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左膝と右膝の治療で豪徳寺整形外科から、階段を歩くなと言われたが、早速渋沢駅北口で下ってしまった。今はあまり痛みはないが心配だ。1キロほど歩いて堀川公民館にたどり着く。同じ展示ではあろうがはだの歴史博物館にも行く予定。今日は午前中岩佐又兵衛に関する講演を聴講し、終了後すぐに渋沢に向かった。
今回の講演は、縄文時代中期、阿玉台式期から勝坂にかけての埋甕炉跡と埋め込まれた土器などの関係、人骨を入れた土器、獣面把手、黒曜石、ヒスイ、コハク装身具などから、この時期のヒトの動きを考える内容だった。特に平塚市原口遺跡出土「の字状土製品」は、面白い。７〜８年前に金沢市の近くにある御経�牋篝廚埜�たの字状石製品を模倣した土製品で、石製品のほうは、北陸から東北日本海側に分布するが、ごく限られた数しか見つかっていないレアもの。その石製品が、八丈島からでており、その中間にあり、土製品を出した原口遺跡がある。井出氏はヒスイ、コハク、黒曜石などの遠隔地交流を示唆するものと言う。炉跡の埋甕の異系統土器は、例えば婚姻により他地域からやって来た女性がもたらした土器であり、お墓から出る異系統土器も、そうしたふるさとの土器を副葬したのかもしれないという。
こうした細かい土器片や細かい把手から、ヒトの動きを追うのは考古学の常套手段だ。
ただし同氏は、中期の人々、社会において祖先祭祀や部族社会が成立していたとかんがえるが、これは今の縄文社会論の主流派であるが、私はおかしいと考えている。部族社会というのは
戦前の欧州の社会人類学の概念で、男系の血統により垂直的にに連なる集団を想定するが、これは西欧(中国にもある)のごく一部の社会にしか見られず、列島では、その後の社会を見ても血統重視は存在していない。リネージを想定することは困難と思える。もし、血統重視があるとしたら、その後の「ウヂ」制度が大陸から入ったときもそれを受け入れなかった社会の大本のしゃかいが、血統重視であることを想定することは難しい。西欧社会人類学で否定される部族社会などの概念を列島に当てはめるべきでないと考える。
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