横尾〜北穂〜槍ヶ岳 キレット越えを小屋泊で廻る
- GPS
- 80:00
- 距離
- 41.8km
- 登り
- 2,452m
- 下り
- 2,443m
コースタイム
- 山行
- 2:25
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:25
- 山行
- 5:00
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 5:20
- 山行
- 7:35
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 8:35
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:上高地→(シャトルバス)→平湯温泉14:30→(高速バス)→18:27中央道日野 平湯温泉⇔上高地のシャトルバスは30分間隔で運行、所要25分、料金は1160円。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・登山届は上高地バス停有料トイレ脇のポストに提出。 ・涸沢から北穂高岳への登りは、「南稜の取付」から鎖が出てくる。 ・キレットは言わずと知れた難所であるが、鎖やステップが設置してある。 ・槍ヶ岳への登りも同様。 ・落石対策はもちろんのこと、岩に頭部をぶつけることもあり、ヘルメットは必ず持っていきたい。 |
その他周辺情報 | 平湯バス停すぐ脇の「平湯の森」で日帰り入浴可能。宿泊施設もあり。 http://www.hirayunomori.co.jp/ |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
カメラ
サバイバルシート
ヘルメット
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感想
キレットを越えたい!
仕事や台風などで山に行く時期がどんどん遅くなってしまい、寒さが厳しくなったため、テントは諦め小屋泊での行程とした。
当初、上高地から岳沢小屋経由で前穂、奥穂、北穂、槍の縦走を考えた。しかし、週末の雨で稜線が凍結していれば自分の装備ではムリである。かなり悩み、まず横尾から北穂にいって様子を見ることとした。
初日は朝一の高速バスに乗車。これだと上高地到着は昼になる。
上高地からの道中、テントを背負った方々と多くすれ違った。そういえば今日は日曜日。皆さん明日から仕事か‥。3時間ほどで横尾小屋に到着した。
ここには風呂がある。宿泊者も少なく、のんびり風呂に浸かることが出来た。夕食の際、涸沢の往復を考えておられるご婦人の隣となった。よく考えてみると、横尾の標高は約1600mで涸沢は約2300m、標高差700mは結構な登りである。数年前に怪我をされて久し振りの山とのこと。道中の無事を祈った。
二日目は5時の出発。当然あたりは真っ暗。突然の物音にビクっとすること数回あったが一体何だったのだろう?
沢筋を登っていると北穂高岳山頂付近の灯が見えた。今日の目的地の北穂高小屋の灯である。なかなかの標高差に気を引き締める。3時間弱で涸沢に到着。有名なテン場であるが、さすがに紅葉が終わり平日ともあってテントはまばら。
ここから北穂への登りとなった。前穂の「ゴジラの背」を横に見ながら単調な登りをこれでもかと進む。「南稜の取付」からは岩場となる。単調な登りから解放されて岩場や鎖場をグイグイ登るが、それと同時にガスがモクモクと上がってきてあっという間に周囲が見えなくなった。テンションダダ下がりである。最後はバテて北穂山頂に立つもガスと寒さですぐに小屋へ入った。
この段階で、今日はここに泊るかキレットはあきらめて涸沢に下るか判断に迷う。小屋のオーナーから、「昨日と今日の晴れ間で氷は溶けている。『エビのしっぽ』も飛んでコンディションは良い」との話を受け、今日はここに泊り明日キレットを越えることとした。
景色も見えず眠っていたが、ふと眼を覚ますと青空が。あわてて外に出ると、常念岳方面は快晴となっていた。下りなくて良かった。
この日は6人が宿泊。どの方も個性的な方ばかりで、15:00頃から夕食をはさんで20:00頃までヤマ談義に花が咲いた。こんなにたくさん話をしたのはいつ以来だろう‥。テント泊違い何とも言えない一体感。小屋泊まりも結構いい。
三日目、期待通りの朝焼けからのご来光。周囲の山が徐々に赤くなっていく様は見事の一言。やっぱここに泊ってよかった。
涸沢に下る5名の方と別れ、自分はキレットに向かった。まだ若かりし25年ほど前に職場の上司に連れられ、怖さもわからず南岳から北穂のルートを辿って以来である。とにかくひたすら急な斜面を下る。ザレた部分が多数あり、下から人は来ていないが、石を落とさないよう慎重に下った。A沢のコルまでが一番怖かった(「飛騨泣き」はどこかわからず)。
ここから長谷川ピークまでは登り中心となった。鎖やステップが取り付けられており、慎重に進めば大丈夫。前回はわからず通過してしまった「長谷川ピーク」を今回はしっかり確認した。
ここからは稜線を外れる部分もあり、それほど怖さは感じず、ほどなくして「最低鞍部」に到着した。荷物を置き来た道を振り返る。結構頑張った。その後は南岳への登り。北穂からの下りに比べれば上を見ていく分怖さはない。最後は少しばてるも「獅子鼻の頭」に到着。キレットの全景が見える絶景ポイントである。
ここから先は中岳の取付きまで「稜線上の散歩道」。周囲の景色を満喫しながら足取りも軽く進んだ。中岳、大喰岳、槍の小屋と3度の登りは結構堪えた。
槍ヶ岳は2年前に続いての登頂。頂上では思いっきりの晴れ!しかも風もなし。360度の絶景に終始言葉を失う。本当に来てよかった。
槍の小屋に戻ったのが12:50頃。明日の天気は朝から朝から昼まで雨の予報。濡れたガレ場を歩くのも怖いので今日はがんばって槍沢ロッジまで歩くことにした。途中天狗原分岐付近で韓国人の青年と日本人の壮年男性に会った。韓国人青年は槍ヶ岳山荘に向かう予定が道を間違えて天狗原方面に向かっていたとのこと。壮年男性に会わなければ南岳小屋も閉まっているし遭難の危機であったはず(地図も持っていなかった)。
長い下りに足がガクガクしていたが、惰性で槍沢ロッジに到着。ここにも風呂がある。なんと3泊中2回も風呂に入れるなんて贅沢な!風呂上がりはご褒美の生ビール。今日は本当に良くがんばった。
四日目、天気は晴れ。槍の山頂でご来光が見えたかもと後悔するも、ゆっくり温泉につかり、早いうちに帰宅できると気持ちを切り替えた。上高地まで晴れた道を進むのは意外に気持ちが良い。山ではどうしても下を向きながら歩くが、ここは岩も小石も木の根もない平坦な道なので上を向いて歩いても平気。散策とはこういうことを言うもんだなどと思いながら上高地まで歩いた。
「平湯の森」では、1時間以上かけて温泉に浸かり山の疲れをいやすことができた。
懸念された天候の崩れもなく、前穂と奥穂には行けなかったが、キレットや槍など岩場の楽しさ(怖さも含む)を充分に堪能できた。また、おいしいご飯をおなかいっぱい食べることができ、ヤマ仲間との楽しいひと時を過ごすことができた。これ以上いうことがない充実した山行であった。
下山後、「西穂から奥穂を歩いてみたい」との妄想にかられている。
※ ほぼ全行程でAUの携帯が通じた。充電可能な山小屋もある。北アルプス恐るべし。
ashiriiです。
10月の冷たい空気、尖った岩や稜線、そして緊張感も伝わってきて、良いなぁ、と思いました。
10月中旬に大キレットとは、、、と心配しましたが、小屋のオーナーからのアドバイスだったんですね。山は行って見ないとわからないことが沢山あると改めて思いました。
お天気に恵まれ、北穂高小屋も楽しかったようで何よりでした。
ashirii様
コメントありがとうございます。
正直、北穂からの稜線歩きはあきらめ、三日目:北穂→涸沢→穂高岳山荘(泊)、四日目:奥穂→前穂→上高地にしようと思っていました。情報収集ができる山小屋の価値を再認識した次第です。
妙義山、八海山、直近の鳥甲山など、数々の岩場に行ったおかげで恐怖感をそれほど感じずに済みました。
またやりましょう。
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