この図録は今回の展覧会のそのものの図録ではなく、2017年に東京藝術大学で開かれた展覧会のときの図録で金箔で仕上げた釈迦三尊像の写真は載っていません。まだ金箔貼付までは完成していなかったものと思われます。
この図録で釈迦三尊像クローンの制作過程が写真入りで細かく述べられています。まず実物の計測は3Dスキャナーでプロジェクタから縞パタンを投影し2台のカメラで撮影することにより高精度な3Dデータを作成。X線CTとは違って物体が重なっていてカメラで計測できない部分があり、その部分はデジタルモデリングで復元。
この3Dデータから高精度プリントができる光造形3Dプリンタで造形したたくさんの部分組み合わせ鋳型の元を作り、作られた鋳型に溶かしたブロンズを流し込んでクローン像を作り、何種類もの特注ヤスリで削り磨きして仕上げ金箔貼付彩色を行うという大変な工程です。
英語での説明も少しあり、その中でクローンの英語はcloneですが、41年前の英和辞典で調べたら載っていませんでした。この時代はクローンという用語自体が一般的ではなかったのでしょう。オックスフォードの英英辞典9版には載っていました。a person or thing that seems to be an exact copy of anotherとのことです。
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