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動画には、実際に観光客が車からヒグマに向かって餌を投げ与える衝撃映像があります。ヒグマに人の食べ物の味を覚えさせ、慣れさせ、その結果の人身被害。周囲に大勢の観光客がいる中で行われていることから、まるで罪悪感が無いこと分かります。軽い気持ちでの餌やりの結果、人が死にました。羅臼岳で人身被害を起こした熊が、誰に餌を貰ったのかは分かりません。ひょっとしたら自分が餌やりしたヒグマかもしれませんね。人の命を奪う原因を作ってしまった罪の十字架を、一生背負って生きていかなければならないのは、気の毒でなりません。
餌付けの方々に自然に対する正しい知識を身につけさせ、ごく基本的で初歩的なルールを守らせることなど、どだい無理な話なので、公園の入口でマイカー規制して歩かせるとか、窓の開かないシャトルバスで送迎するとかして、野生のヒグマとの接触を強制的に遮断することが望ましいと思います。
動画が公開されたのは、12年前。ソーセージのエピソードは、27年前。このことから病巣の深さが窺い知れます。知床財団の調査速報第2報にあった、7月29日にヒグマへの餌付け行為が確認されたというのは、例外中の例外ではないと思います。観光客やカメラマンをヒグマに接近させないために、遊歩道や散策路を、目の細かい金網で全面を覆って物理的に手出しできないようにしてしまうというのもありではないかと思います。人の命を守るために。
掲載の写真は、道路脇で人待ちをしてるキタキツネたちです。左のは、誰があげたのか、コンビニおにぎりを食べてます。真ん中は、道道94号線沿いで待機するキタキツネ。右のは、夕張岳付近の道路沿いにいたキタキツネ。全道各地で、このようなキタキツネを見かけます。特に有名観光地になるほど寄ってきます。大問題ですね。
野生動物を見て「かわいい」と「かわいそう」は、おそらく同種の人間が発する感情と思われます。自分の行為の結果までは思い至らないのでしょう。痩せ細って餓死したキタキツネや、車に轢かれて血を流して車道に横たわるキタキツネを見たことが無いのでしょう。
動画の中でも紹介してますけども、基本的なルールとして、
・ヒグマに餌を与えない
・ごみや食べ物を放置しない
・近づかない
ヒグマに限らず、野生動物全般に言えることかと思いますが、自然に親しむのであれば、最低でもこの3つだけは守りたいものです。ごく最近、どこかの山で、大勢が見守る中、わざわざヒグマに近づいた人がいて話題になりましたけど、無意味な接近はヒグマを人間に慣れさせるだけですので、最低限度の知識を身につけたうえで、厳に慎んでもらいたいものです。
知床財団には、野生のヒグマへの餌付け行為を、手段を選ばず撲滅してほしいです。やってくるのは、野生動物に餌付けするような連中ばかりで、山と自然を心から愛する登山者が、知床に行けなくなってしまうから。