20250502-05 槍ヶ岳、北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳(横尾、涸沢よりピストン)


- GPS
- 32:36
- 距離
- 64.6km
- 登り
- 4,881m
- 下り
- 4,882m
コースタイム
- 山行
- 2:30
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 2:36
- 山行
- 9:25
- 休憩
- 1:41
- 合計
- 11:06
- 山行
- 6:25
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 7:36
- 山行
- 8:52
- 休憩
- 2:24
- 合計
- 11:16
過去天気図(気象庁) | 2025年05月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
<日 程>令和7年5月2日(金)〜5日(月)
<山 名>槍ヶ岳、涸沢岳、北・奥穂高岳(横尾、涸沢からピストン)
<目 的>残雪期登山
<コースタイム>
(DAY1)
12:00 上高地BT →14:45 横尾TS(テント泊)
(DAY2)
04:24 横尾TS →06:10 槍沢ロッヂ →06:46 ババ平 →10:50 槍ヶ岳山荘 →11:14 槍ヶ岳 →12:02 槍ヶ岳山荘 →13:31 ババ平 →13:45 槍沢ロッヂ →15:30 横尾TS(テント泊)
(DAY3)
07:58 横尾TS →09:01 本谷橋 →11:00 涸沢TS(テント設営) 11:56 →14:35 北穂高岳 →15:34 涸沢TS(テント泊)
(DAY4)
04:41 涸沢TS →06:53 穂高岳山荘 →07:31 涸沢岳 →07:50 穂高岳山荘 →08:33 穂高岳 →09:24 穂高岳山荘 →10:19 涸沢TS(テント撤収) 11:33 →13:14 横尾 →15:57 上高地バスターミナル
<概 要>
今回の目的は、GWの連休を利用した、長めのテント泊訓練と、3,000m級の高所での高山病対策のトレーニング。
テント泊では、初日と二日目は雨、二日目と三日目は強風にも見舞われ、特に二日目の雨は、ツエルトテントということもあり、浸水、結露への対処も必要となったが、問題なく対応することができた。
高山病対策も上手くいき、北アルプスの高峰四座の山頂に立つことができた。
<報 告>
(DAY1:入山日 天候:雨)
朝、準備を整え午前6時に福島の自宅を出発、事前の渋滞予測のとおり大きな遅れなく、11時過ぎ、さわんど大橋バス停最寄りの駐車場に到着。マイカー規制のため、上高地までは、アルピコのシャトルバスを利用する。途中、雨が降り出した。
初日は、ババ平までの予定だったが、出発が遅れたため、横尾泊まりの可能性が高い。テント泊は予約不要なので気が楽だ。レインウェアを濡らすとテント内で冷えるなどして大変なので、ザックカバーをして、傘を差して歩きはじめる。横尾までは、ハイキングレベルのきれいな道。
小梨平付近で思い出して、山岳会のメンバーに入山連絡をする。テント場付近とはいえ、電波があることに驚いた。
今回の山行では、横尾山荘と涸沢ヒュッテの野営場にテント泊したが、いずれも電波、無料の水場(飲用可)、トイレがあり、売店の利用も可能で、登山者に便利な環境が整えられていた。また、横尾からは槍ヶ岳、涸沢からは涸沢岳、北・奥穂高岳へそれぞれ往復したが、テント撤収は下山後でよく、アタック装備で山頂に向かうことができるのも、大変、助かった。
午後3時少し前、ヤマレコらくルートのコースタイムどおりのペースで、横尾山荘に到着する。
小雨の中、涸沢方面に向かう橋の下にテントを設営。テント指定地は、売店やトイレが立ち並ぶ登山道沿いと、梓川の河原の2か所あるが、河原は自分だけだった。ガイロープの支点には、落ちている大き目の石と小枝を活用したが、二日目の強風で、張り縄が少し弛んだので、もっと大きな石を使うべきだった。
午後5時、テントイン。30分ぐらいして、雨が止む。
夕食は、アルファ米のチャーハンとレトルトの豚の角煮。酒はなし。
午後8時、就寝。耳栓をしていても、ゴウゴウという川音が聞こえてくる。ウトウトして過ごす。水筒を湯たんぽ代わりに使用したが、思ったほど冷え込まなかった。
(DAY2:アタック日(横尾〜槍ヶ岳ピストン) 天候:晴のち曇 夜より雨)
午前2時40分起床。
朝食は、チャーハンの残りのおじやに、鮭フレークをトッピング。薬は、高山病対策としてダイアモックス半錠とイチョウ葉エキス三錠、足攣り防止に芍薬甘草湯一包を予防服用。鼻呼吸の改善に、ブリーズライトも使用。
水分は、OS1で1.5Lと水1Lを用意。計画では、前日にババ平入りして、槍ヶ岳、南岳、天狗原と回り、ババ平泊予定だったが、横尾からだと行動時間が13時間ほどになるため、1時間で250mlの七掛けの量とした。結局、水1Lは飲まずじまいだった。夏場はともかく、この時期の真水はなんとなく喉を通りづらい。
午前4時半、薄明りのなか、横尾を出発。アタック装備で身軽となり、槍沢を詰めていく。
高山病対策として、比較的、標高の低いところから、腹式呼吸と、SPO2が低下した際の症状を感じ取り、ペースをコントロールすることを意識して登る。
槍沢ヒュッテを超えると、樹木がまばらになる。日はすっかり昇り、空があざやかに青い。ババ平付近で樹林帯は尽き、ルートを示す旗に沿ってつけられたトレースを、ひたすら辿っていく。
午前11時過ぎ、コースタイムどおりのペースで、槍ヶ岳山頂に立った。
山頂直下の槍ヶ岳山荘に戻ったのは午前12時ごろ、当初計画の2時間遅れとなり、南岳、天狗原の周回をあきらめ、このまま横尾へ下山することにした。周回した場合、下山が午後6時ごろになることに加え、登っている最中に、天狗原に向かうトレースがなかったことも気になった。
午後3時半、横尾に到着。河原の指定地にも十張以上、昼間の間に登ってきた登山者のテントが増えていた。
時間があったので珍しく清拭し、水の補給と、今回は飲まない予定だったが、ワンカップ一缶を売店で調達。空き缶入れもあるのが地味にうれしい。
夕食は、アルファ米(白米)とレトルトのビーフシチュー。残った行動食をつまみに、祝杯を挙げた。
午後8時就寝。夜半より翌朝にかけて、降雨、強風となる。
(DAY3:移動日(横尾〜涸沢。テント設営後、北穂高岳ピストン) 天候:雨のち曇)
午前3時半起床。
この日、計画では、山頂付近で強風予報だったため、横尾〜涸沢の移動日にしていたが、前夜、予報を見ると(電波があるからできることだが)、昼過ぎから風が弱まるようだったので、一日早く、北穂高岳に登ることも考えていた。
朝食をとり、荷物を整理するなど出発準備をしながら、雨止みを待っていると、午前6時ごろ、予報より少し早く、雨がやんだ。北穂高岳に登ることを決め、ダイアモックス半錠と、足攣り防止に、芍薬甘草湯一包を予防服用。水分は、涸沢ヒュッテまでの分として0.5LをOS1で準備し、山頂までの往復分は、涸沢ヒュッテで補給することにする。外に出ると、かなりの数のテントが既にいなくなっていた。テントを撤収し、午前8時ごろ、横尾を出発。
涸沢ヒュッテには、ほぼコースタイムどおりの時間を要し、午前10時半ごろに着いた。野営場には、スノーブロックが積まれて雪面が均された「居抜き物件」がいくつもあったので、そのなかから風に当たらなさそうな場所で、スノーブロックも比較的よく残っている物件をチョイスして、テントを設営した。
今回は、一面、雪だったので、持参した黒のビニール袋に雪を入れ、スノーブロックの後ろに置いてガイロープの支点とした。ビニール袋の強度が不安だったが、破れたりせず、再利用可能な状態で持ち帰ることができたのは、不思議なぐらいだった。雪を入れたビニール袋にガイロープを2周、巻き付け、自在パーツを締めて固定した。テント側には、自在結びを使ってみたが、夜、かなり風が吹いてもほとんど緩まず、翌日、テントを撤収するときまでしっかり縄が張っていたので、自在パーツはあるとちょっと便利だが、なくても全然、問題ないと思った。
お昼少し前、アタック装備で、北穂高岳に登り始める。トレースに沿って、淡々と雪面を詰めていく。なかなかいいペースで進み、2時間半ほどで、標識の倒れている山頂に到着。山頂直下では、時折、雲間から青空が覗くことがあったので少し待つも、残念ながら雲は晴れず。
緩んだ雪を滑らせながら猛スピードで下山、1時間ほどで、涸沢ヒュッテに着く。野営場の利用手続きと水の補給を済ませ、カップ酒熱燗二缶を売店で購入すると、午後4時半ごろ、テントに入った。
夕食は、アルファ米(チャーハン)とレトルトの牛丼。アルコールは、高山病によくないと言われ、夜間の用足しの頻度も増えるので控えていたが、ダイアモックスの飲み方や、水分補給をきちんと管理すれば、かなり問題を抑えられることがわかってきた。
午後8時就寝。日が落ちるとかなり冷え込んできたので、水筒1.5L分を湯たんぽ代わりに使用したが、それでも明け方には少し寒さを感じるぐらいだった。夜間、少し頭痛、胸やけらしきものを感じたので、ブリーズライトを使用した。
(DAY4:アタック日(涸沢岳、奥穂高岳) 天候:晴)
午前2時半起床。
この日は、昨日、北穂高岳に登ることができたので、明日からの天候悪化を見込んで、アタック後、一気に上高地まで下山することにした。
朝食後、ダイアモックス半錠、芍薬甘草湯一包を服用。
明るくなり始めた午前4時40分ごろに出発するも、先行者が見当たらず、どこからどう登るか迷ってしまった。とりあえず、ヤマレコのルートどおり、一度、涸沢小屋まで行き、アイゼンの着脱を経て、山頂方面に向かう雪面を登り始める。麓から直登してきた一人が先行し、道先案内人を務めてくれた。
2時間ほどで、涸沢岳、奥穂高岳の直下にある穂高岳山荘に到着。
はじめ、涸沢岳に向かうが、西側の谷筋から風が強く吹き付けてきて、寒い。たまらずテムレスを着用していると、向かいにある奥穂高岳の切り立った雪壁を、へばりつくように登っていく登山者が見えた。経験上、岩場などは遠くから見たほうが、斜度はきつく、困難に見えることが多いので、不安には思わなかったが、なかなか恐ろしげな景色だ。
山頂で写真を撮り下りてくると、いよいよ奥穂高岳に挑戦。先ほど見えていた取りつき直後の急な雪面が核心だが、アイゼン、ピッケルを使い、慎重に行動すれば、特に問題はなかった。
山頂に立ち、ひととおり写真を撮ると、ここからは帰宅モードに入る。
大急ぎで雪面を下り、2時間ほどで涸沢の野営場に戻ってくる。テントの撤収と昼食を済ませ、午前11時半ごろ、涸沢を後にした。横尾山荘までは、雪が残っている区間なら、緩んだ雪面を滑らせるようにして、どんどん歩くことができる。所要2時間弱となかなかいいペース。
登山道はここで終わり、ストックとピッケルはカバーをつけてザックに取り付け、ヘルメットも収納して、すぐバスに乗り込めるよう、身支度を整える。そこからは、新緑の上高地の雰囲気を味わいながら、サクサク歩き、午後4時少し前に、上高地バスターミナルにたどり着いた。
さわんど行きの7番線には、乗車を待つ長い列が、インフォメーションセンターの裏手近くまで、20〜30mぐらい伸びている。ただ、時刻表とは関係なく、どんどんバスを走らせていたようで、待ち時間は15分ほどで、無事、乗車することができた。
実は、さわんど大橋バス停に到着してからが、この日の核心だった。マイカー規制されている上高地周辺から松本に抜けるには、国道158号が一本道になるため、激しく渋滞していた。駐車場から国道にでるのにも一苦労するほどで、そこから松本ICまで断続的な渋滞、上信越道、北関東道でもしばしば渋滞に捕まり、途中、三度の仮眠を挟みながら、自宅に着いたのは結局、午前2時のことだった。
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