西穂高岳〜奥穂高岳縦走+涸沢岳
- GPS
- 23:42
- 距離
- 28.0km
- 登り
- 1,907m
- 下り
- 2,527m
コースタイム
- 山行
- 8:13
- 休憩
- 2:51
- 合計
- 11:04
- 山行
- 6:29
- 休憩
- 3:38
- 合計
- 10:07
天候 | 8/13雨 8/14晴れ〜霧 8/15霧〜晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
白出沢ルートは通行止め。 重太郎新道も群発地震で足場が不安定とのこと。通行は可能。 岳沢のエスケープルートは、上から見た限りは通行できそう。浮き石は多いだろう。 |
写真
感想
西穂〜奥穂縦走。その為にというわけではないが、奥多摩大岳山の鎖場から始まり、同じく奥多摩の稲村岩、奥秩父の乾徳山、両神山、二子山、鶏冠山、金峰山の五丈岩、今回も通過する西穂高岳、魚沼の八海山、そして槍ヶ岳に大キレット。自分なりに岩場のステップを踏んできたと思う。体力的にも結構な距離を日帰りしたり、どの程度まで通じるのか、測ってきた。正直、自信はある。
今年は新型コロナの影響で、山小屋は完全予約制、人数も抑える、と。つまり、例年激混みのこの時期に快適に過ごせるじゃん!?普段なら渋滞する岩場もスムーズに通れるのでは?これはチャンスでは??と。そんなわけで。遂に西穂〜奥穂縦走に挑戦することにした!!ロープウェイで西穂高口〜西穂高岳〜奥穂高岳〜白出沢ルートで新穂高に戻る計画。
8/13 1日目
雨。初めて新穂高ロープウェイを利用する。第一ロープウェイはケチって第二ロープウェイまでは徒歩で登ったが、結構マトモな登山道で、しかもちょっと道を間違えて遠回り。たかだか400円をケチらずに、第一ロープウェイに乗ればよかった。第2ロープウェイでは6kg以上の荷物は別途持込料200円。6kg以上は確実だが、興味本位で計ってみたら19kg!今回は小屋泊なのに、テン泊と重量変わらないじゃん!なんで???とりあえず酒類2kg(容器含む)はやり過ぎか。使わなかった交換レンズ、三脚、念のための湯沸かしセット、多すぎる食料(主に酒のつまみ)。5kg以上は削れたな。
西穂山荘に着く頃に雨は上がったが、ガッスガス。まあ、翌日晴れれば全てよし。小屋は個室を予約したわけではないが、個室状態。目論見通り。ふふふ。
しかし、なんと白出沢が通行止め!しまった〜!ロープウェイの時間と、西穂〜奥穂間は念入りに調べたのに、白出沢ルートは雰囲気くらいしか調べてなかった〜!さて、どうするか。
ザイテングラートで涸沢から上高地に下るか、前穂経由で重太郎新道を下るか。1泊追加して南岳まで行って新穂高に下れるが、現実的ではないな。
8/14 2日目
強風だが晴れ。遂に西穂〜奥穂縦走の時が来た。西穂高岳までは2年前に行った。問題ない。はずが、結構疲れた。岩場として難しいところはないが、体力的に結構キタ。それもそうだ。西穂山荘〜西穂高岳が今日の行程で一番標高差があるのだから。加えて2年前は西穂山荘に張ったテントをベースに空荷でピストンだった。
西穂高岳からの下りは問題ない。そもそも、西穂〜奥穂間は思ったより鎖が多かったが、西穂→奥穂だと、本当に必要なところは4ヶ所くらい。天狗ノ頭への逆層スラブ、天狗ノ頭から天狗のコルへの最終の下り、ジャンダルム基部から奥穂方面へ向かう分岐、ロバの耳の下りの最後。なんで鎖無いの???というところは1ヶ所、ロバの耳の下り中間点だった。逆層スラブに関しては、乾いていて登りなら必ずしも必要ないかもしれないが、奥穂→西穂だと感じ方も変わるだろう。しかし進めば進むほど、大キレットとは根本的なレベルが違う、と思った。特に下りの難しさ、浮石の多さ、体力度。大キレットは、良くも悪くもよく整備されていた。
狭い岩棚のトラバースは技術的には鎖は必要ないが、有ると無いとでは安心感が違う。実際に使うかどうかは別として。でも、折角あるのでしっかり掴む。
ジャンダルムで天使を見たときは、本当に興奮した。遂に来た!!と。しかもまだ視界がガスで覆われていない。奥穂が見える、西穂が見える、笠ヶ岳は雲の中。
ジャンダルムで一通りはしゃいだら、先に進む。今にして思えば、ここからが本番。ジャンダルムをへつって奥穂へ向かう分岐は鎖があってよかった。ロバの耳の下りは、なんでここに鎖がないの???という場所がある。普通はそっちは通らないよね、というところに中途半端な残置ロープはあるけど・・・。さらに下の方には、ここは鎖があってよかった〜という所が1ヶ所。今回のコースで一番緊張したのがロバの耳の下りだった。
そして最後の難所、ウマノセ。すでにガスに覆われた視界に少しずつ姿を現す薄緑のコケに覆われたウマノセは、威圧感が凄い。
実際に登ってみると、ステップもホールドもしっかりしているし、既に感覚が麻痺しているのか、高度感による怖さもない。ただ、疲労はピークで、ぜぃぜぃ言いながら越えた。
ウマノセを越えれば奥穂高岳山頂はすぐそこ。なんとか大ケルンに這い上がり、奥穂高岳登頂!そして西穂〜奥穂縦走達成!!感無量。ガッスガスだけど。さて、穂高岳山荘に急ごう。でも気は抜かずに。疲れてるからね。
8/15 3日目
山荘からすぐ上はガス。飛騨側から暴風。合間から涸沢カールが見える。辛うじて常念岳など遠望もあるが、次第にガスが下に降りてきた。
ザイテングラートか前穂高岳〜重太郎新道か。重太郎新道は群発地震で状態が悪いらしい。それでも天気が良ければ重太郎新道にしようと思っていたが、飛騨側から吹き上げる暴風とガスのなか、前穂〜重太郎新道はキツいだけで楽しくないだろう。前穂は獲りたいが、ここは安全第一でザイテングラート。今回の目的は達成してるからね。無事に帰らなきゃ。
でもその前に涸沢岳を獲る。そんなわけで、ガスと暴風のなか、飛騨側の登山道を登る。体感温度は5℃くらいか。結構寒い。3110mの山頂と、少し先の三角点を獲り、引き返した。
ザイテングラートを下り、閑散とした涸沢ヒュッテで一休み。涸沢ヒュッテからの下りも、明らかに例年より登山者はまばら。横尾ー上高地間を歩いている最中、前後に全く人がいないなんて、かつてあっただろうか?さすがに河童橋付近は賑わっていた。相変わらず上部は雲の中だが、上高地は日が照る時間帯もあり、いい天気と言っていい陽気だった。上高地からはバスで平湯〜新穂高と乗り継いで車を回収した。
今年は小屋が完全予約制だったので、1ヶ月前には3日間の日程を決めて予約していた。初日と最終日の天気はイマイチだったが、核心の2日目は見事にアタリを引いた気分だった。
西穂〜奥穂縦走は思った以上に体力勝負で、疲れきったところにロバの耳、ウマノセと難所が続く。補助は最低限の鎖や○マークだけだが、それでも整備されているからこそ通れるルートなんだな(これは大キレットも同じだが)、と整備してくれている関係者に感謝。さて、次はどこに行こう?しばらくは安全な所を歩きたいな。
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