ぶりか。以前、簡易水質検査キットもって、あちこちの湧き水を趣味で調査したことがあったが、この乙女の水の美味しさは、そのまま飲んだ場合、八ヶ岳第2位、鍋ものなどの料理に使った場合は圧倒的第一位の美味しさであったことを思い出す。
青年小屋では、ビールと持ってきたアイリッシュウィスキーでさっさと飲み会をはじめる。しかし、酒が足りない。売店で購入したい旨申し出ると、なんとシーバス・リーガルのフルサイズがあるではないか。日本中の山小屋で、シーバス売っているのは、恐らくここだけであろう。さすが「遠い飲み屋」。
がんがん「シーバス乙女の水割り」飲んでいるうちに、5時頃から私がブラックアウト。もう何も覚えていない。夕飯も起きられずにパス。
翌朝、山行用の水補充のため、再び乙女の水へ。しかし、千鳥足でふらつき、真っすぐ歩けないではないか。朝食後、そんな体調でも6:30頃出発。権現小屋がこれ以上傾かない(経営も)ために、コーヒー飲んだりしてお金を落とそうと相談していくが、あいにく小屋着直前で歩荷に出かかる小屋番さんとすれ違う。やむなくジュースを買い(自己申告精算)寄付金を入れておく。小屋にザックデポして権現山頂往復。再び小屋でザック背負って出発。ふらついて調子が出ない。
源治階子に到着。何の躊躇もなく降り始めるY氏。その勇姿を写真に撮るが、Y氏降りたあと私の番。思ったより傾斜が緩く、恐怖感はない。まだ酔っているが、ザレ場でふらつくより安定している。
Y氏のペースでも追いつかない亀ペース。先週の連続台風で、阿弥陀、赤両方の壁面に多数の倒木と新しい崩落が見える。ツルネ超えてキレット小屋へ。しかし、小屋へ行く側副路が台風で崩落したようすで通行止め。
仕方なく、上の尾根道から赤岳側の導線でアプローチ。小屋前、エスビットで乙女の水沸かし、贅沢なチャルメラを頂く。水場の状況確かめに降りたが、汲み場上方に白いタオルのようなものが落ちており、清潔でないので汲まずに戻る。
キレット小屋からいよいよ核心部である赤岳南面ルンゼへ。ここを酔っ払ったまま登るのは、非常に危険。幸い少し酒が抜けかけていたので、何とかクリアー。
赤錆?混じりの赤岳ルンゼの岩質は、非常にもろく要注意。登りよりも下りが恐怖であろう。
赤岳展望荘に入り、五右衛門風呂の男性時間帯(15:30〜)まで時間があるので、生ビールと昨日の飲み残しのシーバス。五右衛門風呂は非常に気持ちがいい。標高2700m台で熱いお風呂に入れるなんて夢のよう。
バイキングの夕食後、談話室で飲んでいると、ボチボチ夕日がいい感じに。外へ出て撮影。先週とは雲の動きが逆方向。今回も神々しいPhotoが撮れた。
個室棟で寝るが、まったく寝付けず。ヘッデンで雑誌読んだりシーバス飲んだりして過ごす。2:30頃〜4:15まで眠る。
起床後朝の写真のため外へ。十文字峠〜内山峠間辺りで日の出。厚い雲のため遅れてご来光。
一人出発の準備を整え、5:30の朝食に向かい、さっさと済ませて出発する。Y氏は杣添尾根をまっすぐ高原ヒュッテに下りるだけなので、遅出にするという。今日は車で奥様が合流予定。一泊後ご夫婦で帰京の予定。
横岳で、植物に詳しい友人からあらかじめ言われていたツクモグサを探して撮影。硫黄岳山荘横、木製階段の右側に、ロープで隔離されたゾーン有り。その中にウルップソウを見つけるが、遠くて撮影できず。
硫黄岳頂上標識から、爆裂火口エッジ沿いに南東の方に進む。こちらに本当の三角点があるはずだ。しかし、またしても三角点見つけられなかった。
硫黄からどんどん下りて夏沢峠に。山びこ山荘で飲み水買おうと思っていたのに休業。根石岳山荘の水場まで我慢。根石岳山荘では、若い小屋番のお兄さんに水場の場所を聞いて、ハイドレーションバックにたっぷり保水。冷たく甘い美味しい湧き水だった。
根石〜東天狗登り中山峠まで怒涛の下降。キャップとったWストックで、次々乾いたゴロ岩のてっぺんにストック確保して、ストックでの3点支持で高速下降。中山峠で「直進にゅう」の表示から何を勘違いしたか左折。黒百合ヒュッテに来てしまい間違えに気づく。戻って四つ角北上。15分ぐらいで、「直進=中山」「右折=にゅう」の分岐点に出る。今度こそ中山方面へ。中山頂上〜展望台当たりまでは調子良かったが、その先高見石小屋までの下りが地獄。ゴロ石の連続だが、湿った密林のため、泥がゴロ石にへばりついていたり、ゴロ石が濡れていて非常に滑る。Wストック使っても、足を置いた途端横にずり落ちたりの連続。やむなくペース落として慎重に降る。この降りの途中で、脳が「飽きた」「まるで罰ゲームのようだ」とつぶやき出す。調子が良ければ麦草以北も行こうと思っていたが、泥滑りゴロ石で足首が捻挫気味になったこともあり、麦草峠で終了することを決意する。
直射日光で汗だく。高見石小屋で冷たいものを飲むことを励みに歩き続ける。
小屋到着したが、同じタイミングでジジババツアー登山パーティーとバッティング。姦しい騒音の中、デッキで飲み物注文しようかと思ったが、日照りを遮る日傘なく、アブが大量に飛んでいる様子を見て、あきらめて出発。丸山頂上経由で麦草峠まで下りるが、ドロドロゴロゴロに加え、台風の倒木で歩きにくい。
麦草ヒュッテで缶ビール購入し、丁度迎えに来たタクシーに乗って佐久方面へ。
麦草から茅野へ下りるか佐久へ下りるか迷ったが、八ヶ岳高原ヒュッテでフルコースを食べるY氏のことを考えているうちに、「美味しいもの」食べて帰京することに方針決定。茅野のお店は知らないので、佐久の割烹花月へ。川魚料理堪能し生ビール飲んで、タクシーで佐久平駅へ。新幹線で帰京。
あさまが上野に着く直前、Y氏から携帯に電話。私が「麦草で降りて帰る」ことを昼頃留守録しておいたのだ。
Y「どうしたの?何かあったの?」
A「いや、飽きたので(笑)。中山から高見石小屋への泥ゴロ石下りでもういいかなと。」
Y「そう、アクシデントじゃなきゃよかったけど。」「ところでねえ、僕は杣添の分岐点の三叉峰見つからなくて、横岳うろちょろしてたんだけど、あきらめて展望荘に帰って県界尾根で降りてきた。今はもうホテル。じゃあ、また後ほどね。」
A「はい、後日街で飲みましょう。」
60歳代後半のY氏が横岳のナイフリッジ行ったり来たりしていた姿を考えると、やっぱり一回り若い自分が最後まで同行すべきだったのではないかと反省。
しかし、杣添よりキツイ県界尾根無事に降りられたのだから、よかったよかった。
痛飲酔っぱらい状態の2日目(私)、道迷い後のルート変更の3日目(Y氏)と一部難のあった山行だったが、無事終了・・・と思いきや、なんとY氏は翌日高原ヒュッテから杣添尾根ピストン敢行したという。凄い。前日までの山行の疲れを考えると、頭が下がります。
コメント
この記録に関連する登山ルート

八ヶ岳縦走のレコを楽しく拝見させていただきました。
この時期、八ヶ岳はまるでお花畑の状態できれいな花々がいっぱいですね。
私も昨年から山登りを始めた初心者ですが、山では景色以外にも花を楽しむ事を覚え、最近花の名前も少々わかるようになってきたところです。
そんな私が、他人様のレコの中の花の名を教えるなど出過ぎたマネであることは重々承知なのですが、調べること自体も楽しく思え、その結果をお知らせしたい気持ちもありましてコメントさせて頂いた次第です。失礼をばお許し下さい。
調べた花の名は以下の通りです。
02番 コイワカガミ
19番 ハクサンイチゲ?
20番 ミヤマキンポウゲ
22番 ハクサンイチゲ
24番 キバナシャクナゲ
30番 ヨツバシオガマ
33番 イワウメ
46番 イワベンケイ
79番 オヤマノエンドウ。
ALFAROMEO様のレコを拝見し、いつか私もこんな縦走をしてみたいと強く思いました。いつの日か実現したいものです。
ご親切なコメント賜り、本当に有難うございます。
解らないことをお教えいただけることは、恐悦至極にございます。
御教示頂いた花の名前、私自身植物音痴ゆえ、こんな写真だけで同定することが出来るpasocom様の素養の深さに感服いたします。
植物に愛のある方々にとって、音痴の私が書く「紅い花」「白い花」などのキャプションでは、あまりに寂しい思いをされているかもしれないと、少し気になっておりました。
早速pasocom様にお教え頂いた名称に修正していきます。重ね重ね、ご高配に感謝申し上げます。
ありがとうございました。
レコを見てとても楽しそうだったので、
コメントを書かせていただきました。
お花
楽しみがいっぱいですね。
お花の名前、勉強になりました。
八ヶ岳に行きたいといつも思っているのですが
なかなか天気に恵まれず…。
硫黄岳に何度か挑戦しているも一度も山頂に
行けたことがありません。
去年は、本沢温泉の野天風呂に入って終わりに
なってしまいました。
ALFAROMEOさんのように縦走が出来たらとても
楽しいでしょうね。
ゆっくりと縦走をする事が目標です。
写真にもありましたが、青年小屋
前から行きたい小屋でしたが、レコをみて
もっと行きたくなりました。
これからも、山行記録を楽しく拝見させていただきます。
おはようございます。
私のふざけた登山レコ閲覧していただきありがとうございます。chibikoさんたちがもし青年小屋へ行かれることがあっても、飲み過ぎないことを固く意識されたほうが良いかもしれません。
青年小屋〜権現〜キレットへ行く場合61段の源治階子[注]がありますので、真面目な登山家はここを酩酊状態で通過するなどということを聞いたらきっと眉をひそめることでしょう。(本当は四点確保なので千鳥足で歩くよりよっぽど安定しているんですけど・・・)
二日酔いになったら、青年小屋から巻き道で押手川〜観音平におとなしく降ることをお奨めします(笑)。
青年小屋主人の竹内さんはエベレスト登頂を果たした本格派で、その時凍傷のため左小指を失ったといいます。
だから、「ギター弾くときに圧えられない弦がでてきちんと弾けない」とは、丹沢の某山小屋主(chibikoさんもご存知)の同類への愛のある悪口です。
実際の演奏は・・・土日には小屋にいらっしゃるようなので、是非行ってご覧になって下さい。
世の中には片手のピアニストもいるので、竹内氏のギターは、実はウマイのではないか?と私は想像しています。
[注]あの長梯子は「ゲンジ」梯子とか「ゲンジー」梯子とか呼ばれていますが、青年小屋の初代小屋主(今の竹内さんの先代)が、宮沢源治さんというお名前で、アダ名が「源爺(ゲンジー)」だったのではないかと想像しています。
山の固有名詞の付いた地名は、大概そこを開いた人物の名がついています。
青年小屋〜西岳の高低差のない登山道は『源治新道』、あの長梯子は『源治梯子』で正解というわけです。
ただし、親しみを込めてアダ名で呼ぶ場合、『源爺梯子』でも良いのでしょう。『源氏梯子』『源次梯子』は誤りということになります。
以上小ネタでした。
こんばんは、ALFAROMEO様
5:00以降ブラックアウト・・・!!(><)/
ビックリです。小屋泊で得られる雄大な景色。
のんびり、たっぷり山行を楽しむ様子
大人の休日ですね。
私のせちがない山行では味わえないレコです。
それにしても、野沢の花月をご存じとは、
地元の者としてはうれしい限りです。
鯉の旨味を理解していただけることも感謝です。
麦草峠でしたら、事前に分かれば、暇ならお迎えに行きますよ。
おはようございます。
結局持っていったアイリッシュと上で買ったスコッチ合わせると、ボトル1本分空けてしまったことになります。下界では考えられません。ツルンと喉を通る金命水の魔力と言いたいです。
花月は過去2回行ったことがあり、印象的でした。あそこの鯉うま煮はたいていの鰻屋の蒲焼より美味しいと思います。川魚料理では私の中で、竹廼家(浅科村塩名田)のハヤ唐揚げと双璧です。aonuma1000様の地元だったんですね。羨ましい限りです。
>麦草峠でしたら、事前に分かれば、暇ならお迎えに行きますよ。
ご親切にありがとうございます。心強いです。
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