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4月5日の早朝。
段ボール内側にぶら下がったコウモリを捕まえると、昨日よりは活発に動く。というか、抵抗しようとする力を感じる。
スポイトで水を与えてみると、1滴くらい飲んだがそれ以上は受けつけない。
まあいいか、昨夜たくさん飲んだもんね。
捕ってきたアブを割りばしでつまんで、口に持って行くと、コウモリは完全に動きを止めてしまった。
ごめん。
無理強いしすぎたか。
心の中で平謝りながら、段ボールの中へコウモリを戻すと、なぜか底面に翼を拡げてしまった。
疲れすぎてしまったのだろうか。
そのうち落ち着いたら、また側面にぶら下がるだろうか。
気が向いたらお食べ、と残った蛾も箱に入れてフタをした。
後日知人に「人間だって寝起きにいきなりステーキは食べられないでしょ」と言われてしまった。アブはステーキ級だったのかもしれない。
お昼頃、留守番の家族が様子を見てみたところ、翼を拡げていたそうだ。
それは…朝のままの格好ではないか?
「生きてた?」
恐る恐るたずねると「怖いこと言わないでよ」と怒られた。
ちなみに蛾はいたそうである。
夕方になって帰宅した私が様子を見に行くと、段ボール箱の底にうずくまってはいるものの、翼はたたまれていた。
生きてはいる様子。
ひとまずホッとする。
床にうずくまるというのは、コウモリにとってはあまりよろしくない姿勢なのではないだろうか?
昨日のようにぶら下がる気力も、なくなってしまったのだろうか。
心配は尽きないけれど、今日はもう触らずにそっとしておくことにして、フタをした。
事件は、翌日に起きた。
4月6日の早朝。
ベランダの段ボール箱をあけてみると、コウモリは前夜見たままの格好でいた。
生きてはいるが、動く元気もないのだろうか。
これはいよいよ覚悟を決めないといけないかもしれない。
様子を見るしかないと思い、そのままフタをして出かけた。
ちなみに蛾はいた。
その日は久しぶりにたっぷり山歩きをして、夕方に帰宅するとすぐさまベランダへ直行した。
重石のジョウロを取り、段ボールのフタをあけてみると…コウモリがいない。いや、ほんとうにいない。
あれっ。
えっ。
箱を全開にしてみた。
コウモリの影も形もない。
「コウモリちゃんいないんだけど!」
家族にきいてまわる。
「フタあけた?」「あけてない」
「様子みた?」「見てない」
もしかしたら、死んでしまったコウモリを私に見せないため、家族がこっそり片づけたのではないか?と疑ったのだが、知らないと言うのだ。
「いや待って、でもジョウロ、乗っかってたんだけど?」
「隙間から出たんじゃない?」
「隙間ないんだけど?」
上の写真を見て頂くと、隙間は数ミリしかないのがおわかり頂けると思う。
この隙間を使って、段ボールを傷つけないように、ジョウロごと持ち上げるようにして、出ていったというのだろうか。
確かにジョウロは空だが、それでも500グラムぐらいはあり、体重13グラムだったコウモリの40倍に近い。
「そうなんじゃない?自力で出たんだよ」
そんなマジックショーじゃあるまいし。(ここで脳内に流れる「オリーブの首飾り」チャラララララ〜♪)
けれど、もし本当にコウモリが自力で脱出して、どこかに飛び去ったのなら、それは喜ばしいことだ。
どこかもっと、階段よりマシな寝床を見つけて、生き延びてくれと思う。
暖かくなって、ご飯になる虫も出てきているから、頑張れ。
というわけでヒナコウモリ保護大作戦は2泊3日で終了した。
二晩で脱走できたということは、もともと保護の必要性も薄かったのかもしれない。
元気ならヨシ。
保護する際に使った段ボールやスポイト、ビニール手袋などは全て”燃やすゴミ”として処分した。
ちなみに、残った段ボールの中に蛾はいた。
お役御免となった蛾を植え込みに放すと、ヨロヨロしながら葉につかまった。
すまなかったね。あんたにも幸あれ…。
以上が階段コウモリの顛末です。長々とお付き合いいただきありがとうございました。
弱って死んじゃうのか⁉️って思う下りもありましたが、最後はイルュージョンの如く姿を消すとは…コウモリらしいと言えばらしいかも🦇
何処から出たのか不思議な結末でしたが、私がまだ幼かった頃に、家族で海へ出掛けて遊んでいた時に、たくさんのヒトデが居て、何をしようとしていたのか?自分でもわかりませんが、スーパーのビニール袋にそのヒトデをメチャンコ沢山入れて、宿へ持ち帰りました。まさか、部屋には入れられないので、外に置いておいたら…次の朝、みーんな居なくなっていました。袋の口は隙間なくぎゅっと結んでおいて、その結び目もそのままなのに、中身が無くなってたんですよねー
誰かが逃したなら、結び目を再び結ぶなんて事はしませんよね❓軟体動物のヒトデは身体をくねらせて小さな隙間から夜の海へ帰って行ったんだと思います。
だから、コウモリちゃんもこんな隙間から出れないよ‼️って薄い隙間でも出られたのかもしれません😉
長々とお読みいただきありがとうございました。
ヒトデの大脱走…そんなことが!?
そういえば私も子供の頃ハムスターを飼っていて、ケージの入口を洗濯バサミで止めても脱走してたの思い出しました。
段ボールくらいコウモリだって楽勝だったのかもしれません。
生き物の脱出力すごい…。
ホント〜〜にお疲れ様でございました。
もはや上質なドキュメンタリー!
それでそれで!😳次はどうなったの?
と固唾を飲んでコメントももどかしく……
まさかの完結の文字⁉️😱まさか!
あ〜〜😭段ボールの中で息絶えてなくて良かった😌
とは思ったけれども……なんだか寂しい……
何も言わずに何も食べずに行ってしまったのねー😭
野生の動物だもの…そうよね、力強く生きていくのね😢あんな隙間からいったいどうやって?そしていずこへ?
ケロケロさんの優し〜〜い気持ちとユーモアと、たくましいアブちゃん改めヒナちゃんの生命力のドキュメンタリー❤️素敵でした。
ありがとうございました〜〜
こちらこそ、長々とお読みいただきありがとうございました!
ほんとに…段ボールの中で息絶えてるのを見つける覚悟は、したんですが。
驚異の脱出力でございました。
コウモリにちょっと興味が湧いたので、コウモリを見つけたら観察してみたいと思います。
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