|
|
|
「箱根外輪山明神岳東側の裾は、いくつかの洪積丘陵を形成して足柄平野に接していて、その一つに諏訪原、白山丘陵があります。この古墳は、その丘陵上に展開する古墳群の内、最大の規模を持ち、「王塚」とか「百塚の王」と俗称されていました。以前は、4基ないしは5基の陪塚（大きな古墳の周囲の小古墳で、従者の墳墓ともいわれる。）かと思われる小円墳が存在したといわれますが、現在は、2基が残るだけで、それも陪塚かどうか明らかではありません。
内部主体についての調査は行われていませんが、古墳群成立の初期で、6世紀前半までには築かれていたものと考えられます。」形状に関しては
「この古墳も、久野古墳群の1基で円墳です。測量の結果、墳丘の規模径39m、高さ5.9mと計測されています。さらに、久野配水池内の発掘調査で、幅約12mの周濠が確認され、墳丘の北側にまで周濠がまわっていたか判然としないながらも、周濠までを含めた規模は、径60m以上と推定され、県下でも最大級の円墳という事ができます。」
このあたりは箱根外輪山の明神ヶ岳の東麓で、久野川の北岸（左岸）だが、明神ヶ岳や明星ヶ岳はなかなか見えず、北側（右側）に大きく丹沢山塊が見えている。初めはこれが明神ヶ岳方面かと思ったが方向が違う。１号墳の上に登るが現在は樹木が茂ってよく見えないが、古墳時代はこのような樹木はなく、丹沢や大山がよく見えたことだろう。道標に従って畑の間の小道を進むと、再び広い道に合流し、１号墳から１０分ほど進むと、正面にようやく明神ヶ岳が見え始めた。でかい。右側の奥に富士山の頭の一部が少しだけ顔を出している。左側（南側）には箱根連山ーおそらく、白銀山や台ヶ岳や神山方面か？右側には相変わらず丹沢山塊・大山が圧倒的な姿を見せている。少し進むと左側になんと久野諏訪ノ原の縄文遺跡に関する大きな解説板が現れた。標高は１２０mを超えていたが、広々としていて日当たりもよく、暮らしやすい場所だったのかもしれない。草創期から晩期に至るまで多くの遺跡があり、最大の久野一本松遺跡は早期から後期までの長期にわたって、これまで８０件くらいの住居址が検出され、活発な活動を行っていたようだ。少し先に久野２号墳の解説板があり、おそらく墳丘は消えているようだが、豊富な副葬品が出土し、小田原市郷土文化館に収蔵展示されているようだ。さらに１０分ほど進むと、ようやく久野４号墳が現れた。墳丘に登るとかつての葺石か、大小の石が残されていた。裏側に回ると石室や解説板があったらしいが、残念ながらこの時は気づかず、次の１５号墳に進む。２００mほど先に１５号墳の入り口があり、こちらは道路から少し奥まった畑の中にあった。ここも石室が復元。公開されている。残念ながら古墳群の大半は失われてしまったが、多くの関係者の努力でいくつかの重要な墳丘が保存され、公開されたのは幸いだった。帰路は途中から、やや距離の短い穴部駅方面に下る。１号墳より手前にある分岐点を少し過ぎると大きな観音像が二つ、墓石などと一緒に置いてある。お墓と観音様の霊園かと思ったが、そうではなく捨ててあるらしい。他の石材なども置いてある。駅に向かう道といっても結構狭く、山道のようだ。目の前に丹沢の山並みを見ながら１０分ほど下ると民家が見えてきたが、狭いのでバイクとすれ違うのも大変だった。９時２０分過ぎには穴部駅に出て、２７分の大雄山線で小田原に移動し、郷土文化館で久野古墳の出土品などを見てから、バスで入生田の地球博物館に移動し、「地層を剥ぎ取る」の展示解説を聞いた。
写真１）新松田と足柄の間で小田急線から見た富士山と矢倉岳
写真２）丹沢山塊と大山
写真３）久野１号墳
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する