【夏合宿】南アルプス・鳳凰三山〜白峰三山縦走
- GPS
- 119:35
- 距離
- 42.5km
- 登り
- 4,550m
- 下り
- 5,102m
コースタイム
8/27:夜叉神峠小屋(5:25)→杖立峠(6:40-50)→苺平(8:25)→辻山ピストン(〜9:20)→南御室小屋(9:50)
8/28:南御室小屋(5:15)→砂払岳(6:10)→薬師岳小屋(6:20-40)→薬師岳(6:50)→観音岳(7:20)→アカヌケ沢の頭(8:35-45)→地蔵岳ピストン(〜9:50)→高嶺(10:30-45)→白鳳峠(11:25-40)→白鳳峠入口(14:00)→広河原山荘(14:20)
8/29:広河原山荘(5:10)→白根御池小屋(7:40-8:00)→小太郎尾根(10:20)→北岳肩ノ小屋(10:55)
8/30:北岳肩ノ小屋(5:00)→北岳(5:30-50)→北岳山荘(6:45-7:05)→中白根山(7:35-45)→間ノ岳(8:40-55)→農鳥小屋(9:50)
8/31:農鳥小屋(4:45)→西農鳥岳(5:30)→農鳥岳(6:00-20)→大門沢下降点(6:50-7:05)→大門沢小屋(9:20-40)→広河原庵(11:55)→奈良田温泉(13:05)
天候 | 行動中は終始天気に恵まれた。 間ノ岳周辺、大門沢上部でガスったが雨に降られることはなかった。 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
上野〜新宿:JR山手線 新宿〜甲府:高速バス・新宿甲府線 甲府〜夜叉神峠登山口:山梨交通・路線バス |
コース状況/ 危険箇所等 |
【小屋・幕営地情報】 夜叉神峠小屋:テント1人400円、水場なし、宿泊者に限り水1リットル100円で譲ってもらえる 南御室小屋:テント1人500円、水場あり、水量豊富 広河原山荘:テント1人500円、水場あり 北岳肩ノ小屋:テント1人500円、水場往復30分だが水量少ない、小屋の近くで水1リットル100円で汲ませてもらえる 農鳥小屋:テント1人500円、水場往復30分、水量豊富 |
写真
感想
今年の山岳部の夏合宿は、南アルプス北部の夏道縦走を行った。山域決定にあたっては、「去年は北海道に行ったから今年は日本アルプスに行こう」と考えていたらヤマケイで南アルプス全山縦走の記事を見つけ「これだ!」と思った自分の独断である。初めはその記録のように甲斐駒〜光岳までの縦走を考えたが、部員たちの夏休みの予定の都合上厳しいため、北部のいいとこ取りとして鳳凰三山〜白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)の縦走を計画した(欲を言えば甲斐駒・仙丈も盛り込みたかった)。
合宿期間が8月末だったため計画段階では台風が不安だったが、ふたを開けてみると全行程行動中に雨に降られることは一回もなく、予備日も使うことなく実に計画通りの山行だった。猛暑に救われた。
8/26(日)晴れ
弘前組の野郎3名(うち1名は弘大ワンゲルの夏合宿・北アルプスから帰ってきたばかりだった)は高速バスを乗り継いで甲府駅まで行く。そこでバイトの都合上現地集合となったカミトさんと合流し、駅からバスに乗って夜叉神峠登山口まで進み、準備をして出発。前日からのバス移動のためか、最初の登りで自分はくたびれる。実は合宿中で自分が一番バテたのはこの日である。
登りつめて夜叉神峠に到着すると、水場が西に10分進んだところにあるという看板を発見。この日のテン場に水場がないことを考え、1年目を先に小屋へ行かせ自分とクサモリでその水場に行くことにする。水場はどこかと探しながら進むと、道の下の方でクマを発見。こっちの存在に気づいたらしく足早に逃げて行った。その後少し進むと水場らしき沢を発見するが、水量が少なく周辺に虫が大量に飛んでいたため、クマに会ったこともあり汲まずに戻ることにする。
この日は夜叉神峠小屋にテントを張る。結局水は1リットル100円で譲ってもらえた。小屋の管理人さんは親切な方で、水を2リットル分おまけしてくれただけでなく桃まで譲ってくれた。バテ気味な自分にとって桃は格別だった。管理人さん曰く「カレーに入れてもおいしい」とのことだったので、夕食のカレーにも入れて食べてみる。非常にまろやかだった。
8/27(月)晴れ
この日は南御室小屋までのんびり進む。小屋手前の辻山に寄ると、これから縦走する予定の白峰三山がよく見える。しばし風景を眺めてから小屋へ進み、10時前に到着。テントを張ってからは晴天の下、しばらく平和な時間を過ごす。南御室小屋の水場は水量豊富で冷たく、「南アルプスの天然水」と呼ぶにふさわしかった。
この日の夕飯は鍋・・・らしきもの。少なくとも1年分のニンジンを食べたような気がする。
8/28(火)晴れ
合宿の核心の一つ、鳳凰三山縦走の日。今まで続いていた樹林帯も、砂払岳手前で森林限界となり真っ白な花崗岩の稜線となる。森林限界を超えるのは自分の中では楽しみの瞬間の一つであるため、自然と気分も高揚してくる。薬師岳小屋で休憩してから、いよいよ薬師岳へ。このあたりからホシガラスがちらほら飛んでいた。晴天の中、タカネビランジやホウオウシャジンを愛でつつ縦走し、観音岳山頂で休憩。ここで兵庫から来たという若いお兄さんとお話しする。どうやら初のアルプスらしい。その後、そのお兄さんとは白鳳峠まで何度も追いつき追い越しを繰り返すことになる。
観音岳からアカヌケ沢の頭まで進み、観音岳山頂から見えていた地蔵岳のオベリスクに寄る。地蔵岳は明確な道はないが、登れるような場所はあった。しかし登ったはいいが下れない・・・ということになるとやや面倒なので、最後の巨岩手前あたりで撤退命令を出す。その後記念撮影をしてから下山開始。
高嶺からの下りはやや急であったが、それよりもっと大変なのは樹林帯に戻る白鳳峠からの下りだった。傾斜が急な上、ところどころ土砂崩れの跡が目立ちはしごやロープ、クサリがかかっている箇所があり、慎重に下る。慎重に進んだため、予定より広河原まで時間がかかったが何とか下りる。
広河原山荘のテン場は他大学のパーティーがいくつか泊まっていた。夕食のハッシュドビーフ雑炊(北大山岳部のカレー雑炊を真似てみた)はすぐ作れる上に絶品だった。夕食後、弘大ワンゲルの南アルプスパーティーとテン場で会う。話を聞くと、甲斐駒・仙丈に登ったそうで明日からの日程は自分たちと全く同じ白峰三山縦走だった(縦走の日数、泊まるテン場まで同じだった)。
8/29(水)晴れ
この日は北岳肩ノ小屋まで標高差約1500mを一気に登る。自分たちが起床した時点(午前3時頃)でワンゲルはすでに出発していた。朝飯・撤収を済ませ、5時頃に出発。ひたすら続く登りを進んでいくと、白根御池小屋手前あたりから下山してくる人たちとすれ違う局面が多くなる。中にはヘルメットをザックに取り付けているパーティーもいた。バットレスを登攀したのだろうか?
白根御池小屋で一息ついてから、草スベリを登ってゆく。大樺沢の雪渓がよく見える。前日に縦走した鳳凰三山をはじめ、甲斐駒、仙丈、富士山なども高度を上げるにつれ眺められ、北岳もより大きくなってきた。その後小太郎尾根に乗っかり、そこから肩ノ小屋まで縦走。天気のいい中、いかにもアルプスらしい稜線を縦走するのは久しぶりでとても気持ちがよかった。
肩ノ小屋に着くと人がそこそこいたが、テン場はワンゲルだけだったので好きな場所にテントを張れた。設営終了後、せっかくなので小屋で昼食を注文して食べる。僕はラーメンを食べたが、自分たちが朝に食べているモチラーメンとは質が比べものにならないほどよく、とてもおいしかった。そのあとは息を切らしながら水汲みに行ったが水量の乏しさに落胆したり、小太郎山に寄ったワンゲルがライチョウに会った話を聞いてうらやましがったりしながらのんびり過ごす。
8/30(木)晴れのちガス
合宿のもうひとつの核心、白峰三山縦走がはじまる。
日が昇り始めたあたりにテン場を出発。そこから少し登ると日本第二の高峰・北岳の山頂に到着。先に出発していたワンゲルをはじめ、いろいろな人がいた。天気はこの時は非常によく、北岳の影が見えるくらいで感無量だった。
満足してから間ノ岳の方へ進む。北岳から下りていくにつれてガスっていき、北岳山荘に着くころには完全なガスだった。そこでワンゲルとお話したりトイレのすごさに驚いたりしながら休憩してからさらに進む。中白根山を過ぎ、間ノ岳への稜線をガスの中進むと、登山道にライチョウの親子連れを発見。こちらを恐れる様子はほとんどなく、しばらく道の上をてくてく歩いていたため写真が撮り放題だった(自分は最後尾だったためあまりいい写真は撮れなかったが・・・)。
ライチョウとの邂逅に気をよくした後、稜線上を進んで日本第四の高峰・間ノ岳に到着。山頂はとても広く、ガスっていたため目印がないと簡単に迷いそうなところだった。
その場にとどまるのも寒いため、北岳ほど長居せずに下山開始。しばらく下りてこの日のテン場・農鳥小屋に着く。そこのオヤジは口は悪いがとても親切で、テン場での注意点だけでなくアドバイスもいくつかくれた。農鳥小屋の水場は肩ノ小屋のように少し離れた場所にあったが、水量豊富でとてもおいしかった。小屋のトイレは北岳山荘とは別の意味ですごかった。
8/31(金)晴れ
ついに下界へ降り立つ日。前日のように日が昇り始めたあたりに出発。西農鳥岳のあたりから振り返ると北岳・間ノ岳のモルゲンロートが美しい。テン場から農鳥岳までは一回も休憩せずに進む。今日下山、ということも影響していたのだろうか。
白峰三山最後のピーク・農鳥岳を下りて大門沢下降点に着いて休憩していると、先に出発していたワンゲルに会う。広河内岳ピストンをしたようだ。少しお話してから大門沢沿いに下山開始、というところで自分の登山靴の片方のビブラム底先端部がなぜかはがれてしまった。つい最近貼り換えたばかりなのに・・・
大門沢下降点から先の道は長かった。テーピングで補修した靴で自分は下る。もとより下りが遅い自分がいつもより慎重に下りざるを得ないため、他三人としょっちゅう離れる。それでも何とかついていき、大門沢小屋で休んだり、早川にかかる巨大なつり橋を二回渡ったりして(つり橋が本合宿中で一番怖かった)、広河原庵に到着。標高2800〜3000mの稜線から一気に下りたため、下界は暑い!
広河原庵に着いても山道もとい林道歩きはまだ続く。暑さと疲労と空腹をまぎらわすため、「夏休み」をテーマにしたしりとりを("単語"では続かないため"短文"中心で)クサモリとやりながら歩き、ついに最終地点・奈良田温泉に到着。夏合宿は文字通り「計画通り」で終わった。
ise2010さん、他メンバーさん こんばんは shtと申します。
皆さんが西農鳥岳(の最北ピーク)を通過された時、頂上で座ってパンをパクついていたオヤジです。
その際は、朝食と写真に夢中でお話しできませんでしたが、スゴい長旅とロング縦走の締めくくり時だったんですね!
お手軽登山しかできない自分には、皆さんのヤングパワーは羨ましい限りです
本当にお疲れ様でした。
shtさん、こんばんは。
西農鳥の途中でお会いしたこと、僕も覚えています。
モルゲンロートが美しいなか縦走していたとき、前方のピークで写真を撮っている姿を見かけました。
そのときの写真、記録で拝見しましたが大変美しかったです!
ヤングパワーといってもその日は全体的にだいぶクタクタで「今日は久しぶりに温泉に入れる!」というのを原動力に歩いたようなものですが・・・
「お手軽登山」と言いつつも百名山・3000m峰21座すべてを登頂されたのは純粋にすごいと思いました。
コメントありがとうございました!
声かけてくれればメシ酒ゴッツァンするよ。
またどうぞ。
ヨネヤマさん
本当は下山後にお会いしたかったのですが、今回は日程の都合上かないませんでした。
今回の合宿では行きたくても行けなかった山がまだまだたくさんあるので、また南アルプスに行きたいと思っています。
その下山後のときを今から楽しみにしておきます
ありがとうございました。
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