5泊6日北ア縦走（立山-薬師岳-雲ノ平-新穂高）

2012年09月01日(土) 〜 2012年09月06日(木)

• GPS: 124:00
• 距離: 59.0km
• 登り: 4,195m
• 下り: 5,514m

コースタイム

9/1（土）
室堂8:50-10:10浄土山10:30-13:30ザラ峠13:40-14:30五色ヶ原（テント泊）

9/2（日）
五色ヶ原6:00-7:40鳶山8:00-9:50越中沢岳-9;50-14:00スゴ乗越小屋（テント泊）

9/3（月）
スゴ乗越小屋6:00-7:10間山7:30-9:20北薬師岳9:30-10:50薬師岳10:50-13:00太郎平小屋（小屋泊）

9/4（火）
太郎平小屋6:10-8:40薬師沢小屋9:00-13:00雲ノ平山荘（小屋泊）

9/5（水）
雲ノ平山荘4:30-7:30高天ヶ原温泉7:50-10:40雲ノ平山荘11:00-13:20黒部源流13:20-14:00三俣山荘14:10-16:10双六山荘（テント泊）

9/6（木）
双六小屋6:30-8:20鏡平小屋8:40-12:00わさび平小屋12:20-13:20新穂高ロープウェイ

天候

9/1：晴のち曇
9/2：雨のち晴
9/3：晴のち曇
9/4：曇
9/5：晴
9/6：雨

アクセス

利用交通機関：

電車 バス ケーブルカー（ロープウェイ／リフト） 飛行機

行き
・羽田-富山（飛行機）
・富山-室堂（富山地方鉄道・立山黒部アルペンルート）

帰り
・新穂高-平湯温泉（路線バス）
・平湯温泉-八王子（昼間高速バス）

コース状況／危険箇所等

【登山道】
・全体的に極端に危険な箇所はないと思います。北アルプスなので、やはり岩が多い印象です
・ルートが分かりづらい箇所には、岩に○×マークがついていることが多いので、注意して進めば道迷いもないと思います
・時期的に天候不順でした。午後は雷の心配もあるので、できるだけ早出早着を心がけました

【温泉など】
・ホテル穂高：ロープウェイ駅近くのホテル。日帰り温泉可能。バス停が至近なので便利でした
・寿司栄：登山前日に富山で食べた寿司屋。禁煙のみならず「禁酒」な珍しいお店ですが、そのぶん女性や一人でも入りやすいです。値段も明瞭で安心、もちろん味もよかったです♪

写真

9/8 14:37

前日に富山入り
備品を購入したり寿司を味わったりして明日に備えました

9/8 14:26

1日目、立山に向け出発
富山を始発で出発すると8時過ぎには室堂に到着できます

9/8 14:26

バスから剣岳がくっきり

9/8 14:26

室堂に到着。いよいよ縦走スタートです

9/8 14:26

途中までは雄山に向かう登山道を進みます

9/8 14:26

10分ほどで浄土山への分岐に到着

9/8 14:26

室堂のターミナルを横手に見ながら登ります

9/8 14:26

9月の残雪

9/8 14:26

室堂から1時間ほどで浄土山の頂上に到着

9/8 14:26

雄山に…

9/8 14:26

剣岳(*´ェ`*)

9/8 14:26

そして、絶壁と雲の上に広大な平地を発見！
本日の目的地、五色ヶ原です

9/8 14:26

浄土山を後にし、先に進みます
富山大学研究所の分岐をザラ峠方面に向かいます

9/8 14:26

高度がもったいないですが、どんどん下降

9/8 14:26

雪渓
北アルプスを感じさせてくれます

9/8 14:26

木道もところどころに…
絶壁の淵を歩いていきます

9/8 14:26

左手に黒部湖

9/8 14:26

獅子岳を通過

9/8 14:26

だいぶ五色ヶ原に近づいてきましたが、一旦ザラ峠まで下りないといけません（泣）

9/8 14:26

雲上の平地が途中でスッパリと途切れて地へ…
この自然の造形にただただ驚くばかり

9/8 14:26

下り途中…
はしごもあります

9/8 14:26

ドライアイスのよう…（笑）

9/8 14:26

ザラ峠到着
今は何の変哲もないコルですが、その昔、戦国武将の佐々成政が、厳冬期（！）にここを越え、はるか浜松の徳川家康に応援要請のため会いにいったという逸話があります。
歴史好きとしてロマンを感じる峠です

9/8 14:27

ザラ峠を越えてしばらく登ると、五色ヶ原に到着です。あとちょっとなのに雨模様に…

9/8 14:27

あたり一面のお花畑
植物の名前がわかればもっと楽しいだろうにと思いつつ…

9/8 14:27

テント設営
が、ここで緊急事態発覚。なんとストーブを忘れた…Σ(￣ロ￣|||)
ガス缶とマッチはもってきてるのに…
恥を忍んで隣のテントのご夫婦に事情を説明し、ストーブをお借りしました。その節はありがとうございました〜

9/8 14:29

2日目
薬師岳の取っ掛かり、スゴ乗越に向かって南下します。
しかしあいにくの雨模様…

9/8 14:29

スタートから1時間、鳶山を越えたあたりで風雨が強まってきました。
引き返しも考えましたが、もう少し進むことに…

9/8 14:29

進むうちに雲間から光が…

9/8 14:29

そして虹が！
よかった、晴れてきました♪

9/8 14:29

薬師岳も見えてきました

9/8 14:29

そうこうするうちに越中沢岳に到着
ここまでは比較的順調でした

9/8 14:29

…が、ここからテン場までがきつかった（汗）
地図ではわかりにくいのですが、小ピークの登り返しの連続で、容赦なく体力を奪っていきます

9/8 14:29

こんなふうに、ピークの後ろに更なるピークが隠れていたり…

9/8 14:29

そんな辛さを癒すように薬師岳が見えてきました♪

9/8 14:29

さらにアップダウンを繰返し…

9/8 14:30

スゴ乗越からさらに登ると、ようやく小屋にたどりつきます

9/8 14:30

本日もテント泊
2日目終了です

9/8 14:31

3日目、いい天気です♪
本日は薬師岳を越えます

9/8 14:31

雲海の向こう、方向と形からすると水晶岳でしょうか？

9/8 14:31

立山方向
剣岳が見えます

9/8 14:31

そして、高度を上げていくと富山の市街が見えてきました

9/8 14:31

薬師岳の手前、間山のピークに登ります

9/8 14:31

到着
薬師岳が眼前に。手前の池もいい感じです♪

9/8 14:31

海側は能登半島まで見渡せます

9/8 14:31

休憩後、薬師岳に臨みます

9/8 14:31

登るにつれ、山の色が緑から灰色へと変わっていきます

9/8 14:31

苦手な大きな岩が目立ってきます（汗）

9/8 14:31

小ピークの眼下に有峰湖

9/8 14:31

岩登り…
そしていつの間にかガスが発生してきました

9/8 14:31

写真だとあまり迫力はありませんが、はるか下まで続く崖

9/8 14:31

さらに岩を登っていくと…

9/8 14:31

霧の向こうに柱が…
やっとピークに到着です♪

9/8 14:31

北薬師岳登頂
視界も悪く寒いので少し休憩して出発

9/8 14:31

ピークからちょっと進むと雷鳥が！

9/8 14:31

親鳥に…

9/8 14:31

ヒナもいます♪

9/8 14:31

親子でツーショット

9/8 14:31

こっちを見張っているようです

9/8 14:31

ガスの稜線を進みます。先ほどよりさらに視界が悪いです（涙）

9/8 14:31

小さなアップダウンを繰り返すうち、ついに薬師岳に到着。
とはいえ視界が悪いので素通り状態でした

9/8 14:31

薬師岳の南側は斜面も緩やかで、比較的降りやすかったです

9/8 14:31

…と、ここでまた雷鳥が♪

9/8 14:31

また親子だったのですが、ヒナは逃げちゃったので撮ることができませんでした

9/8 14:31

快調に高度を下げます
もうすぐ雲から抜けられそうです

9/8 14:31

薬師平の草原

9/8 14:31

峠を挟んで太郎小屋が見えます
もうちょい…

9/8 14:32

薬師峠のキャンプ場を越え…

9/8 14:32

石畳の坂を登り返すと…

9/8 14:32

太郎平小屋に到着です
ちょうどお昼すぎなので昼食をとることに…

9/8 14:32

小屋のラーメンおいしかった〜
ストーブがなく、暖かいものをあまり食べていない身には特に…（笑）
食事が終わった頃、ゴロゴロと雷鳴がしだしたので、今日はここで行動を中止することに。本日は疲労回復も兼ねて、小屋泊にしました

9/8 14:32

小屋から見た夕焼けの日本海

9/8 14:32

そして夜景…

9/8 14:33

4日目
旅のハイライト、雲ノ平に向かいます

9/8 14:33

太郎平から雲ノ平へは、一旦沢まで降りて、その後急坂を登り返す必要があります

9/8 14:33

降下中に見た雲ノ平への山
あの台形の上に日本最後の秘境があります

9/8 14:33

2時間ちょっと下って薬師沢の小屋に到着
この辺り、薬師○○という名称が多くて混乱してしまいます（笑）

9/8 14:33

沢を渡るつり橋があります

9/8 14:33

雲ノ平への分岐
「直登」とわざわざ書いてあるあたり、きつそうな雰囲気をかもし出しています

9/8 14:33

写真だと高度感がいまいちなのですが、結構な斜度で大きな岩をよじ登っていきます

9/8 14:33

結局2時間半登りっぱなし…

9/8 14:33

気力体力の限界が近づいた頃、斜度がゆるくなり先に光が…

9/8 14:33

ようやく雲ノ平にたどりつきました♪

9/8 14:33

雲ノ平エリアでは、木々や花、背景の山などがおりなす造形によって「アラスカ庭園」のようにユニークな名前がつけられています

9/8 14:33

油断しているとハッとするような景色が

9/8 14:33

日本庭園

9/8 14:33

なだらかな道の散歩が続きます

9/8 14:33

入口から1時間弱ほど歩くと、雲ノ平の中心部の小屋に着きます

9/8 14:34

夕方に小屋から撮影
黒部五郎岳

9/8 14:34

水晶岳、お気に入りの一枚です
なんだか模型を見ているようでリアルじゃない感じがします

9/8 14:34

もう一度黒部五郎方面
左に笠ヶ岳もはっきりと見えます

9/8 14:34

こうして4日目終了です
小屋の夕食で出た石狩鍋がすごくおいしかったです♪

9/8 14:35

明けて5日目、まだ暗いうちから出発しました
その理由は、雲ノ平のさらに奥にある秘湯「高天ヶ原温泉」に入るため。荷物を小屋にデポして朝風呂に出かけました

9/8 14:35

雲ノ平を見渡せる高台で弁当を食べていると、徐々に空が白けてきました

9/8 14:35

夜明け前

9/8 14:35

高台の向こう側には先日登った薬師岳も見えます

9/8 14:35

雲ノ平から出るまでに1時間ほど
その後樹林帯を一気に下っていき、沢と合流します

9/8 14:35

沢を越えると、森林の中に高天ヶ原が現れます
秘密の花園的な雰囲気です

9/8 14:35

高天原山荘
発電をしない、ランプの宿として有名なようです
ここにも泊まりたかった〜

9/8 14:35

小屋からさらに20分ほど歩くと、ついに温泉が…

9/8 14:35

こちらは男湯（当然ですが）
ケロリンの桶もいい感じです（笑）
縦走でパンパンになった足に硫黄の温泉が染み渡ります♪

9/8 14:35

15分ほどの滞在でトンボ帰り
来た道を雲ノ平へと引き返します

9/8 14:35

ピストンした道中、奥スイス庭園があります

9/8 14:35

雄大な薬師岳をバックにすると、たしかにスイスっぽい風情が得られそうです

9/8 14:35

いい天気です

9/8 14:35

小屋が見える丘まで戻ってきました
大草原の小さな家

9/8 14:35

長い長い朝風呂を終えて、改めて出発です
しかしこの小屋は絵になります

9/8 14:35

眼前に水晶岳
贅沢なコースです

9/8 14:35

薬師岳もバッチリ見えます

9/8 14:35

スイス庭園

9/8 14:35

東の祖父岳中腹からの雲ノ平全景
本当に素晴らしい風景でした♪

9/8 14:35

雲ノ平を抜けて三俣方面へ
そろそろ下山が近づいてきました

9/8 14:35

三俣山荘が見えるのですが、一旦黒部川まで降りなくてはいけません…

9/8 14:35

1時間ほど下っていくとようやく黒部川に当たります。
ここは橋がないようで、ロープを持って渡河します

9/8 14:35

黒部源流の碑

9/8 14:35

いい天気、いい景色♪

9/8 14:35

三俣小屋からヘリが飛んでいきました

9/8 14:35

時間が厳しいので、小屋では休まずすぐに出発
三俣から双六小屋に向かいます。
それはそうと三俣蓮華岳のてっぺんに人が（笑）

9/8 14:35

時間が最短なのと、午後の稜線は避けたかったので、三俣〜双六間は巻道を選択

9/8 14:35

1時間半ほど歩くと、双六小屋に到着
行動時間は今回最長の11時間半。もうヘロヘロです

9/8 14:35

ひさびさにテント泊

9/8 14:36

最終日、雨強し（涙）
テントをビニールに詰めて出発

9/8 14:36

雨足は強いですが、あとは下山だけなので気持ちは楽です

9/8 14:36

水晶小屋着
一時的に雨があがりました

9/8 14:36

これを見て、周りに自分しかいないことに気づき、あわてて熊鈴を出しました（笑）

9/8 14:36

水晶小屋から数時間
ようやく林道が見えてきました

9/8 14:36

そして林道着
そろそろこの旅も終わりです

9/8 14:36

ブナの林を抜けていきます

9/8 14:36

わさび平小屋に到着

9/8 14:36

腹が減ったので名物のそうめんを食べました

9/8 14:36

最後の出発
笠ヶ岳の登山口を越え、さらに1時間弱…

9/8 14:36

ついに下山
5泊6日…長かった〜

9/8 14:36

新穂高の温泉に入り、お土産を買って帰宅しました

撮影機器：

DSC-TX300V SONY

感想

Keith

仕事の関係で、ちょっと遅めに取れた夏休み。
時期的に一人旅確定だったので、それならということで長期のソロ縦走に挑戦してみました。

自分の体力と技術を勘案してチョイスした行き先は、北アルプスの雲ノ平。「日本最後の秘境」というフレーズにそそられ、ぜひとも行ってみたくなりました。そして、そこをメインに計画を立て、立山〜雲ノ平〜新穂高、5泊6日の縦走へと肉付けしていきました。

通常1泊2日の山行がメインの自分にとって、5泊6日というのはかなりの挑戦になると思いましたが、いざとなればエスケープも可能であること、なにより現在の自分でどこまで成し遂げられるかを知りたいということもあり、思い切って実行に移してみました。

実際に縦走しての感想ですが、まず計画と現実の山行とで、乖離が大きかったなと感じました。比較的余裕を持ったコースタイムで計画を立てたつもりが、いざ実行してみると、天候が悪かったり思っていた地形と違ったりで、思うように先に進めないケースが多かったです。ただ、その都度プランを立て直したり、行き先の取捨選択をしたりと、ソロ山行ならではの自由や達成感も味わうことができました。

また、家にストーブを忘れる（ガス缶とマッチまで富山で用意したにも関わらず…）というとんでもないハプニングも起こりましたが、ストーブをお借りしたり、小屋でお湯を購入したりと、色々工夫して乗り切ることができました。

結果的に、6日間の山行を成し遂げ、無事に下山することができました。その間、素晴らしい景色の数々や、多くの登山者の人情に触れ、忘れられない旅となりました。この経験をもとにもう一度自分の登山スタイルを練り直し、より安全で快適な旅ができるよう、還元していきたいと思います。