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写真��工字文と交互刺突文のある土器
写真⓷RL（二段右撚り）縄文のある土器
天王山式土器の展示は第一次調査のA区〜R区、第二次調査のAトレンチからKトレンチまで、順番に並べている。一通り撮影してからA区の土器からピックアップしてスケッチを始める。土器をスケッチしてまず目が行くのが壺や甕形土器の文様で、口縁部などに見られる交互刺突文であ。、また時折目につく工字文だ。さらに磨消し縄文や様々な縄文の施文、とりわけRL(二段右撚り）縄文が特徴的に見られるものもある。このような特異な弥生時代後期前半の土器が何を意味しているのかは、図録の巻末に掲載された明治大学教授でまほろん館長である石川日出志氏の論考に詳しく論じられている。工字文やRL(二段右撚り）縄文などは、東北北部の縄文晩期以来の伝統であり、その文化が、南下して天王山式を介して新潟、北陸、さらには高槻市などの近畿圏の一部に及んでいる。石川氏は、このような動きを、新たな文化である鉄器の入手を求めての東北地域の人々の動きと論じている。阿賀野川を下り、新潟の港から当時の鉄器文化の先端地域である小松式土器の八日市地方に向かい、また、この地域の人々がやがて会津盆地などの東北南部に進出していく様を土器を通して追うことが可能だ。
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