雲ノ平と鷲羽岳〜水晶岳〜三俣蓮華岳


- GPS
- 33:22
- 距離
- 59.6km
- 登り
- 3,944m
- 下り
- 4,089m
コースタイム
- 山行
- 9:31
- 休憩
- 2:12
- 合計
- 11:43
- 山行
- 7:12
- 休憩
- 2:33
- 合計
- 9:45
- 山行
- 10:20
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 11:56
過去天気図(気象庁) | 2025年07月の天気図 |
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アクセス |
写真
北穂高岳から燕岳、そこから裏銀座側に回ってきて、鷲羽岳、水晶岳、雲ノ平など縦横無尽に走り回っているようで、只者ではない。鏑木毅さんだったのかもしれない。その後、水晶岳手前と三俣山荘で計3度会った。
ここでワサビ平小屋や鏡平山荘で会ったお姉さんにまた会った。湯俣山荘で働く恋人(夫?)が三俣山荘に応援に来ているので会いに来て一緒に水晶岳まで来たとのこと。若いっていいね。帰りもワサビ平小屋と新穂高登山指導センターの計4回会った。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
携帯トイレ
登山用財布
サングラス用紐
テント用照明
ゲーター
テーピング
火薬銃
ドリップコーヒー
プロテインバー
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感想
雲ノ平。
とよさんの動画を見て何としても行って見ようと思ってから3〜4年。ようやくその機会が訪れた。
仕事の関係上、直前に行けるかどうかが決まる自分の場合、テント泊が必須。
新穂高からの往復の行程は軽く50km超で、自分の場合だと最低で2泊3日が必要。
脚力、体力、ザックを担ぐ力を相応のレベルまで向上させておかなければならないし
仕事上のスケジュールの都合を付けて天気がよさそうな日程を確保しなければならない。
当然体調も整えておく必要がある。
それがようやく今年7月に可能となった。
登山天気では、3日間がB→B→Cだったり、B→A→Cだったりしたが、最後はC→C→Dくらいになっていた気がする。
ところが3日間ともにわか雨すら全くない、ほぼ快晴で、ところどころ雲がかかる程度で、強風も無く、最高と言ってもいいレベルだった。有料プラン利用しているのに全然当たらないじゃないか!もうやめようかな?
体力や脚力を向上させるために冬の丹沢で長距離と大きな標高差の登山をしたが、1500m前後の山と3000m近い山とでは同じ距離や標高差でも負荷のかかり方がかなり違う。空気が薄い分、呼吸は苦しくなって心肺への負荷が大幅に上がる。しかも夏で気温も高いのでその分体力も消耗する。
金曜夜に新穂高温泉に到着したが、登山口に近いP5の駐車場には停められなかった。5台分空いていたが、狭くて諦めた。かと言って有料駐車場はこの時間空いていない。こうなると鍋平の駐車場に行くしかない。P5とは距離2km、標高差200mくらいの違いがあるので気が進まなかったがしょうがない。
P5に自動のゲートを導入し、1日1,000円程度の有料にして欲しいものだ。そうしないと全然空きが出るようにならないと思う。ああ、大幅に脱線した。
<1日目>
新穂高からは順調で、小池新道入口まではサクサクと進んだ。だが、初日の気温はそれなりに高く、鏡平までの登りはまあまあの急登で樹林帯で風も無いため汗だくで体力を消耗した。それが弓折乗越まで続く。その後は双六小屋までは多少のアップダウンはあっても辛くはなく、雪渓歩きや高山植物を楽しみながら歩けた。
双六小屋でアミノバリューをがぶ飲みして水分補給し、先に進む。そう、今回は三俣山荘までいかなければならないのだ。少しでもラクに移動しようと三俣までは巻道を使ったのだが、これがラクな道ではなかった。地図上は高低差は無いように見えるが、実際は小刻みにアップダウンがあり、大きな石で歩きにくい個所も多く、双六までで疲れている体にはキツかった。自分よりも大分若い人も同じ道を歩いていたが、かなり苦しそうな顔をしていた。鏡平までの道でバテてしまったとのことだ。その後三俣までちゃんと辿り着いただろうか?
この巻道、歩き難ささえなければ、眺めもいいし、花も綺麗だし、ちょっと楽園に通じる道のような雰囲気があって、かなり気持ちよく歩けると思う。
三俣山荘は動画でも写真でもよく見るが、来たのは初めて。コーラを飲んだが炭酸でお腹がいっぱいになってしまい、モンベルのリゾッタをだいぶ残してしまった。こんな調子で大丈夫かね?明日はこのまま帰るかね?、などと思ったのはここだけの話。
ところで、テント場で場所を確保して、山荘に受付に向かうと見覚えのある顔の人がやってきた。あ、Youtubeで登山動画を挙げてるメタボの何とかの人だとは分かったのだが、あまりウェルカムな感じがしなかったので声をかけることはやめておいた。結局、翌朝我慢できずに声をかけたのだが、歓迎する風でもなかったので、軽く頑張ってくださいねと言うにとどめた。
雪渓のすぐ近くだったこともあって、モンベルのアルパインダウンハガー800 #3では少し寒かった。朝少し濡れてたので、シュラフカバーをすればよかった。
<2日目>
この日は距離は長くないが、6つのピークを通過する。大きな標高差があるわけではないが、2825mから2986mの山を登頂するのに940mの標高差があり、簡単ではない。
まずは鷲羽岳。その雄大な姿からすると登るのは相当に大変かと思っていたが、三俣山荘が既に2,550mなので、374m登ればいい。初っ端ということもあり意外とラクだった。
早朝の鷲羽岳山頂では、快晴だったこともあり最高の眺めで、360度の絶景が待っていた。山頂で何人かの方と情報交換した。
まず、トレイルランナーの方がやってきた。聞けば、北穂高岳から燕岳、その後西側に来て三俣山荘をベースに鷲羽岳・水晶岳・雲ノ平を回り三俣山荘に戻り、翌日また雲ノ平に行く?と言っていた気がする。短期間で北アルプスを縦横無尽に駆け回るという、一般人からすると信じられないペースで走っている。戻ってきてから調べたが、風貌や身長、年齢からすると鏑木毅さんだったのではないかと思う。(確証はない。)その方とは、水晶岳手前、3日目の三俣山荘の水場で再会した。
別の方は、2時に三俣山荘を出て黒部川源流域を遡上して水晶岳から鷲羽岳に来た方は、熊の恐怖におののきながらヘッドライト頼りに遡上したそうだ。ちょっと、それ、自分はやりたくないな。
鷲羽岳の後、ワリモ岳を経由してワリモ北分岐に到着した。ここで予定通り、ザックをデポして、引っ張り出したアタックザックにハイドレーションと防寒着だけ入れて身軽になって進んだ。ある意味、軽いは正義ということを痛感する。
水晶岳の山頂手前からは岩場が多く、手で岩を掴んで登っていく箇所も多い。ポールがあった方が良いか、無い方が良いかは人によりけりだろう。自分はそのままポールを使い、手を使う個所はポールを片手でまとめて持つようにした。
水晶岳は南峰、北峰があり、南峰が2986m、北峰が2978mとなる。
多くの人は南峰で帰ってしまうが、せっかく来たので北峰にも行ってみた。北峰では、南峰を北側から少し離れて見ることができるということと、南峰にはない三角点に触れることができる。
水晶岳からは雲ノ平全体を見渡せる。絶景ポイントだ。
ワリモ北分岐に戻り、岩苔乗越、祖父岳を経て雲ノ平へと向かう。
鷲羽岳からだと祖父岳が視界を遮っており、雲ノ平は一部しか見えない。水晶岳に近づくにつれ、祖父岳が視界の左側に移動し、雲ノ平の全容が見えてくる。雲ノ平山荘も見えるのでもうすぐだと思ってしまうのだが、それは甘い。
祖父岳は比較的大きな山だし、2825mの高山ではあるので、簡単に通り過ぎることができるわけでもない。岩苔乗越からじりじりと標高を上げ、一度ルートからそれてしまったのを強引に横移動して正規ルートに戻りつつ、山頂に到着した。山頂手前では、高山植物に囲まれる中を土の道を進むルートがあり、気持ちよく歩けた。
以前は、祖父岳分岐近くからテント場への直通ルートがあったようなのだが、今は祖父岳分岐からは北東側に大きく迂回させられる。雲ノ平山荘までの距離が長くなる上、この道はほとんどが木道ではなく、雲ノ平の大地のキワを通る歩きにくい道となっていて厄介だった。山荘が間近に見えたのに遠回りで時間がかかり、焦りとともに少し残念な気持ちになった。これも遠い秘境の演出の一つと受け取ればいいか。
キャンプ場への分岐でザックを置いて、身軽な状態で山荘に向かう。こんなところで、汚れたザックを持っていく人などいない。
そこから雲ノ平山荘までの木道が雲ノ平の白眉なんだろう。左右を花に囲まれて木道を歩くシチュエーションは言わば楽園。気持ちの若い女性だったら、さぞルンルンという気持ちだろうな。残念ながら爺なのでルンルンとは行かないが、雲ノ平のメインルートを歩いているという実感は持てた。
山荘で一番冷えているというコーラ、手拭い、バッヂ2種を買い求め、テラスのベンチでぼーっとしながらコーラを飲む。自分としては、高級ホテルに泊まるより、こっちの方がよっぽど贅沢と感じる。
翌日は一気に新穂高まで戻らなければならないので、テントに戻り、カップ麺と栄養補助食品を摂取し、トイレに行き、早めに寝た。まあまあ良く寝られたと思う。
テント場にはしっかりとしたトイレが設置してあって助かった。水場も近く、水も美味しかった。山荘が遠い以外は良いテント場だった。
<3日目>
3時に起床し、いろいろと準備してテントを撤収したら4時半を過ぎていた。いかにテント撤収とザックのパッキングを早くするかは今後の課題だ。
雲ノ平には、いくつか庭園と名付けられたスポットがあるが、2泊3日だとその全てに行ってみることはかなわず、カミさんに見てこいと言われたスイス庭園だけは見ることにする。沢に向かって切れ落ちている台地の端で、高山植物に囲まれて、正面に薬師岳が広がり、右側に水晶岳が存在感を放ちながら聳え立つ。眺めと雰囲気は良いが、なぜスイスなのかは分からなかった。
時間が無いので、祖父岳分岐への遠回りの道へと急ぐ。朝一のせいか、さほど難儀はしなかった。分岐からはしばらく木道が続くが、祖父岳中腹からの眺めは、まさしくこれぞ雲ノ平といったものだった。スマホのカメラにも上手く収められた。雲ノ平の中ではここが一番気に入った。
木道の後は、しばらくなだらかな道と雪渓が続く。雪で道が分かりにくく、一度ルートからそれてしまった。平たんな場所だったので、ここも強引に横移動して復帰した。大きな雪渓を迂回した後、黒部川源流域への険しい下りに突入していく。今回一番歩きにくかったのがこの箇所だ。朝日をもろに浴びながら大きな岩を伝い、あるいは避けながら降りていくのは登りでなくても暑くて消耗した。
やっと降り切って辿り着いたのが黒部川源流域だ。
黒部川の水源は鷲羽岳となっているが、実際には岩苔乗越辺りを起点として、ワリモ岳、祖父岳から染み出した水に、鷲羽岳からの水が加わって勢いを増し、雲ノ平を迂回して薬師岳の巨大な山体の水で嵩を増し、上廊下を経て黒部湖に流れ込んでいるように見える。3000m級の山々の水が集まるのだから相当なものだろう。
雲ノ平からこの源流域へは約300mの下りだが、源流域から三俣山荘までは約150mの登りだ。なのでさほど辛くない。ありとあらゆるところから水が染み出してせせらぎとなり沢に流れ込んでいる。これが黒部川となって富山湾に行き着くと思うと感慨深い。雲ノ平と同様に記憶にとどめておきたいエリアとなった。
なお、源流域から三俣山荘に至る辺りは独特の匂いがした。この周辺で熊が出るという情報を目にすることがあるが、これが熊の放つ獣臭なのか?効果があるかわからないが、鈴を手で揺らしてできる限り音を出しつつ登って行った。
三俣山荘で水を補給して三俣蓮華岳に向かう。水場で昨日会ったトレイルランナーに再開した。すでに雲ノ平まで行って帰って来たらしい。どんな脚してるの?ってことだよね。その10分の一でいいから分けて欲しいものだ。
三俣山荘のお姉さんに中道と巻道のどっちがラク?と聞いたらどっちもどっちとのことだったので、帰りは中道を使うことにした。余裕があれば双六岳に登って帰るつもりだったが、時間も押しているので2年前に登った双六岳はパスし、中道からそのまま双六小屋に進んだ。
ちなみに、自分的には中道の方がずっとラクというのが結論だ。初日に巻道で難儀しているので猶更そう思う。三俣蓮華岳までは急登だが、その後は大きな登りは無く、道がとても歩きやすい、そして気持ちいい。丸山辺りや巻道分岐までの道はハイキングコースのようだった。
双六山荘でまたもアミノバリューをがぶ飲みして先に進む。雪渓での下りに気を付けた以外はあまり気を遣う個所は無く、さっさと下山することを優先した。鏡平から小池新道入口までは長く、嫌になりながら下り、左俣林道も長いと思いつつてくてくと歩いた。
ワサビ平小屋で例のお姉さんのカップルに再会したので軽くあいさつし、顔を洗い少しはさっぱりして、先を急いだ。名物のソーメンを食べたいところだが、時間の都合上諦めて、笠新道の分岐で水を補給し、新穂高登山指導センターに到着した。ここでヤマレコの記録を終了させた。
タクシーを拾って鍋平まで行けるかなと思ったのだが、待機しているタクシーなどいない。センターで聞いてみたら呼んでもここまで来るのに30分かかるというので、諦めて歩いていくことにした。
鍋平までは200mくらい登って、少し下ることになる。距離は2kmくらい。その分もプラスすると全行程の距離は61.6km、標高差は4,300m近くになる。自分のスマホだと距離は長めに出るので参考程度だが、この年としては良く歩いて上り下りしたものだと思う。
当分は山はいいかとも思うが、なぜか次はどこに行こうかとも考えてしまう。
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