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図: 時間の謎の象徴として表紙に描かれた「砂時計」 、ニュートン2021年10月号表紙
・ サイエンスマガジンやSFでなくても、この世のなかに普通に存在するのは「有限の砂時計」でしかないのですが、 本当に「クロニクル」は存在しないのでしょうか…
図2: 砂時計
・ これまでにない視点で砂時計を見てみましょう。
(1)容器の上部にたまっている砂は、オリフィス状に絞られた底の細い管から、少しずつ下の容器へ落ちていきます。
( この上部にたまっている砂の断面を見てみると、底の中央から落ちていくため、時間とともに中央部がへこんでいきます。)
(2)容器の下部にたまっていく砂は、絞られた天井の細い管から、少しずつ容器の中央にたまっていって、中央部が上に向かって盛り上がっていきます。
( 永遠に上に盛り上がるわけにはいかずに、水平方向に崩れて、それまでに下にたまっていた、先に落ちた古い砂の上に、覆いかぶさるように、重なりながら、裾野を広げていきます。 )
・ これは当たり前の砂時計の動きですが、砂が全部同じ色で、先に落ちたものも、後から来るものも、見分けがつかないので、普通はひとかたまりにしか見ていません。
( もしも、時間の流れとともに、砂の色が赤から、黄色、緑、青、紺、紫と変化していったら、砂の断面はとても美しい縞模様を描くことでしょう。 )
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・ さて新しい視点で見ていただきたいのはここからです。
(1)の上の容器にたまった砂を、海洋地殻と思ってみてみると、地殻の底にある細い穴「オリフィス」がなければ、いくら重力が働いても、閉じられた空間では下におちることができません。、細い穴の存在があるからこそ、砂は下の世界へおちていくことができます。
( これは海洋地殻で言えば「海溝」で、細い穴は「境界弱線」に相当します。)
(2)の下の容器にたまっていく砂は、海洋地殻で言えば「海嶺」です、違いは砂時計では上から下に落ちてきますが、海洋地殻の「海嶺」では、ホットスポットから湧き上がるマグマが細い「境界弱線」を通り抜けて上へ噴き出してたまっていきます。
・ この砂時計の砂を、海洋地殻の「海嶺」と「海溝」に見立てたとき、海洋地殻は自然に沸き上がり、自然に上に積み重なり、 そして自然に横方向に崩れながら広がり、そして海溝で自然に下へ落ちていきます。
図3: 砂時計を海洋地殻の「海嶺」と「海溝」に見立てた、流動のイメージ図
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・ これらはすべて自然にそう動くのであって、すべての原動力は、ホットスポットが生み出すエネルギーが、上昇するマグマを作って、横に崩れながら広がって、最後には下に沈んでいきます。
( 海洋地殻が横移動する原動力として、海溝で下に落ちていく力が引っ張っているから動いている…とゆう「テーブルクロス説」や、下層のマントルが対流しているから、上層の海洋地殻も動かされている…などなど、根拠のないイメージがまかり通っていますが、砂時計で言えば、上の砂が下に落ちる原動力が、下の砂がひっぱっているから落ちる…などと考える人はいません。)
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・ 海洋地殻の流動はホットスポットのエネルギーで動きますので、核エネルギーの半減期のようにわずかずつ減少はしていきますが、決して「0」になることはありません。まさに「小松左京の小説『果しなき流れの果に』で登場する「永遠に落ち続ける砂時計」そのものです。
・ そしてこの永遠の砂時計である海洋地殻とホットスポットと同様に、核エネルギーもまた地球を暖め続けています。
( 本来はホットスポットのエネルギーは、徐々に減少していって寒冷化に向かいますが、凍結状態の地球を再び温めるのもまた、新しいホットスポットが加わる=隕石衝突、で新たなサイクルが繰り返されます。 )
・ 現在の温暖化が「人類の手による核エネルギー」の誕生から始まっていて、兵器であろうが平和利用であろうが、地球を暖め始めてしまったことに、早く現在(今)のすべての人々が気付かねばなりません。
今も核エネルギーは大地へ、空気へ、そして海へ…熱を放出し続けています。
・ 海嶺で生まれ、海溝で沈みこんでいく、太平洋の海洋地殻の循環は、まさに「永遠に落ち続ける砂時計」と言えるのではないでしょうか。
( 決して人の力ではつくることはできません… あまりの夏の暑さから、妄想が止まりません。 )
追記:新しい地球のイメージは止まらない
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