ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 5473053
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
奥秩父

奥秩父主脈縦走(瑞牆山荘〜奥多摩駅)

2023年05月02日(火) 〜 2023年05月05日(金)
 - 拍手
体力度
10
2〜3泊以上が適当
GPS
72:38
距離
74.4km
登り
5,917m
下り
7,094m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
7:59
休憩
0:40
合計
8:39
10:29
13
10:42
10:42
13
10:55
10:56
9
11:05
11:07
11
11:18
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5
11:23
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35
11:58
12:00
7
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12:12
0
12:11
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11
12:23
12:25
2
12:27
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32
13:12
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5
13:18
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13:37
13:43
35
14:18
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8
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15:00
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6
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16:29
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12
17:07
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82
18:30
18:31
8
18:39
18:39
28
19:07
2日目
山行
13:37
休憩
1:33
合計
15:10
4:05
29
4:34
4:40
18
4:58
5:00
24
5:24
5:25
5
5:30
5:31
9
5:40
5:41
11
5:52
6:00
6
6:06
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87
7:33
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8:17
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9:37
9:38
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10:21
15
10:36
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11:19
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11:39
11:55
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12:12
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7
12:19
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4
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12:25
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13:10
13:10
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15:10
15:11
60
16:11
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16:40
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47
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28
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18:01
40
18:41
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27
19:09
19:09
6
3日目
山行
13:38
休憩
1:26
合計
15:04
4:07
4
4:11
4:11
16
4:27
4:29
7
4:36
4:37
10
4:47
4:48
20
5:08
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5:12
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6:25
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7:15
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5
7:48
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10:37
1
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3
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12:17
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13:20
13:35
43
14:18
14:18
2
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14:22
16
14:38
14:39
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14:52
16
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15:08
6
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15:53
15:54
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16:21
16:22
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16:52
3
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33
17:29
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18:13
18:15
32
18:47
18:47
21
19:08
19:08
3
4日目
山行
4:25
休憩
0:20
合計
4:45
6:41
6:43
17
7:00
7:06
17
7:23
7:24
10
7:34
7:35
12
7:47
7:48
23
8:11
8:11
7
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8:32
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8:58
8:59
15
9:14
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9:43
9
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9:57
20
10:21
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35
10:56
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10
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2023年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
韮崎駅からみずがき山荘行きのバスで、終点下車。
コース状況/
危険箇所等
良好。西御殿岩東側の尾根歩きは危険。
その他周辺情報 下山後はもえぎの湯(3時間1,050円)を利用。
2023年05月02日 05:23撮影 by  OPPO Reno3 A, OPPO
4
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2023年05月02日 08:39撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月02日 10:12撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月02日 11:16撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月02日 12:17撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
5/2 12:17
2023年05月02日 12:20撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
5/2 12:20
2023年05月02日 14:05撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月02日 16:06撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月02日 17:04撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
1
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2023年05月02日 17:07撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
5/2 17:07
2023年05月02日 18:00撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月02日 18:19撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
5/2 18:19
2023年05月02日 18:27撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月02日 19:07撮影 by  OPPO Reno3 A, OPPO
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2023年05月03日 05:06撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月03日 05:14撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
5/3 5:14
2023年05月03日 06:46撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
5/3 6:46
2023年05月03日 10:47撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
1
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2023年05月03日 11:07撮影 by  OPPO Reno3 A, OPPO
3
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2023年05月03日 11:33撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
5/3 11:33
2023年05月03日 12:56撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月03日 12:58撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
5/3 12:58
2023年05月03日 13:09撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
5/3 13:09
2023年05月03日 13:51撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月03日 16:36撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月03日 16:50撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月03日 19:11撮影 by  OPPO Reno3 A, OPPO
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2023年05月04日 04:33撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月04日 05:20撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月04日 08:14撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月04日 08:30撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月04日 08:57撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月04日 09:30撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月04日 10:34撮影
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2023年05月04日 12:33撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月04日 14:17撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月04日 15:11撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月04日 15:38撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月04日 16:12撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月04日 16:41撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月04日 17:43撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月04日 18:09撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月04日 18:17撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月05日 06:19撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月05日 06:40撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月05日 06:45撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月05日 09:31撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月05日 10:05撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月05日 11:06撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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2023年05月05日 13:24撮影 by  NIKON D7100, NIKON CORPORATION
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感想

前々から憧れていた奥秩父主脈縦走、2月に瑞牆山へ行った時にその憧れを強くし、機を見て決行しようと思っていた。今年のGWは4連休になるのと、天気も心配なさそうなのと、何と言っても家族の許しが出たので、実行に踏み切った。

5時半に家を出て鈍行で行くこともできたが、起きてきた娘に、「パパお山行ってくるね」と言いたかったので、1時間ほど出発を遅らせて、八王子駅からあずさ1号に乗った。しかし、満席。大月駅を過ぎたら座れたが、今年のGWの混雑は尋常じゃない気がする。

韮崎駅に下りるのは初めてだが、ホームから八ヶ岳や富士山が見えて、素晴らしい立地だった。幸先いい気分だが、バスは行列。臨時便も出るようだったが、少しでも早く着きたかったので、座れなくても1便のバスに乗った。しかし、1時間余り立ちっぱなしは、なかなかしんどかった。

瑞牆山荘周辺は車でごった返しており、次々に下りるバスの乗客によって、人も溢れ返った。本当にすごいにぎわい。とは言え、登り始めれば静かな山歩きになった。

都会の喧騒を離れたくて、様々の人間関係から解放されたくて、山に来る。でも、山に入ると、かえって人が恋しくなったり、日常に戻りたくなったりする。「人を思えば山恋し、山を思えば人恋し」とはこういうことなんだろうか。

富士見平小屋に大きな荷物をデポし、瑞牆山をアタック。2月にも登ったばかりだし、あとの行程を考えると省略することもできたが、せっかくここまで来たからには、登らない選択肢はなかった。

瑞牆山とは相性が悪いのか、2回登って2回とも眺望はなかったが、3度目の正直は快晴。富士山も南アルプスも八ヶ岳も、これから登る金峰山もよく見える。こんな眺望のいい山だったとは。

富士見平小屋まで戻り、重たいザックを再び背負って縦走開始。一気にペースが落ちる。重たいザックとは言え、今回は軽量化を図ってテントは持たず、代わりにツェルトを持ってきた。カメラの機材も最小限にとどめた。しかしながら、重い。この先の長丁場が思いやられる。

改めて考えると、ぼく一人、泊まりで縦走するのは初めてだった。そんなことを考えると、今までさんざん山には登っているはずなのに、心細くなってしまう。なかなかペースが上がらないと、自信も失ってしまいそうになる。そんな時、いちいち自分を励ましたり、奮い立たせたりする。初日からこんなで、縦走を完遂できるのだろうか。

金峰山へ続く奇岩の稜線には心を打たれながらも、きついものはきつい。とにかく大弛峠まで行きたい、そんな思いでがんばったが、さほどペースは上がらない。以前、大弛から金峰をピストンした時は、ずいぶん楽だった記憶だが、日帰りの荷物でないとこんなに苦しいものだろうか。過去の記憶とは曖昧なもので、こんなにアップダウンがあったのかなとも思う。

金峰から先は残雪も多く、チェーンスパイクを使用した。今年は雪が少ない年だったが、意外とこのあたりは残っているものだ。時間が思いのほかかかり、朝日岳で夕日を見るはめになった。

瑞牆山荘や富士見平小屋周辺で、ガチな登山者を何人も見た。みな、この奥秩父主脈縦走に出かけるのか。実際、何人かに声をかけたら、やはりそうだった。テント泊が多かった。所要日数は3日から5日。3日でやろうとしてる人の中では、ぼくのペースはビリだろう。荷物は少ないはずなのに。テン泊フル装備のかっこうで、ガシガシ歩いていくから、本当にみなさんすごい。この縦走路には猛者が集う。

しばらく進んで平らな朝日峠に至り、もうだいぶ暗く、寒くなってしまったため、大弛まで行くのを諦め、ビバークしようと決意した。平地だったので、寝る場所には困らなかったが、寒さと風のせいかノーマルカートリッジのガスでは全然お湯が沸かず、芯の残った冷たいご飯とラーメンをお腹に入れ、とにかく眠った。疲れのおかげで眠りに就くことはたやすかったが、寒さのせいでたびたび起きてしまった。

3時に起床し、撤収して、4時に出発。本当は大弛を4時に出発する計画だったので、がんばって遅れを取り戻そうとする。大弛から先はだいぶ明るくなって、主脈からは少し外れるが、奥秩父最高峰の北奥千丈岳のピークも踏んだ。

そして、国師ヶ岳を過ぎると、ようやく雪がなくなった。朝夕のため踏み抜きはなかったが、金峰以降の残雪で時間も体力も結構削られた気がする。

雪がなくとも、アップダウンは激しく、特に、甲武信ヶ岳やその手前の水師へ至る急登は、相当苦しかった。ちょっと登るだけですぐ息が上がってしまうし、頭も痛い。重力に逆らってる感がものすごく、足取りは重かった。もしかしたら、2500m前後の標高だが高山病なのかもしれない。前の晩の寝不足も要因だろう。

きつい、苦しい、つらい、そんなことばかりが頭に浮かぶ。絶景や小鳥のさえずりや可憐な花に感動するのはほんの一瞬で、ほとんどの時間、頭の中はネガティブな感情ばかり。そんなことは、別に今回の山行に限ったことじゃないが、なんで一瞬の感動のために、大半の苦労を我慢するのだろう。不思議だ。でも、人生もそんなものだろう?

苦しい縦走ではあるが、この縦走路のほとんどの場所から富士山が眺められる。富士山の存在感ってすごい。改めて見ると、本当に端正な姿をし、奇跡的な美しさを備えている。甲武信あたりからの富士山は、なんとなく、今まで見た富士山の中で、最も左右対称に見えた気がする。

甲武信は、今回通過する4座の百名山のうち、唯一初めて訪れる。しかし、山頂でのんびり感動にひたるわけにもいかず、先を急ぐ。本当は、埼玉県の最高峰である三宝山のピークも踏みたかったが、主脈から外れるし、時間も押していたので、今回は断念。次の木賊山は、巻かずに縦走した。

「主脈縦走」と銘打ってるからには、できるだけ巻かずに、稜線を歩きたいと思っている。我ながら律儀な性格だから、体力的・時間的にきつくても、ピークをシラミつぶしに踏みたくなる。

雁坂嶺あたりを歩いていた時、不意に、今まで山では嗅いだことのない生臭さを感じた。足元を見たら鹿の毛と骨が転がっていた。前に雁坂嶺あたりは鹿が多い、鹿の死体を見たと聞いたことがあったが、やはり本当だった。他にも2頭の白骨や毛を見たし、翌日の飛龍山でも白骨を見た。

律儀なピーク踏みが続く。一部巻き道もあったが、水晶山、古礼山、燕山と、登れるだけ登った。そうこうしているうちに、本日も宿泊地に着く前に日没を迎えてしまった。元々小屋やテン場を使うつもりがなく、門限がないから、行動時間が伸び、遅くなってしまう。

雁峠までたどり着き、今日は屋内に泊まれると気分が上がったものの、小屋に「倒壊の恐れがあるので立入禁止」と張り紙がしてあり、がっかりした。ここはもう避難小屋としては使えないようだ。しかたなく、そばの平地でまたビバーク。でも、前日とは違って寒くもなく、風もなかったので、格段に快適だった。翌朝までぐっすり眠れた。

3日目も4時から行動開始。なんとか奥多摩駅の終電に間に合いたい。そんな願いを胸に早朝からがんばる。

笠取山の山頂には多くの登山客が集まってる。みなさん、日の出待ちなのだろう。確かに快晴で、しばらく待てば絶好のモルゲンロートが期待できそうだった。が、ここは先を急ぐ。ゆっくり富士山を眺める余裕はなかったが、途中途中で見る、雲海に浮かぶ富士は絶景だった。こんな無理な縦走なんかしていなければ、じっくり撮影したいところである。

今回は縦走の完遂が第一で、写真は二の次にした。三脚や替えのレンズも置いて軽量化を図った。しかし、それでも荷物が重い。テントも置いて、ツェルトにしたのに重い。まだまだ自分の背筋とか脚力とかが足りないのだろうか。長い道中、自責の念みたいなものが次々と起こる。自分ならコースタイムの8掛けで歩ける、なんて計画を立てたが、机上の空論、ネット上の空論だったのではないか。もはや自信喪失。しかし、なんとか3日で縦走を終えたい。苦しい体に鞭打ってがんばる。

唐松尾山を過ぎて、絶好の展望ポイントである西御殿岩にも寄った。奥秩父がぐるりと見渡せるいい展望台だった。分岐からピストンするのがロスに感じたから、あまり踏み跡のない縦走路を行くことにした。しかし、これが難儀。ほぼバリエーション。多少巻けたと思うが、ピストンしたほうが無難だっただろう。

山ノ神土から将監峠まではアップダウンがなく、難なく行けた。さあ、ここから飛龍山(大洞山)までがたいへんそうである。しばらくすると、飛龍山の大きな、先っぽのとがった山容が見えてきて、あれを登るのかと萎えそうになる。それでも、8掛けの計画からさほど遅れずに山頂まで来ることができた。

飛龍山から雲取山は去年も縦走したルートである。一度歩いているからという気持ちで歩いたが、こんなに長かったっけという意外さのほうがまさった。北天のタル、狼平と、そんなにアップダウンがないのに、巻けず。三条ダルミでしばし休息。

だんだん本日中の下山が厳しくなる。三条ダルミから雲取山までの登りは、ラスボスのように立ちはだかっている。休み休み、ゆっくり登っていく。靴ずれした足も痛い。

雲取山からは石尾根を奥多摩駅方面へ進んでいく。何度か通ったことのある道。しかし、これまでの経験が全くあてにならないほどつらい。七ツ石山直下の登りに直面したところで、また足が止まる。ここで、本日中の下山を諦める。

宿泊地の鷹ノ巣山避難小屋まで痛い足をこらえながら歩いていく。水も尽きたので、七ツ石小屋近くの水場まで下りて、翌日の分まで確保した。

また夕暮れが迫ってくる。高丸山、そして日陰名栗山と、巻き道は使わずに、ピークを踏んで鷹ノ巣山方面へ向かった。ようやく避難小屋に到着。小屋内は意外と1名しかおらず、広く快適に過ごせた。前日、前々日と違って、屋内というだけで本当に幸せ。ぐっすり眠ることができた。

4日目はゆっくり起きて6時過ぎに出発。体調はいい。が、とにかく足が痛い。ひどい靴ずれだ。登りと下り、どちらかと言うと下りのほうに自信があり、下りで巻けると思っていたが、下りだと余計爪先の靴ずれが痛んで、ペースが上がらない。

ただ、痛いのは足だけ。体力と根性はまだあるから、どうにか動ける。また、これまでの3日間とは違って、そこまで激しいコースではないので、さほど休憩しないでも進むことができた。

奥多摩まで来ると、夏のような暑さを感じる。3日前、瑞牆や金峰を歩いた頃はまだまだ早春のような気候だったのに、東へ進むにつれて、季節も進んでいるようだ。

市街地まで下山した時、ちょうど奥多摩町の防災無線が入り、鷹ノ巣山避難小屋近くで遭難があったとのこと。山岳救助隊が向かったそうだ。くわばらくわばら。

11時頃、やっともえぎの湯(3時間1,050円)に到着。4日も登山した体で電車には乗りたくないので、お風呂に直接やってきた。4日分の汚れを落とす。石鹸が全然泡立たなかった。その後、館内で腹ごしらえも済ませ、駅前のバテレで生ビールを飲み干す。いろいろ反省の多い縦走だったが、締めは最高だった。

もう二度とやりたくないと思う縦走ではあるけど、またレベルアップしたらやりたいと思うのだろうか。

青梅線で立川駅くらいまで来ると、そのにぎやかさに安心感を抱く一方、また都会に戻ってきてしまったというさびしさも生じた。そんな矛盾の日常が再び始まろうとしている。

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コメント

かぐや姫さん、縦走お疲れ様でした。本当に初日から大変な思いで山行されたのですね。感想文からひしひしと伝わったきました。でも、この苦行がいつしか快感に変わり、また山行に入るのでしょうね。私もお話したように、登り始めに山行にきている自分が不思議で堪らないキモチになりますが昼休憩のあとからは足取り軽く楽しくなります。
いつしか、和名倉山や埼玉県と山梨県と長野県堺の縦走するときに、都合付けば、お付きあいください。
2023/5/11 11:10
おおしまさん

コメントありがとうございます。
避難小屋ではお世話になりました。
登山歴2年とは思えない精力的な活動に、私も刺激を受けました。
ピークをつぶさに踏む姿勢もすごいなと思いました。

そうですね。
せっかくのご縁ですし、ご一緒させてください!
2023/5/13 23:57
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