南八つ縦走 色々あって感想に色々記入


- GPS
- 15:14
- 距離
- 28.1km
- 登り
- 2,689m
- 下り
- 2,735m
コースタイム
- 山行
- 7:13
- 休憩
- 2:05
- 合計
- 9:18
天候 | 1日目 晴天 2日目 曇のち小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
小淵沢タクシー 営業時間5:30-1:00 観音平まで3600円くらい |
コース状況/ 危険箇所等 |
権現〜赤岳〜硫黄 岩場の上り下り、トラバース多い ヘルメット推奨 スラブ上の岩が濡れ&凍結で滑りやすくなる 北側の急傾斜は部分的に凍結箇所あり 今回の時点ではアイゼン使わず 北沢ルート 部分的に道が凍り始めてるので使わなくてもアイゼンかチェンスパ携行を |
写真
感想
無積雪期最後の縦走は雪山の偵察兼ねて八ヶ岳へ。
予定では全山縦走だったけど風邪が治らず体調が万全でないので南八つ縦走となりました。おなじみさんの八ヶ岳ですが、赤岳以南は歩いたことがなく初ルート。
いつも感想が長いのですが今回特に色々あったので特に長いです。
特記内容
小淵沢駅泊について(前日)
編笠山道迷い顛末(1日目初めの方)
赤岳レスキュー現場(1日目後半)
モンベル空気マット使用感について(1日目最後)
自分なりの冬用ルート備忘録(本稿最後)
実際はそうじゃねーよ何言ってんだオメーと言う突っ込みはご容赦願いたい…
前日
小淵沢行きの終電で小淵沢駅へ。小淵沢駅は改装後、駅泊出来るのか試してみました。事前に案内所に確認したところでは、「始発待ちの人の待合室があるけど時々鍵がかけられることもある」とのことでした。
と言うわけで待合室でタクシーの予約時間まで睡眠。私含め合計3人がステビ。イベント時は締め出し食らう可能性あるので事前に確認しておいた方が良いかもしれません。また、マナー的によろしくないですが待合室以外も寝れる気はします。1階トイレ付近が無難か?
1日目 快晴
4:30起床して準備、小淵沢タクシーで5:30駅発、5:50観音平着。小淵沢駅周辺のタクシーは営業時間が5:30-1:00なので注意。観音平まで行ってビバークも考えましたが、人慣れした熊が出没する情報があるので止めました。
まずは観音平から編笠山に行きます。が、観音平の登山ポストを探すこと10分。駐車場の奥、ベンチの手前あたりの案内看板に設置されてました。
ポスト探すのに苦労した時点で何だか嫌な予感がしたんですね。前回より軽くしたのにザックも重く感じるし。
観音平→雲海→押手川までは一本調子の登り。押手川の枯れ沢で休憩。ここから編笠山へ。編笠山への登りはやや傾斜の強い登りがずっと続きます。気持ち西よりから山頂へ北上するルートで普通なら間違えようもない。しかし、2300mあたりでルートを間違えて道迷い発生(詳細場所はルートを見てください)。
一本調子の急登でがんがん登れるので、気持ち西寄りにトラバース気味に登るべき所を右寄りに直登してしまったのが原因です。道は広めと思ったのですが後から考えると獣道気味のようでした。
道迷いに気付いてからどうしようか思案しましたが、山頂とルートの方角が分かってることから、登りながら西寄りに修正することにしました。後から考えるとセオリー通りに元の道まで下った方が早かったと思いますが、なんとも言えません。
なかなか真西にいけそうなスペースが無く、東だったり西だったり登りながら樹林帯をかき分け、くぐること30分のロス。
怪しい物音に気付いた登山者が「誰かいますかー?」と声をかけてきたことで、無事ルートに戻ったことを理解しました。
この道迷いで怖いことに、道迷い中に遺棄されたストックや弁当ガラを見つけました。ここでは過去にも私と同様の道迷いが発生していたと思われます。そして同様に登る判断をしたと思われます。
今回のルートの中で編笠は易しい山だと甘く見てましたが、勢いに任せて登るとルートを外れることがあることを体験しました。
編笠に登られる際は、押し手川以降、2300m付近の急傾斜ではルートが前方左側であることを意識しながら登ってください。
さて、ルートに戻り山頂から青年小屋へ。遠い飲み屋で有名な青年小屋には乙女の水なるちょっとエロスを感じさせる水場があります。3分ほど歩いて水場で乙女成分を補充。
青年小屋から権現岳はギボシの登りから南八つ特有の岩稜歩きになります。楽しみながらガンガン登り権現岳へ。なお、権現小屋は店じまいしてました。
特徴的な岩と山岳信仰の山として本来は権現岳が八ヶ岳だったのでは?説もあるそうです。そんな権現岳からキレット方面へ北上。ヘルメットを被ったら、かの有名な61段バシゴを下るところから核心部スタート。下りながら段数を数えるの忘れてました。
キレットまではアップダウンを繰り返しながら岩場を進みます。落石と滑落に注意。
旭岳とおぼしきピーク直下を横切りツルネとおぼしきピークには金属の道標。
出合小屋への道の分岐からみる景色は赤岳と阿弥陀岳ツートップが気持ち良く並んでます。さらに進むとキレット小屋へ。途中の岩場トラバースの鎖を渡りつつ、雪山だとスリングとカナビラあった方が良いなと思ったり。
キレット小屋で昼食。権現から歩いてて、集中力と注意力が散漫になってることにはっきりと気付きました。治りかけてた風邪がぶり返したのが原因かもしれません。ザックもやけに重く感じるはずです。
風邪気味の体調にシャリバテが合わさってるため、昼食後、普段やらない昼寝を15分ほどして体力を回復させます。
何だか変な夢を見た気がしますが体調が良くなったので、赤岳へ登ります。
赤岳南側斜面は遠目に見ると大変そうでしたが、意外と楽。核心部と言われてるルンゼもおとなしめで、鎖を使う必要の無い場面も多い。北穂ー奥穂のチムニー状ルンゼに比べれば易しいもんです(例えが極端)。
途中冬山装備の訓練登山してるパーティーと話しつつ真行寺分岐から赤岳直下へ着くと文三郎ルートと合流し、10ヶ月ぶりの赤岳さんにご対面。相変わらず人多し。
写真を撮ってさらに北上を目指します。この時点で13:40。体調も良くなったし、当初予定どおり日暮れまでにオーレン小屋まで行けるかも?な時間帯。
そんなタイトなスケジュールの中、赤岳天望荘への下りでまたもアクシデント発生。
無線の声が聞こえるなと思ったら前方の登山者からその場に止まれとの指示。聞くとレスキューヘリが来るとのことでした。どうやら男性が滑落か何かで外傷を負った模様。
ヘリが来たものの要救助者がいる場所が斜面沿いのホイストが難しい場所のようで、隊員を一人下ろして要救助者をホイストしやすい場所へ担いで移動(けがの場所の写真撮影)。その後ホイスト成功、という一部始終を見ることになりました。
移動の際に要救助者が「痛い」と声を上げてたので、意識はしっかりあったようでした。
と、「岳」の世界さながらの流れを見ること40分。日陰で待機だったので体も寒くなり体調のことを考えて、地蔵尾根から行者小屋へ下ることにしました。そしてレスキュー現場見ながら思いました。やはり無事下山こそ最大の使命。
地蔵尾根をのんびり下り、行者小屋で毎度おなじみモンベルテントを立ててコーヒーと夕食タイム。横岳の夕映えが素敵な一日の終わりでした。
就寝では冬用に買ってみた空気マットを試しました。条件はグラウンドシート、銀マットは使用せず、モンベルのステラリッジテント1、空気マット、モンベル#3シュラフ。
仮説:普段使ってる2cmのウレタンマットは寝ると腰や背中がほぼ地面に接するため雪上で冷たい。一方、厚みのある空気マットの方が吸熱源から遠くなるので結果的に寒くないのでは?
結果:体感の寒さにあまり変わりありませんでした。
そもそもこの日の夜の冷えに#3が役不足でした。深夜に寒くて起きましたが、ダウンジャケットを着たら朝まで寝られたので及第点。
体が地面に接しないので局所的な冷たさは無いのですが、マット内の空気が冷たくなるので、全面がほどほどに冷たくなりますが、シュラフの厚さで対応出来ると思います。
岩の多いテント場では不向きですが、ウレタンよりコンパクト(容積 空気マット+シュラフカバー=2cmウレタンマット に相当)で100g軽いので雪や平原のテント場では重宝できます。
2日目 曇→雨
5:20頃にのろのろと起床。体調がだいぶ良くなっているのを実感。朝食、片付け、準備で7:40頃出発。昨日歩けなかった横岳、硫黄岳を歩きます。
地蔵尾根を登り横岳へ。ルート内容は備忘録に記載したので割愛。横岳で横岳ー!と言いながら写真を撮ってもらい、台座の頭につく頃にはおなじみ硫黄岳のそよ風を全身で満喫。優しそうな山頂してて強烈な風をお見舞いする硫黄岳、ツンデレ系山で大好きです。
「べっ別にあんたに登ってほしくなんかないんだからね!///」(風速15mの風よこしながら)
…さて、硫黄岳の看板で写真を撮りガスガスなのにがっかりしながら硫黄岳直下のルートを確認。これにて今回の偵察は全て終了です。夏ルートで赤岳鉱泉へ下山。
水を流し始めたアイスキャンディーを見ながら北沢ルートを下ります。部分的に凍り始めているので、そろそろアイゼンかチェンスパをザックに忍ばせた方が良いでしょう(今回新調したチェンスパは結局使わずじまいでしたが)。
石堤までついて、13:20のバスまで残り60分。さてどうするか?→走りました。
バスのために下山で走るのはあまり褒められたもんじゃないです。とは言え何とかバスに間に合いひと段落。美濃戸山荘〜八ヶ岳山荘の道は近道使いまくりでした。
マナー的にアレですし、危ないし、できればもう走りたくありません。
今回はいつもの「無事下山できて」とはなりませんでした。まさか編笠の登りで道迷いするとは…とショックを隠し切れない山行になりましたが命あっての物種。反省と今後のために顛末を余さず記載しました。あと、仕事が…と言い訳したくないですが体調管理は万全に(まずここからしてダメだった)。
と言うわけで、今回は無事下山ではありませんでしたがお疲れちゃんでした。
以下、冬八登山の偵察備忘録としてルートの確認。
観音平〜青年小屋
一本調子の登り。ルート方向を意識して獣道に注意。
青年〜権現
西ギボシの登りはアイゼンとピッケルで問題なし。東ギボシ直下のトラバースは注意。
権現〜キレット
権現から赤岳は横岳よりも難易度が上がるため実力不足であることを確認。歩く際はスリングカラビナ、ザイル推奨。
ハシゴの踏み外し。美濃戸側トラバース気味の下りが危険になると思われる。ピッケル刺して下りるよりも手足を使いながら下りた方が安全かも。旭岳〜ツルネは特に問題なし。キレット小屋前のトラバースが足下が狭く危険。スリングカラビナ推奨。
キレット〜赤岳
斜面にとりついてしまうと分岐近くまで安心して休める場所が無い。常に前歯とピッケルが刺さっていることを意識。ルンゼは雪崩に巻き込まれる可能性も考えるべき。
また、雪岩ミックスか雪が無い場面も考えられる。鎖が無い場所もあるのでザイルの使用も効果的。
真行寺分岐以降はやせ尾根気味の道とトラバースが続く。特に文三郎ルート合流手前のトラバースは、鎖があるものの足場が狭いのでここでもスリングカラビナを使用することが望ましい。
地蔵尾根
行者〜鉄パイプの階段までの樹林帯(20-30分)、階段の続く灌木地帯(10-15分)、岩場から手前の地蔵地帯(20-30分)、尾根の地蔵まで(10-15分)で構成。灌木〜手前の地蔵が急傾斜。登りの際は鉄パイプの階段下で装備を調える。注意すればピッケルアイゼンで十分可能。
横岳ルート(赤岳方面より)
二十三夜峰前後は清里側のトラバースが中心。鎖はあるが通過に問題無し。階段ハシゴあり。
二十三夜〜三叉
やはり清里側のトラバースが多いが、核心部的なトラバースが続く。また、美濃戸側にS字を書きながらトラバースする箇所が有り、ガス時は方向感覚が狂う。
トレースが少ない時はトラバース方向に注意(左右どちらからもいけそうな場所がある)。
三叉峰は杣添尾根分岐と合わさる三つ叉(だから三叉峰?)。山頂に標識はない。積雪時は気付かずに通過する可能性有り。
三叉〜横
無名峰あたりまで広めの道が続く。
1箇所、難所と思われる美濃戸側のトラバース(この区間か横〜台座のどちらか)。積雪時のトラバースは危険なため場合によってはピークを歩く可能性もある?要確認(ヤマレコで難しいトラバースと言われてる箇所と思われる) トラバース時に鎖をスリングとカナビラでつなぐことも視野に。
横岳直下は二段のハシゴがかかっている。
横〜台座の頭
横岳山頂から台座の頭までが核心部。直下のハシゴと鎖の2方向で、鎖の清里側は夏ルート。夏ルートはトラバースがあるため危険。ここではハシゴを使用する。
ここから先も下りながらの美濃戸側トラバースがある。
広めの広場が台座の頭で、ここから硫黄まで風が強くなる。道は広いので飛ばされないよう注意しながら歩けば問題ない。休憩できそうな箇所は硫黄小屋のくぼみかケルンの陰程度。休まず歩く方がマシ。
硫黄直下(ここについてはあくまでも私なりの感想です)
前冬から悩んでいた直下のルートを確認。
山頂直下のオベリスクを中心に美濃戸側とオーレン側の2ルートで美濃戸側は夏ルート。オベリスクの下で、1か所出っ張ったの岩の横をトラバースする必要があり、重装備での通過が困難。下りの際は岩の上を通過した方が安全かも? 3月に通過した時はやはり岩がザックにぶつかり滑落の危険を感じた。
オーレン側は大きな岩が多く夏ルートでは使用されないが、積雪時にトラバース箇所がなく安全。積雪時はトレースに迷わされずこちらを使用したい。12月は何も考えずこちらを使用したくらい登りやすかった記憶がある。
この硫黄直下のルート、実際どう登ってる人が多いんでしょうね。
コメント
この記録に関連する登山ルート

いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する