2月8日（金）古墳時代の狩猟民＋金沢区の遺跡＋金龍院

2019年02月08日 21:44講演会・研究会全体に公開

2月8日（金）古墳時代の狩猟民＋金沢区の遺跡＋金龍院

午前中、千葉市生涯学習センターで先週に続き、弥生の狩猟民展関連講演会「古墳時代の狩猟民」を聞く。学習センターに10時前に到着すると、展示の位置などが先週と違って、エントランスホールいっぱいを使って大々的な展示になっているので、驚いた。先週の「弥生の狩猟民」の展示に加えて、2月16日（土）に開催される「千葉市の遺跡発表会」にちなむパネルや出土品の展示も始まっていた。「弥生の狩猟民」の展示では、最初に弥生の農耕社会が関東にも押し寄せて、水田稲作を中心とする農耕社会が成立するとともに、農耕だけでは得られない資源を獲得する狩猟や漁労などに特化する農耕以外を生業とする集団が分かれていったとしている。その証拠として「荒海貝塚」「草刈遺跡」「勝山こうもり穴洞穴」などの卜骨や鹿角製の刺突具、儀器やオオツタノハの貝輪などから農耕以外を生業とする新たな分業社会の出現を探ろうとしているようだ。

　次に来週の千葉市の遺跡発掘展ー最初に稲毛区東海道遺跡―旧石器時代から縄文、古墳古代、江戸時代と断続的に集落が継続していたらしい。展示には縄文中期の加曾利EⅢ式土器や古墳時代の紡錘車や土錘、砥石、奈良時代の須恵器や土師器、刀子、鉄鏃などが展示されている。解説を読むと、これまでの文献史料では書かれていない歴史を古代集落遺跡から読み取る努力が必要としている。なるほどーー
　そのほか、奈良三彩が出土した種ヶ谷津遺跡（主として古墳時代後期の集落）、「古墳群の中にある集落」＝平和公園遺跡群、１昨年、国の特別史跡（国宝と同クラス）に指定された加曾利貝塚の地下レーダー探査などの最新調査報告などがあった。

　講演は、房総半島における古墳時代の農耕社会と房総南部の洞窟遺跡などに見る農耕以外を生業とする人々（狩猟・漁労・交易・手工業・芸能などを行う人々）との関係とその歴史を考える良い機会でした。

　さて、それから金沢文庫に移動し、かながわ考古財団主催の金沢区の重要遺跡に関する講演会に「途中参加、本当は午前中の野島貝塚、称名寺貝塚の話しを聞きたかったけれど、千葉と重なって資料集を後で読むことにして、午後の古墳時代の祭祀遺跡（瀬戸神社旧境内地内遺跡、勝坂有鹿谷祭祀遺跡、鉈切遺跡など）と中世の寺院と矢倉遺跡（称名寺・上行寺やぐら遺跡などーー）、なかなか普段は聞けないようなこの地域独特の考古資料、遺跡、歴史の話しは大いに参考になった。

　最後に古墳時代の祭祀遺跡の話しの中に出てきた瀬戸神社と金龍院の飛び石のあった展望台を訪ねてみた。バスを使おうかと思ったが、バス停がいくつもあって歩いても1㎞くらいなので金沢八景～金龍院まで歩いてみることにした。
　新瀬戸橋のあたりでかつての姫小島水門の碑を見たり、八景島に向かう道の分岐の先に瀬戸神社があり、その裏山の崖にも中世のやぐららしきものがある。さらに金沢八景駅の先を進むと金龍院があり、江戸時代に展望台の岩山から転げ落ちたという飛び石を見てから岩山の上に出る。かつては能見堂が金沢八景の展望台だったらしいが、江戸時代にはこの金龍院の岩山が最高の展望台だったという。残念ながら今は樹木が茂り、また高層建築が多く展望は海側の野島と夏島方面しか見えない。それでもかつての金沢八景の一端に触れることができた。
　

2019-02-07 2019年2月2日（土）北東北

2019-02-18 2019年2月15－16日（金

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