槍ヶ岳・北鎌尾根 雨中苦難のアプローチ〜 雨上がりの尾根アタック
hatsu
- GPS
- 80:00
- 距離
- 41.4km
- 登り
- 2,538m
- 下り
- 2,531m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 3:00
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 4:00
- 山行
- 9:50
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 10:50
- 山行
- 8:40
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 10:10
- 山行
- 8:00
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 9:50
| 天候 | 8/11 雨 のち 曇 8/12 雨 のち 曇 8/13 曇 8/14 雨 時々止む |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2014年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス 自家用車
下山後 (8/14) 信州健康ランド（塩尻北IC最寄）に後泊 ※「バイクで登山」が信条ですが、台風11号通過の暴風にぶつかり、さすがに ザック荷積してのバイク走行は危険と判断して今回は車で出動しました。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
●水俣乗越〜槍ヶ岳山頂までの間はバリエーションルート(未整備）です。 当然、標識・マーク類や危険個所の鎖の類はありません。 踏跡は適正・不適正入り乱れ存在するので相応のルート観察・判断力が必要です。 ●水場は左右俣出合（標高1,900m）が定石ですが、このところの雨天続きの影響か らか遥か上部（標高2,400m；北鎌コルより▲80m）まで取水可能でした。 ●水俣乗越から北鎌沢出合への下降の間に雪渓歩き（300m程度？）有； アイゼンは不要。 ●北鎌沢右俣の上部（最上部から2番目の左右分岐判断の留意箇所の大岩）に有った 1本杉は倒木しており大岩の右巻きルートが杉枝で覆われて通行難 |
| その他周辺情報 | ●小梨の湯 (小梨平キャンプ場； バス乗車前に山臭除去ww）： http://www.nihonalpskankou.com/guide.html ●豚さん食堂（R58松本ＩＣの先；生姜焼専門店、てんこ盛）： http://buta3shokudo.buta3.jp/ ●信州健康ランド（塩尻北IC最寄；サウナ＆水風呂の温度設定が雄々しくてヨシ）： http://www.kur-hotel.co.jp/shinsyu/ ●道の駅アルプス安曇野ほりかねの里（蕎麦・野菜天 コスパ良し）： http://horigane.or.jp/ |
写真
高度計と標高を照らし合わせ把握できて役立った。
P11〜P12間の連続する小ピークは等高線10m間隔では地図上では現れず現場での位置方向判断が必要。
ラドウェザーの登山時計。Netで\5,480.-程度？とC社・S社品と比べ文字通り”桁違い”の安価なのだが高度計機能は実用上十分。大曲で標高補正し、北鎌コルでの誤差は▲10m弱、穂先で▲40m。天気（気圧）変化により今回は誤差が大きめだった模様。
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大曲で標高補正し、北鎌コルでの誤差は▲10m弱、穂先で▲40m。天気（気圧）変化により今回は誤差が大きめだった模様。
更にはその後に再び急登りが待ってる
これは前週の山行で同じ位置から偵察撮りした時のもの。間ノ沢と合流し河原が広くなった以後、”Z”状の2度の折れ曲がりの上の角部（河原の半ばに木立有）のあたりが北鎌沢出合、そこから左へ遡上する沢筋が左俣だと思う。
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間ノ沢と合流し河原が広くなった以後、”Z”状の2度の折れ曲がりの上の角部（河原の半ばに木立有）のあたりが北鎌沢出合、そこから左へ遡上する沢筋が左俣だと思う。
雨でぐっちょり軟らかいザレ。乾燥して表面だけ滑るザレよりはかえって怖くない。晩春の腐れ雪のようにズブズブ靴がめり込み、ザレの塊ごとグリセード・尻セード状態でズリ落ちていく。
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ここが北鎌沢出合(標高1,820m）。
セオリー通りにここで給水するが、台風の影響か右俣は遥か上部まで取水可能だった。
北鎌のコル到着。地形図より標高は2,480m程度。「何故かブヨが多いのでここはビバーク不適」との大天荘Hスタッフのアドバイスの通りだ。スルーします。
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「何故かブヨが多いのでここはビバーク不適」との大天荘Hスタッフのアドバイスの通りだ。スルーします。
今夜のビバーク地（P8手前の小ピーク）コルから数えて5番目の空き地。
岩がそれなりの風除けになり、木枝が物干代りになる。
この景色を一人独占、贅沢だ。
（合成画像は備忘録のため；気にしないでくださいませ）
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コルから数えて5番目の空き地。
岩がそれなりの風除けになり、木枝が物干代りになる。
この景色を一人独占、贅沢だ。
（合成画像は備忘録のため；気にしないでくださいませ）
昨日雨の中苦労して来て良かった。
ここの方が更にビバーク適地だった(数張可能）、
あと10分歩いてれば着けたんだ。
オーバーハング岩。ネット情報では著名のようだが難易度はさほどでもない。P11以降、もっとヤバいのがアレコレ出てくる。M氏はトラバース道捜索で写真のあのザレを上り下りしたそうだ、大変ご苦労なことだったでしょう。
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M氏はトラバース道捜索で写真のあのザレを上り下りしたそうだ、大変ご苦労なことだったでしょう。
チムニー超えた後、先行グループ3名はP10~P11間のコルへ向かう、右へのトラバースルートを進む（3人映ってます）自分は独標ピークを目指してスラブ帯を斜め左へ進む
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自分は独標ピークを目指してスラブ帯を斜め左へ進む
P13白ザレ峰。事前ネット情報に従い、右へのトラバースは避けて直登する。右寄りのチムニー沿いに上がり一度左へ横移動して直上する、という先達の情報が確かに適当だった。
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P14ー第1峰(白ザレ）の取付手前から見る、直登ルート。「P13からは基本、稜線通しで」という事前ネット情報を得ており、現認してそれが適当だろうと判断し直登する。
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「P13からは基本、稜線通しで」という事前ネット情報を得ており、現認してそれが適当だろうと判断し直登する。
(これも白ザレ）※P−14は3峰からなる構成と解釈しています
ここで白ザレは終わり、以降は穂先と同様の灰黒の堅い岩群になる。ちょっとホッとする。
登り切って大槍がどーん！と現れる感動を是非体感して欲しいので直登ルートをお勧めします。
P15から来たルートを振り返る。このピークは広くて、前に大槍、後ろに独標と北鎌の尾根岩峰群、と絶景で、雰囲気の良い場所なのです。西穂~奥穂間の、ウマノセ手前の、後ろにジャンとロバ耳、前方にウマノセと奥穂、の広い小ピークの雰囲気と似ている。
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西穂~奥穂間の、ウマノセ手前の、後ろにジャンとロバ耳、前方にウマノセと奥穂、の広い小ピークの雰囲気と似ている。
「フリーでも下降できる」との情報も有り現認すると左に巻きながら降りられそうにも見えるが、せっかくなので懸垂します。支点は残置スリング2本を利用。
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支点は残置スリング2本を利用。
空いた右手（利き腕でない）でカメラ操作したけど、、こんなんで落としたりしたらバカだ。
30m（ダブル使用で15m）で事足ります。
下のチムニー。左の残置ロープに惑わされwwぶら下がったらオーバーハング状態となりなんとも不安定だった。後で後続者に聞いたら右璧からフリーでステップ・ホールド取りできるのだそうだ。
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後で後続者に聞いたら右璧からフリーでステップ・ホールド取りできるのだそうだ。
上方に手を伸ばしグリップを探るところ。
記念撮影の邪魔にならぬよう、登頂のタイミングを測り待機ww
時間が許せば上高地へ急がずにココでのんびり停留するのも
してみたい。
小梨平キャンプ場の管理棟、毎度お世話になる「小梨の湯」・・前回の山行では終バス間際で寄れず、大荷物＆山臭で平日帰宅ラッシュの大糸線に乗るハメになり大変肩身の狭い思いをしたので今回は安心だ。
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・・前回の山行では終バス間際で寄れず、大荷物＆山臭で平日帰宅ラッシュの大糸線に乗るハメになり大変肩身の狭い思いをしたので今回は安心だ。
装備
| 個人装備 |
登山時計
ハーネス
スリング
ガチャ類(懸垂用具)
ロープ(8mm×30m)
|
|---|---|
| 備考 | ●バリエーションルートならではの懸案： １．軽量化優先で着替類を極力削ったことへの雨天防寒対策 ２．大キジ対策 |
感想
槍穂の岩稜ルートをこなした後、次の目標に掲げた「北鎌尾根」。有名なクラッシックルートであり小説類も読んでいたのですが、具体的な実践対象として改めて情報収集や準備を昨シーズン末からコツコツ続けての、いざ本番に臨みました。
前半は天気に祟られたものの、肝の尾根登山は良い天気にも恵まれ、色々問題・課題（後述）も有った中で実力ではない「運」の部分も有り達成できたと思います。
＜事前準備＞
とことん調べて分析する性格のためwwそれこそ様々な情報を集めました。知識・イメトレ(机上の空論？)としてはもはやバリルートとは言えなかったかもしれません。
「右俣のホイホイ」
「独標取り付きの緑ロープ」
「P12、P15のどん付きは懸垂必至」
「P13以降は基本稜線通し」
「巻く時は基本千丈沢側（右側）」
「巻き過ぎると北鎌平をも超えるので注意」
「白ザレ峰の適正ルート」
「独標ピークへのルート」・・・等々。
おかげで”登攀自体”では大きなルート・判断ミス無く対処できたと思います。
（参考になった情報）
・個人ブログの一例：
http://homepage3.nifty.com/yappariyama/kitakamalink.htm
・ヤマケイのビデオ：
https://www.yamakei.co.jp/products/2807912450.html
・懸垂・レスキュー： ・堤信男「全図解レスキューテクニック」
(登山者のための安全技術・セルフレスキュー）
・山岸尚将「教科書に無かった登山術」
（クライミングを楽しむための45の知恵）
・その他： 「北鎌 P13」「北鎌 懸垂」「北鎌 ●×」・・といった検索 でヒットするブログや動画、ヤマレコの北鎌レコ
ボルダリングのコンペで初見（わずかなオブザベーション）で臨むような、事前情報が無い状態で向き合うのが本来の(正当な？）バリルートへの対処なのかもしれません、どうなのでしょう？？ ともあれ自分は自分の臨み方しかできないので、事前準備して臨めて結果に繋がって良かったと感じています。準備過程も楽しかったですし。こと懸垂や自己確保の技術・道具を覚えたことは収穫だったと思います。但し全てか万全だった訳ではなく以下問題も有りました。
＜問題・課題＞
�／紊良埖�：
左右俣出合で給水し4．3Lで登坂開始したのですが、北鎌平で水切れに至りました。従来の山行では必ず500ccPETボトルをリザーブとして残しておくのですが今回はそれも使い切りました。主要因はビバーク時の調理で消費し過ぎたことによります。いつものテン泊のペースで主菜に加え汁菜や食後のコーヒー、晩酌までに水浪費したのが間違いでした。極力水を使わない調理・食材で臨むべきことを実感した次第です。ビバークを2日しても大丈夫なつもりで食材持参しましたが、フリーズドライ系はそもそも水が無ければ意味が有りません。
右俣の最上部まで取水できる状態であったのに追加補給する考えにも及ばなかったことも反省点です。
��寒さ対策：
軽量化のため、着替類を極力絞って臨み寝る際は全部着用する予定でした。前回（先週）の山行で着替防寒着を持ち過ぎて重量過多となりかなりヘバったという直近の経験も悪影響しました。結果的に、濡れた靴・靴下・カッパは着用できずまたツェルトの隙間風（明け方で気温8℃）もきつく、寒い一夜を過ごした次第です。靴下をコンロで炙り半渇きさせ、胸に付けて寝袋に入ったのですが結局濡れた靴を履くと冷たくなりそれではと裸足にビニル袋巻いてから履いてみたら靴内で指が滑る感じでグリップ感が変わり岩稜帯では不適当でした。
右俣の”沢登り”には参りましたが、夕方から雨が上がりそれ以上に濡れて冷えなかったのは幸いでした。これがずっと雨続きで強風でツェルトも使えなかったら「低体温で動けない」なんて事態もあり得たかもしれません。猛省すべき点です。
��初めての大キジと後処理：
えぇ、若い頃の野遊び海遊び他でNGSした経験はヒト並みにはございますがww
きちんと登山を始めてからは今回が初の機会となりました。後処理対策としましてジップロック中（紙用）と目隠し用の新聞チラシ、防臭剤（ファブリーズを百均スプレーボトル小に小分け）、それに実(み)用のジップロック大も持参。
紙の方は回収し持ち帰った次第ですが、・・実(み)の方は封入したとして、さてその後どのように携行しようかと悩み、ザック上部のポケットには同梱したくない代物類の定位置だし、さりとて下方のスペースだと振動荷重試験のごとき登山歩行で臭気や実(み)が漏れ出したりしたらエライことになり小屋もバスも出入りできなくなることを懸念しまして、結局自然に返すことにした次第（つまり放置）です。
次回の北鎌トライの折には事後経過を観察する予定です。
・・ネガ・グロな内容が先行しました、スミマセン。以下はポジ内容です。
＜北鎌の魅力＞
ずっとソロ行で、自己判断・自己責任で対処する山行をして来た身として、こと「ルートファインディングス」「危険察知」「状況判断」が試されるようなバリエーションルートは大変魅力を感じ期待をして臨んだのですが、期待以上のモノがありました。今後北鎌を検討されている方は、是非「ソロ行」または「トップ・リーダー」のつもりで自分がルート選択判断するような心持ちで臨んで欲しいと思います。人のケツ（もとい背中）を追うばかりの登山スタイルだと北鎌の魅力をフルに体感できないしもったいないと思います。こと初登の機会は1度しかないのでワクワク・ドキドキ感をMaxに得られるように。逆に、誰かに引率してもらおうとか、「私でもいけますかね?」と質問するようなレベルでは未だ時期尚早なのでしょう。自己責任・自己判断で一人はぐれても考え行動し対処できることが必要ではないかと思います。
「北鎌の核心部」は様々挙げられるでしょうが、私自身は以下だと感じました。
��P13~P15の攻め方（特にP13＆P14−第1峰の”白ザレ”）
��P11~P12の小ピークの攻め方
�Ｊ羸茵淵船爛法実勝砲離襦璽伴茲�
小屋でM氏や後続の女性ペアとも北鎌談義しましたが、皆「白ザレ」が嫌らしくて直登すべきかどうか逡巡し、また巻道や稜線への復帰で苦労したと言っていました。
ザレは登ってもしダメだった場合戻るのが困難だろうとの判断から巻道を選択したとの意見も有。ヤマケイビデオでもP−13、P14−第1峰は共に巻いています。
但し巻道はある程度のところで稜線に復帰しないと北鎌平や更には小槍の方まで巻いてしまうというネット情報が有り要注意。巻道がザレに至り踏み跡消失して行き詰まるとか、稜線復帰がザレ部で苦労したとか、巻道で踏んだザレ・岩ごと滑落した、といった情報も有りました。
私自身は豊富な(調べ過ぎ？）事前情報から「戻ることなし、直登」判断で行ったので、直登か巻道かの選択によるハラハラドキドキの機会を失したのかもしれません。
独標〜P11間のコルからP−11への登り返しルートは悩んで色々行きつ戻りつをした部分です。これは独標ピークを飛ばすルート取りだと経験できないですね。
技術面とは別に、北鎌らしさ（雰囲気・景色）が濃く体感できる場所・ルートとして
「独標ピーク」「P15ピーク」は是非外さずに行って頂きたいなと思います。但し1日で抜ける前提のタフなプランの方（私には無理です）ならスピード重視のルート取りも当然アリだと思います。P13以降は巻道より直登の方が早い、というネット情報は確かだとは思います。
＜個別・各ポイントについて＞
・北鎌沢出合の見定め：
水俣からのアプローチの場合、手前側(標高が100〜50mほど上部）に2ヶ所ほど紛らわしい沢筋有り。ご丁寧にケルンまで有るので注意。先日の北鎌レコで日大尾根？に上がってしまい苦労されたという方がいらっしゃいましたが、このあたりから登られたのでしょうか。尾根への遡上具合を眺めるとかなり大変な具合です。
標高把握しながら行けば問題無く辿りつけると思います。因みに大槍登頂を共に達したM氏は解らずに貧乏沢まで下ってしまいタイムロスしたそうです。写真で解説した樹木の特長を憶えていれば、現場を見れば「ははぁここか」と解るでしょう。
途中、水俣方向へ撤退して来る10数人の大グループ（ガイドチーム？）に逢いました。コル手前200m地点で風雨が強くなり断念したとのこと。稜線でのビバークを前提としないプランだったのでしょうが、雨の中雪渓やザレを遡上し水俣乗越へ登り返すのは心身共に難儀だったでしょう。
・右俣の難所：
大岩を左から乗り越える箇所(お助けロープが枝からぶら下がっている）は苦労しました。体（右ケツ）を強引にステップへねじ込んで左半身で左側の岩璧を押し付けながらじりじりと重心を上部にずらして這い上がるような感じ。写真ありませんが穂先の上のチムニーに似たムーブだったかも。
上部の倒木大岩（写真有；私は倒木を利用しましたが後に後続の女性ペアに聞いたら左側から登れたそうです）
沢登り状態で水流も滝しぶきのような箇所も頻発し濡れて滑り気味で苦労しました。
後半の石に生々しい血痕が有り危惧したのですが後にM氏の怪我によるものと判明。
・右俣の”クライマーズホイホイ”：
赤ペンキのX印（共に右方向、2ヶ所有るそうです）はかなり薄くなっている（大天荘H小池氏談）とのことでした。現認はしていませんが、上部に大岩で沢筋が二分しているような場所が2ヶ所有り、その場所は足元ばかりを見ていると右に寄ってしまうかもしれないとは感じました。日頃から数秒毎に首を上げて前方・遠方を見るよう登攀癖・意識をしていれば、有視界条件（ガスや夜でない）なら見誤ることは無いのではないかと感じた次第です。沢筋も、最終ゴールのコルも見えていれば方向は明瞭に把握できます。
・稜線上（独標より手前側）でのビバーク適地：
�‘班献圈璽�（景色良く風除け岩で囲まれている）
��P8ピーク（猫耳峰） 複数張り可、景色良
�Ｆ班玄茲衂佞�の一段下の丘（残置シート?有；今回M氏がビバーク）
��P8手前のピーク（今回使用）
�ニ務�コルから3番目の空き地（風除け有）
※北鎌のコルはブヨが多く不快とのこと（大天荘H女性スタッフ談）。
確かに多かった。
※P8の少し先にシングルテント1張相当の岩穴×2が有りました。天候悪化時のシェルターとして活用できそうです。・・但しキジ撃ち？のような痕跡が有ったような気が・・。
・コル〜P9の間は踏み跡は一般ルート並みに明瞭です。
・P8から先が森林限界を超え岩稜帯になり、北鎌らしさがスタートします。
・P9以後の小ピークのアップダウンではルートロスや浮石に要注意。
・独標トラバース：
M氏は緑ロープが目印であることを知らずにヤマケイの槍穂連峰のガイド本（私も所持）の表現に騙されて？ルート捜索で手前のザレを大きく下りまた登り返して3時間ほどロスしたそうです。「正面に独標に向かう岩場が見えるがそこは通らずに千丈側を右手に巻き、ザレたバンドの踏み跡を進み・・」云々。確かに紛らわしいです。
怪我の影響？で独標直登は無理と判断されたようで、さりとて右俣を下りたくもないしと途方に暮れている面持ちで居るところで再会し、トラバースの取り付きまで同行した次第です。取り付き手前の急なザレ（オーバーハング岩の写真に遠く映っています）を下り登り返したとは大変なご苦労だったでしょう。
取り付きの緑ロープ（写真有）はせっかくだから確保して進んだのですが胸元での操作がしにくく腕を伸ばすと重心が空中に出てオーバーハング状態になりかえって不安定でした。ココは確保なぞせずささっとフリーで渡る方が適当です。
有名なオーバーハング岩（写真有）は拍子抜けします。但し切れ落ちは深いです。
その後の狭いバンドのトラバース（写真有）は慎重に。大天荘Hの女性スタッフは強風時は怖い場所と言っていました。体・ザックごと風で持って行かれそうで怖いのでしょう。
独標ピークへのルートは様々有るようですが、残置ロープの有るチムニー（写真有）
が解りやすいと思います。ここは最初のステップが高くて体が持ち上がらず最初だけロープの助けを借りました。左側の壁からも上がれそうですが足元が狭く背後が切れ落ちているので上がろうとしておっとと、と降り戻って一歩後退したらそのまま下へ落ちそうで怖いので慎重に。見返したヤマケイビデオではロープは無く、チムニーの奥まで右モモを入れて体を持ち上げるワザ？を使ってました。
→(追記）ビデオのワザ？はチムニー奥のチョックストンを使ったのかもしれません。
・P12：
クライムダウンに苦労しました。帰宅後に再確認したところ最終的にヤマケイビデオと同じルートで降りたようでしたが、最初は勘違いしてその先のチムニー(写真有り）を降りようとしてもがき（ザックと体で挟まりかけて大いに焦り苦労して脱出）、次に天丈側を巻いてみて懸垂必至の切れ落ちに行き詰まり（懸垂支点が明瞭なら懸垂したかも）、右往左往したところでした。
・P13白ザレ、P−14−第1峰白ザレ：
この日ご一緒した方達は巻道を選択したようでしたが、ルートを見定めればザレの直登は可能でクライムダウンで戻る心配は不要です。M氏はザレ直登途中で「あと1歩登ったら降りれなくなる」と判断した地点から戻り巻道へ迂回したとのこと。怪我の影響も有ったのでしょう。私は事前収集情報があっての直登直進でしたが雨天で濡れて緩んでいたなら回避したかもしれません。
・P15どん付き：
「懸垂必至」「支点有」「フリーで降りられる」「巻道だと”諸君頑張れ”プレートが見れない」といった事前情報を入手していたので、懸垂道具持参の上で行きました。フリーでのクライムダウンは、直立したスラブ状の大岩が重なるフェースを巻くようなイメージでステップ・ホールドが浅く遠いようですが、背丈が有るかボルダリングスキルが有れば行けるのだと思われます。
→(追記）以下にP15ピークからの下り画像ありました； 参考まで
http://ota-ac.com/2013/09/
これ見ると普通にクライムダウンしてますねww
私はリンク先画像での上部左の残置スリング支点から左のフェースを懸垂したのですね。
・穂先：
様々なルート取りができそうですが、カニハサミ岩から左から巻くイメージで行くのがより確実な印象でした。「より確実な側へ」の判断を繰り返していくと自然に下のチムニーに行き付きました。
2つのチムニーは予想外に苦労したところです。
下のチムニーは残置ロープが左璧にぶら下がっているので（画像有）利用したところかえって宙吊りオーバーハング状態となり不安定でした。右璧のステップ・ホールドを見定めて登るのがポイントのようです。
下のチムニーを超えるとすぐ上のチムニーです。ここでM氏と再び合流。怪我と体力の限界？で何度かトライするも登れない模様で休憩思案中。両チムニー共に右からの巻道はあるのですがやはりここはチムニー超えしたいところ。
持参ロープが有るので空身で登りザックを引き上げる策もできなくはないのですが、なんとなくザック降ろしてのトライは不本意な感じです。左璧はステップを捜すのでなく足裏で押し付けてつっかえ棒にするようにして徐々にせり上がると、ホールドを手探りで確保することができ二人ともクリアしました。二人共に体が大き目（私は178cm、M氏は180cm半ば？）のためできたのかも。後に小屋で女性ペアの年長者（ベテラン・ボルダリングスキル有、小柄な方）に聞いたらここは右璧のステップ・ホールド利用して登れるのだそうです。使えるステップ・ホールドを見抜く眼力／または僅かな段差でも使える技術、のレベルが違うのでしょうね、ボルダリングも基本を習ってみようか、と感じた次第です。
(追記）
前記の参照サイト（個人ブログの一例）に加え、以下サイトがp11~穂先の攻め方が詳しく解説されてます（但し独標は直登）。また、私の解説でのP12がP13、P13が白ザレA峰、P14−1がP14、とそれぞれ呼称されています。
http://yamanotecho.web.fc2.com/01choivari/doc/1009kitakmaridge01.htm
＜出逢い＞
●俊足3人グループ：
ババ平を朝出たという方々に独標トラバースで抜かれました。凄いスピードです。
その後のレコを拝見したら1日で抜け更にババ平まで戻ったとのこと。
帰宅後に以前から互いのレコにイイネしてたお相手（同じ新潟の方）だったことが判明して驚いた次第。私が北鎌を意識して懸垂道具を揃え、いざ練習する際に場所情報を得たのもこの方のレコがきっかけだったのでした。ヤマレコの縁ってどこかで繋がってるんですね。
●東京のM氏：
同じ夜に北鎌尾根稜線でビバークしたのはおそらく私と彼だけだったようです。
槍沢ロッジ発→稜線ビバーク→槍山荘、と同じ日程。亀足の私が早出しM氏に沢の出合手前で抜かれたのですが、何故だか右俣で再度抜かれ、翌日に独標取り付き前で合流してまた別れ、最後のチムニーでまた合流して大槍を一緒に登攀し、そこで別れたがまた山荘で再会(当初自分はH大槍予定だったのを変更）、下山道でも再会、と都合6回の接点で、共に北鎌を踏破した同志でありますww。連絡先交換し改めて反省会しようと約束したのでした。心配した手指の怪我は山荘脇の臨時診療所で5針縫合の応急処置されたとのこと。あの怪我で踏破した精神力は凄いと思います。
●後続の女性ペア：
山荘にて北鎌談義させて頂きました。親子？のような組み合わせですがベテランの方のクライミング技術・知識はお話からも感心した次第です。岩稜の現場でのムーブを拝見したかった。大天荘Hから1日で抜けるスピードも真似できません。
●神奈川の男女混合若手3人チーム：
槍沢ロッジでお会いし情報交換・アドバイス頂きました。ボルダリング仲間とのこと。先鋒（女性）／情報参謀／主将、といったイメージ配役で北鎌のために穂先からの下降偵察や剣でのトレーニング等、綿密に準備し臨まれている印象でした。女性は大キレットも人工物触らずにリッジをスタスタ行く腕前だそうで、参謀役は要所の画像出力等準備万端で私と似てますww。沈着冷静な感じの主将・リーダー格の方には私の懸垂道具類のチェックをして頂いた次第です。会話から始めたばかりということでちょっと心配されたようで、ブツをみてまぁこれくらい揃えていれば大丈夫では、と一応のお墨付きを頂いたと共に、アドバイスによりダブルロープのセンター印をビニルテープで巻いた次第でした。私より遅い出発予定だったのでどこで抜かれるのかと楽しみにしていたのですが、おそらくは小屋を出る前の降雨開始で停滞判断されたのでしょう。良いチームなので踏破後のレコを期待しています（・・ヤマレコにいらっしゃれば）。
●横尾でお会いしたご夫婦：
初日に私の荷物(ロープ、ハーネス他）を見て話しかけて頂きました。ルートは違うが共に2日後に大槍登攀予定なので「穂先で再会しましょう！」と言い合い別れたのですが時間帯が異なり逢えなかったところ、下山時に再会でき槍談義で盛り上がりました。1時間以上も穂先に留まって北鎌方面を見てどこにいるのかなぁと眺めて頂いてたそうです。夫婦で仲良く登山ってイイですね。素敵なご夫婦でした。
＜今後＞
北鎌は魅力大で再トライしたいルートです。今回上手くいかなかった箇所も再攻略してみたいし、別のルート取りも興味あります。一般ルートと異なり毎回新しい・別の北鎌を見せてくれそうです。・・但し長〜いアプローチはちょっとなんとかならないかな、と。
そこで考えた試案は；
�（羸莎�点 P13（行けるところまで）日帰りピストン
�◆ 掘 ‘班献圈璽�ビバーク ピストン
�� 〃 P15でまったり＆懸垂他 ピストン
さてさて、どうですかね。面白そうですがこと下りは難易度が増すので必要技術も懸垂機会もUPするのでしょう。懸垂の支点作り・安全判断力も必要になります。
でもこの試案だと例のブツの事後観察ができないなぁ。
こっそり拍手
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北鎌いいですね。いつか行ってみたいのでとても参考になりました
（なにより体力がないので夢のまた夢ですが・・・）
最後から3番目の小梨の湯の写真でしゃがんでいるのは、
同行者がお風呂から出てくるのを待ってる私ですｗ
こんなとこでニアミスしてたのですねｗｗ、・・勝手にFocusしてしまいスミマセンでした。
解ってたら互いのヤマハのバイク話なぞもできたかと。時々貴方のレコ拝見させて頂いてますがKurotozanさんのアルパイン歴であれば技術的には楽勝だと思います。前半の長ーいアプローチは体力消耗しますので、最後に書いたような「穂先⇔Ｐ１５の日帰りピストン」、といったクライミングの核心部の美味しいとこ取りみたいなプランはいかがでしょう。
独標トラバースでお会いした、3人組の一人です。
独標もクラック後の緩斜面を上がり、P12からの下り以外はずっと稜線を直登で行った方が安全で早いですね。
我々は安全策を取って、ほとんどのピークは巻道で行きましたが、かえって失敗でした。P13を上がるときに天井沢側にザレ場をトラバースした時が、一番危なかったです。足はズルズルで、ホールドかな？っと思ったところがボロッと取れましたから（笑）
次は本来のクラッシックルートどおり、大町から入って全部稜線沿いで行きたいものです。
このルートは、いろいろなコースが選べて楽しいですね。
同じ県民同士、またどこかでお会いできる日を楽しみにしています!!
追伸
我々、まだまだ健脚ではありません。上には上がいます。もう、ビックリです!!!
http://w2222.nsk.ne.jp/~turu/kitaka.html
北鎌でのヒリヒリした高揚感・充実感を同じ時間・空の下で共有した”同志”として、ひとつひとつの感想の言葉も「うんうん、そうそう」と顔がほころぶような感じです。改めてお疲れさまでした＆互いに印象的で充実した山行でしたね。
直近の北ア岐阜側の増水遭難報道を見るにつけ、結果的に雨続きの中ピンポイントで天気回復した１日を尾根アタックにピタリ合わせられたのは大変幸運だったと思います。
次は湯俣からの攻略ですか！それとも貧乏沢から一度戻るのですか？いずれにしても凄いですね。↑でリンクした先人の記録類を見ると沢渡りや廃道でのルーファイ、ザレザレのピーク越え（Ｐ６？）等々、更に難易度が増すようですね。達成の暁にはレコ楽しみにしてますww
どこかでまたお会いできれば。
北鎌のスピード踏破といえば昨年のヤマレコスターtomoさんの３部作が凄いですね。
（中房温泉／新穂高／横尾 各々から日帰り）
tomoさんはユーザー登録解除されたようですがレコは残ってますね。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-329454.html
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-332839.html
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-354756.html
北鎌尾根、素晴らしいですね。
でも、強い精神力と体力が要求されそうですね。もちろん技術・経験も！
周到な事前調査と現場での状況分析,事後の総括、素晴らしいレコですね！
これから北鎌に行かれるかたにはとても参考になるのではないでしょうか。
アタック当日は天候も良く、いい出会いもされ充実した山行になったようで
なによりです。
今年の夏は天気おかしいですよね。裏銀座の片隅の水平なところ
でまったりしようと思っているのですが、左足も未だ本調子ではないし、
なかなか
この夏の山行２連発（表銀座〜北穂／北鎌）は天候不順の中敢行するという、アスレチックもとい修行（苦行）的なマゾ登山を追い求めたような感じです。自然に包まれてのんびり満喫するネイチャーライフ的な登山も、もちろん魅力的で好きですのでそれぞれを楽しんでいきたいですね。後者だと南八つや常念山脈、白馬遣（温泉！）、県内の妙高、等々かな。
小梨平や徳澤でまったりテン泊というのもしてみたいのです。
ツェルト泊で簡易に食事を済ますのとテン泊で豪勢？な宴会、は別物ですよね。
秋〜晩秋にまたテン泊でご一緒できればイイですね。
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