夏の気まぐれ天気を歩く北ア縦走「常念岳⇒大天井岳⇒槍ヶ岳」


- GPS
- 34:00
- 距離
- 42.0km
- 登り
- 3,449m
- 下り
- 3,214m
コースタイム
- 山行
- 10:49
- 休憩
- 1:21
- 合計
- 12:10
- 山行
- 6:52
- 休憩
- 1:54
- 合計
- 8:46
[標準CT 7:25(53%)]
常念岳7:02⇒横通岳8:26-8:43⇒大天井岳10:24
[標準CT 4:35(73%)]
大天井岳10:28⇒西岳12:47-12:55⇒ヒュッテ大槍14:58
[標準CT 6:55(65%)]
ヒュッテ大槍3:54⇒槍ヶ岳山荘4:26-5:50⇒槍ヶ岳7:22
[標準CT 1:20(155%)]※山荘での待機時間除く
槍ヶ岳7:37⇒横尾10:38-10:49⇒上高地バスターミナル12:40
[標準CT 8:30(59%)]
※本日のペース:標準CTの60〜70%程度です。
槍ヶ岳(穂先)の上りは、大渋滞で牛歩ペース。
天候 | 8月20日(1日目):晴れのち曇り及び一時雨 8月21日(2日目):晴れのち時々曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー 自家用車
下山口:上高地バスセンター ◇三股登山口:第1駐車場はトイレもあり、約50台は駐車可能 (H27から第1駐車場から500mほど下方に第2駐車場もできました。) ◇上高地:マイカー規制中(詳細は省略) ●下山後の交通 ・上高地⇒新島々駅⇒松本駅(路線バスと松本電鉄) セット料金:2,450円(セットで買うと200円お得) ・松本駅⇒蓼科駅(JR) 240円 ・蓼科駅⇒三俣登山口(タクシー) 5,700円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
★登山道整備度:4(良5・4・3・2・1悪)階段や木道、鎖等の整備度 ★体力難易度 :4.5(難5・4・3・2・1易)歩行距離、累積標高差、急登等 ★技術難易度 :2〜3(難5・4・3・2・1易)鎖場、ヘツリ等の頻度や時間等 ※槍の穂先は、「3〜4」 ★登山道の眺望:5(良5・4・3・2・1悪) ★山頂の眺望 :5(良5・4・3・2・1悪) 【すれ違った登山者の数:初日30人程度、二日目100人以上】 ■危険箇所情報 ・三股登山口から常念岳は、急登が続きますが、鎖場等の危険箇所はありません。前常念の直下は、大きな岩が点在したルートを進むので、足場を確認しながら慎重に進みましょう。 ・常念岳から大天井岳は、横通岳から大天井岳までは緩やかなトラバース道が続き、歩き易く、特に危険性のある箇所はありません。常念岳から常念小屋の標高差約400mは浮石のある急登なので、下りは注意が必要かも。 ・大天井岳から西岳(喜作新道)は、急登が少ないトラバース(巻道)が多く、1箇所だけ痩せ尾根がありますが、全体的に危険性のある箇所はありません。 ・西岳から槍ヶ岳(喜作新道)は、急峻な山容が多くなり、鎖場や梯子が目立つようになります。ルート間に鎖場3〜5箇所、梯子20箇所程度ありました。危険性のある箇所は少ないですが、そのうち長い梯子の2〜3箇所は、下り(西岳⇒槍ヶ岳)で使用すると、やや高度感があるので、初心者の方や高所が苦手な方は、怖いかもしれません。 ・槍ヶ岳(穂先)は、ほぼ全体に鎖や梯子があります。やや高度感はあるので、高所が苦手な方や初心者の方は、怖いかもしれませんが、梯子や鎖の設備はシッカリ固定されているので、鎖場等が慣れている方なら、特に支障のないレベルでした。私は、氷河で削られたという安山岩を主体とした穂先の岩場に不安定に見える亀裂が多く、大きな地震があったら「上方斜面からルート上に落ちてきそうで怖いな」と違う意味で感じました。 ・槍ヶ岳から上高地(槍沢)は、危険性のある箇所はありませんが、単調な道が長く続きます。 ■水場 ・常念岳から槍ヶ岳までの稜線は、水場がありません。麓から持参するのが基本でしょうが、営業小屋で飲み物を購入することもできます。 ・槍ヶ岳から上高地(槍沢)は、キャンプ場や営業小屋の周囲に無料の水場が多くあるので、定期的に保水可能です。 ■眺望 ・森林限界となる標高2500m以上の稜線は、周囲の3000m程度の山々が一望でき、どこからでも絵になるような風景を楽しむことができます。特に常念岳から蝶ヶ岳の稜線は、穂高や槍の迫力ある岩稜を見渡せるので圧巻でしょう。 ■ヒュッテ大槍(今回宿泊した小屋) ・小屋の規模:収容人数:90人(標高2884m) ・初代のヒュッテ大槍は、槍ヶ岳で最初に建てられた小屋ということですが、槍ヶ岳山荘に比べ小規模で、中は綺麗でアットホーム的な印象、私好みの小屋でした。 ・部屋は、全部で4部屋あり、1部屋は1段が3畳の広さの仕切りが両脇2段になっており、1部屋当たり3畳×4=12畳の広さ。本日は、1段(3畳)で3人になるように割り付けていましたが、枕の数は6人分(1畳2人)ありました。 ・夕食は、ワイン&デザート付きで、ごはん、スープの他におかずの種類も多く、温かみのある夕食で美味しくいただけました。ご飯の他に、大皿のパスタ料理もあり、ボリューム感満点でした。 ・乾燥室があり、濡れた雨具や衣類を干すことができます。 ・トイレも綺麗で、洗面所の水は、飲料可能なので、宿泊者は無料で水の補水が可能です。 |
予約できる山小屋 |
横尾山荘
|
写真
予定より2時間以上遅れてしまい、これから燕岳に向かうと最終バスに間に合わない恐れあるので、止む無く槍沢を下り上高地へ向かうことに。
感想
この週末は、太平洋岸の熱帯低気圧の影響で雲が発生し易い空模様。
初めは富士山に行く計画を立てていましたが、ギリギリまで気象情報を確認し、日曜日まで天候が持ちそうな松本周辺の北アルプスへ変更。
では、どこの山にしようか。
上高地からの山行は、マイカーの便が悪いので、そこからは入山したくないんですよね。
ということで、当初は、上高地には行かず、三股登山口⇒常念岳⇒大天井岳⇒槍ヶ岳⇒大天井岳⇒燕岳⇒中房温泉の縦走ルートを1泊2日で歩くつもりで計画しました。
初日は、できれば森林限界を越えた標高2400m以上でご来光を見たいと思い、出発時間は午前3時前と今回もナイトハイクです。
一昨日が満月だったので、樹木が無い稜線であれば月光だけで歩けそうな夜空でしたが、登山口は、林の中で真っ暗、ヘッドライトを点けて、いざ出発!
三股登山口の標高は1350m、常念岳との標高差は1500mあり、その先のロングコースに備え、登山口から前常念岳までの急登は、いつもより気持ちゆったりペースで登ります。
予定通り、森林限界を越えた2400m程度で、ご来光を迎えました。
その後、快晴で澄んだ青空が広がる稜線を歩き、登山口から約4時間で常念岳に登頂。
常念岳からの眺望は、北アルプスを代表とする穂高岳から槍ヶ岳の大岩稜を見渡せる大展望が広がっていました。
「いや〜、これよ、これ!」と言わんばかりの大絶景。
天候にも恵まれ、一見の価値のある絶景でした。
しかし、常念岳から下山を始めると急に雲が下界から湧き出し、どんどん主稜線に流れ込んできました。
横通岳以降は、完全にガスの中に入ってしまい、時折、小雨も混じる天候に。
山の天気は変わり易いとは良く言ったもので、「さっきの快晴はなんだったんだ」と思える変わり様。
視界不良で小雨交じりの空模様は、結局、ヒュッテ大槍まで続いたので、仕方なく、ザックカバーを装着し、久しぶりに上半身だけ雨具を着用しての縦走となってしまいました。
不幸中の幸いというか小屋到着後、雨足は本降り状態に。
小屋で明日の天気予報を確認するも、明日もイマイチの予報。
「ん〜、明日の縦走どうしよう?ここまで来ると、エスケープルートは、上高地に降りるくらいしかないし〜」と、地図とルート時間等を念入りに頭に入れ、天候に応じたルートのシミュレーションをしておきます。
「とりあえず、早朝起きて考えよう」と、酒は早めに切り上げ夜8時には就寝。
夜半過ぎ、ふと目が覚めると、小窓から月明かりが差し込んでいるのに気付きました。
「こ、これは!」と思い、窓の外を眺めると、月があるのに、星空も広がっていて、なんと、晴れています。
「お〜」、昨晩から落ちていたテンションが急に上がりだし、「槍ヶ岳からご来光が見られるかも」と考え、急いで出発の支度をして、二日目も暗い中を出発しました。
昨日は見られなかった槍ヶ岳のシルエットが真っ暗でも見えてきます。
更に、日出の1時以上前だというのに、槍の山頂にはヘッドライトの光が見えます。
「いや〜、早い人がいるもんだな〜」と思いながら、日の出の50分前に槍ヶ岳山荘に到着。
そこには、驚きの光景が、、
なんと、槍ヶ岳山荘前には、出発の支度をする登山者が大勢いるではありませんか。
しかも大半の人は槍の穂先を目指していて、この時間で既に大渋滞になっていました。
「な、なんなんじゃ〜、この混みようは??」
とりあえず、大渋滞に交じって槍の穂先へ向かおうか悩みましたが、槍の山頂スペースは、20人程度がいいところ。
「この人数では、絶対に、山頂でご来光は見られない」と判断し、槍ヶ岳山荘前で、日の出を待つことにしました。
案の定、穂先までの大渋滞は、日の出まで、全く動かない様子。
そして、槍ヶ岳山荘前では槍の右手から朝日が昇り、周囲の山々がモルゲンロートに染まり始めました。
西の空は一面の雲海に標高2500m以上の山だけが顔を出している感じ。
特に眼下に広がる雲ノ平の緩やかで優しい山容に暖かい光が差し込む光景は、槍の荒々しさに反してなんとも印象的で良かったです。
日の出後、槍の山頂からの下山者が増えてきましたが、それ以上に穂先に登る人も多く、大渋滞は続いています。
ここまで来て、穂先に登頂しないわけにいかないので、主要な荷物は、槍ヶ岳山荘前に置き、止む無く、大渋滞の最後尾へ。
山頂へは、立ち止まって待機する時間が長く、上着を羽織っても寒くなる状況化で2時間弱を牛歩のように進み、ようやく登頂へ。
次第に雲量は多くなってきましたが、「槍のテッペンにいるんだ」という充実感と360度の大展望は、ほんと、歓喜の瞬間でした。
結果、この大渋滞で約3時間弱の不測な時間を要してしまうことに。
当初の二日目の計画は、槍から大天井に戻り、燕岳まで縦走するもの。
この予定外の遅れで、燕岳の登山口(中房温泉)から最終バスに乗れない恐れがあると判断し、予定を変更し、上高地に下山することにしました。
途中の横尾山荘から蝶ヶ岳まで登り返して三股登山口に下山する最短ルートも検討しましたが、体力的に厳しくなる予感、かつ、台風が近づき午後から悪天候になるという情報もあり、今回は普通に上高地へ下山しちゃいました。
終始、AUのスマホが圏外であったため、気象情報や電車等の乗り換え時刻等の確認ができずに、結局、下山から三股登山口に公共交通機関を使って戻るのに約4時間もかかってしまいました。
今回の山行は、天候に振り回されたり、大渋滞に巻き込まれたりで、行程は計画通りに行きませんでしたが、要所では、素晴らしい眺望に恵まれ、急きょ決めた山行の割には、「お釣りがくるほど、達成感が半端ない充実の山旅になったかなぁ」と思いました。
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