百名山完登の山旅 薬師岳・黒部五郎岳・水晶岳
nabekuni
- GPS
- --:--
- 距離
- 54.7km
- 登り
- 4,352m
- 下り
- 4,620m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 3:45
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 4:35
- 山行
- 10:50
- 休憩
- 3:05
- 合計
- 13:55
- 山行
- 8:15
- 休憩
- 2:40
- 合計
- 10:55
| 天候 | 7/31：曇り時々雨、8/1：曇り時々雨一時晴れ、2：曇り時々雨一時晴れ、3：曇りのち雨時々晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2011年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
|
| その他周辺情報 | 平湯バスターミナルの温泉 |
写真
拍手
広い3列シートのリラックスワイドは前方の3列8席のみ。キャノピー、レッグレスト、フットレスト、枕付き。しかし、トイレが無いのはいただけない。(三芳PA、松代SA、有磯海SAでトイレ休憩)
バスは途中3回のトイレ休憩をとりながら、定刻より5分早い5:45に富山駅北口に到着。折立行きバスは南口から出ているので、地下道で南口へ。
有峰湖を見下ろす展望台でも小休止。北陸電力・有峰ダムは昭和35年に完成した高さ140m、長さ500m、最大貯水量2.2億立方メートルで富山県では黒四ダムに次ぐ大きさらしい。
昭和38年1月に三八豪雪に遭遇し、猛吹雪と寒気のため遭難死した愛知大学山岳部13名の慰霊碑。
昭和38年1月に三八豪雪に遭遇し、猛吹雪と寒気のため遭難死した愛知大学山岳部13名の慰霊碑。
標高2,133m、太郎平まであと2.5kmのベンチ。チェックのシャツのお二人とはバスでも三角点でも一緒だったが、この後もしばしばお会いした。小雨、気温19℃。
2,330mの太郎兵衛平に建つ太郎平小屋(150人収容、8,800円)。折立から休憩込み約4時間で到着。コースタイムは5時間なので快調！
2,330mの太郎兵衛平に建つ太郎平小屋(150人収容、8,800円)。折立から休憩込み約4時間で到着。コースタイムは5時間なので快調！
薬師峠のテン場。左の建物はキャンプ受付の小屋。大きなエスパースのテント5張は真岡女子高ワンダーフォーゲル部のもの。キャパは100張。
テン場のトイレもとてもきれいなバイオトイレ。しかも洋式なので筋肉痛の脚にも優しい。もちろんペーパー付き。足踏みポンプの水洗式だ。
テン場のトイレもとてもきれいなバイオトイレ。しかも洋式なので筋肉痛の脚にも優しい。もちろんペーパー付き。足踏みポンプの水洗式だ。
計画では今日、薬師岳を往復する事にしていたが、雨が降っているし明日の晴天を期待して、今日はこれまで！ 明日が大変だけど・・・今日のビールは贅沢なサントリー・プレミアムビール。竹内結子さんを想像しながら1人ビール。
今日のビールは贅沢なサントリー・プレミアムビール。竹内結子さんを想像しながら1人ビール。
計画では今日、薬師岳を往復する事にしていたが、雨が降っているし明日の晴天を期待して、今日はこれまで！ 明日が大変だけど・・・今日のビールは贅沢なサントリー・プレミアムビール。竹内結子さんを想像しながら1人ビール。
今日のビールは贅沢なサントリー・プレミアムビール。竹内結子さんを想像しながら1人ビール。
今日の夕食は、α米のおこわ、ツナ缶、豚汁、と至ってシンプル。ソロの縦走なので、軽量化重視の食料計画だ。ηパワーの燃費はやはりスゴイ。今回3泊6食分の炊事で消費したガスは僅か40g！ 110gカートリッジでも十分だ！
ηパワーの燃費はやはりスゴイ。今回3泊6食分の炊事で消費したガスは僅か40g！ 110gカートリッジでも十分だ！
今日の夕食は、α米のおこわ、ツナ缶、豚汁、と至ってシンプル。ソロの縦走なので、軽量化重視の食料計画だ。ηパワーの燃費はやはりスゴイ。今回3泊6食分の炊事で消費したガスは僅か40g！ 110gカートリッジでも十分だ！
ηパワーの燃費はやはりスゴイ。今回3泊6食分の炊事で消費したガスは僅か40g！ 110gカートリッジでも十分だ！
朝食というより完全に夜食の時間帯。今日は長丁場なので、1:15起床、3分で食べられるマジックパスタで腹ごしらえ。外はガス、外気温13℃、テント内15℃。
軽量化のため野菜も果物も持って来なかったので、代わりにサプリメントで補う。ビタミンB,C、マルチミネラル、アミノ酸、さらに正露丸も飲む。
3:10に薬師峠を出発してから約14時間(正味10時間50分)でようやく到着。さすがに疲れた。三俣山荘まで行く気力は残っていなかった。
三俣山荘のトイレは素晴らしい！ 白木作りの水洗で消臭元付き。しかも窓からは鷲羽岳が見える。テン場にトイレは無く、全員このトイレを使用する。
三俣山荘のトイレは素晴らしい！ 白木作りの水洗で消臭元付き。しかも窓からは鷲羽岳が見える。テン場にトイレは無く、全員このトイレを使用する。
テントを設営し、水晶岳往復に出発。コースタイム7時間20分のハードな行程だ。休憩無しでも帰りは17:30！明るいうちに戻れるか？
子供会の遠足で筑波山に登って以来46年かけてついに完登！
外はガス、テント内12℃。
標高2,300m、100人収容、1泊2食付き8,800円。テン場が無いのが残念。
久々のソロキャンプ縦走はきつかった！ でも百名山完登を果たして充実のゴ〜ル！
14:55発の濃飛バスで平湯に向かう。平湯まで約35分、運賃は870円。荷物入れは無いので、満員だと大きなザックは困ってしまうが、今日は満員ではない。
こちらは華やかでとても賑わっている。新穂高温泉とは大違い！
新穂高から電話で予約した新宿行き高速バスのチケットを購入。新宿まで5,700円。16:35の発車まで1時間あるので3階の温泉で汗を流す。
夕食のお弁当はみやげ店で買った「ます寿し、かに寿し、さば寿し、たい寿し」のセット。バスはトイレ付きなので、ビールを飲んでも安心！
途中諏訪湖SAで20分の休憩があった。
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図（地形図）
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
|
|---|
感想
7月31日 曇り時々雨
君津1956-新宿23:25-0:10三芳PA 0:30-2:40松代SA 2:55-4:55有磯海SA 5:15-5:45富山6:10-
6:55アルペン村7:05-7:45有峰ダム7:50-8:10折立
折立8:55(1:25)10:20三角点10:35(1:00)11:35あと2.5km11:50(1:00)12:50太郎平小屋13:10(20)
13:30薬師峠(計3:45)
朝から山行の準備と荷造り。荷物は水を2�汎�れたとして約23kg。4〜5日のソロキャンプにしては少ないほうだ。食材は極力軽量化したので、嵩も少ない。タマゴ、キュウリ、ソーセージ類も取りやめ、フライパンも置いていく。
天気は少し悪い方にズレて、8/2に雨マークが出ており、水晶登頂予定日なので少し心配だ。
ウィラーと富山地鉄に電話で問い合わせたが、大雨などによる障害は無いとのことだった。
君津駅19:56発のアクアラインバスで東京へ。雨は降っていないが雷が光っている。
東京は本降りの強い雨。ウィラーのバスターミナルは新宿西口・住友ビルの1階にある。夜の超高層ビルはほとんどのテナントが閉店しているが、ウィラーだけが煌々と明るく、人がたくさんいる。すごい人気だ。23:20発の富山行きの発車まで約90分ある。
受付カウンター横に小さな売店があるが、品数が少ないので最寄りのコンビニを教えてもらい 、隣の三井ビル・地下1階のミニストップへ。ビールとつまみ、夜食と明日の朝食用のおにぎりを買うが、好みの赤飯おにぎりが無くて残念。ざるそばも買って出発前の夜食にした。
出発の1時間前からチェックインが出来る。予約と支払いはネットで済んでいるので、バーコードをかざすか、予約番号を入力すると、レシートのような乗車券が出てくる。
出発の10分前に搭乗ゲートを通ったが、ドアの向こうにバスがいると思いきや、広場を通り抜け階段を登った所がバスがズラリと並んだ出発場所だった。
富山行きのバスは東京ディズニーランド始発で、既に大半の席が埋まっている。
バスは前方の3列だけが3列シートだが、3列目は真ん中の席が無いので、8席分がデラックスワ イドで、その後方は4列シートのミックスだった。私の席は2列目中央だが、前は乗務員席、後には座席が無いので気兼ねなくリクライニング出来る。キャノピー、レッグレスト、枕が付いていてなかなか心地よい。がしかし、このバスにはトイレが付いていなかった。当然あると思っていたが、途中3回トイレ休憩するとのこと。う〜ん、ビールは飲みたいが・・・・ やっぱり飲もう。
休憩は関越の三芳PA、上信越道・松代SA、北陸道・有磯海SAの3回とのこと。
5:45定刻より少し早く富山駅に到着。途中の各パーキングで15〜20分の休憩があった。トイレの他に夜食を食べたりもできる。
バスが着いたのは富山駅北口。一角にコンビニがあったので朝食と行動食用におにぎりを購入する。昨夜新宿で買ったのだが、バスの車内は結構暑かったので、傷みを心配して廃棄した。
折立行きのバス停を探したが、見つからない。バスは南口から出るのだ。長い地下道を通って南口へ行くと、折立行きのバスが待っていた。予約制の直通バスで所要時間は2時間、運賃は3,400円。バスは普通の路線バス風だが、荷物室があるので大きなザックは預けられる。
6:10出発。乗車率は70%くらいで、全員が登山者だ。池上彰似の車掌さんが同乗し、乗車券を売ったりしている。
途中「立山あるぺん村」というドライブインで約10分のトイレ休憩。隣にコンビニもあるので、 朝食の調達はここでも可能だ。
富山地方鉄道・立山線の有峰口駅を過ぎると、突然急勾配の登りになり、どんどん高度を上げて行く。有峰湖の展望台では5分ほどの観光休憩もしてくれる。車掌さんは記念撮影のカメラマンもしてくれる。有峰湖は大きなダム湖で良い景色なのだが、今日はガスで展望が利かない。
8:10折立着。駐車場、キャンプ場、トイレ、休憩所があるだけで、売店・食堂・宿泊施設などの観光地らしき施設はなにひとつ無い。薬師岳への登山口なのだが、それだけなので、観光客は来ないのだ。でも登山者には大人気で駐車場は満杯だ。キャンプ場はサッカー場のように広いが 、無料で利用出来る。テントが2張だけあった。キャンプ場の水場には「生水は飲めません」とあったので、仕方なく自販機でアクエリアス500ccを2本買って水筒に詰めた。
のんびりと支度をしていたら、一緒のバスで来た人達は全員出発してしまい、自分が最後になってしまった。
8:55折立登山口を出発。出発時の天気は曇り、気温24℃。登山道はいきなりそこそこの急登が始まる。5分ほど登ると「十三重之塔」があるが、これは昭和38年1月に愛知大学山岳部の13人パ ーティーが薬師岳登山の途中で三八豪雪に遭遇し、全員が遭難死した大事故の犠牲者の慰霊碑なのだ。
同じバスで来た人達も含めて登っている人達はみな中高年だが、すれ違う下山者は若者が多い。なぜ？
10:20に1,870.6mの三角点で最初の休憩。ベンチがあって休憩にはちょうど良い。このルートにはところどころにベンチがあって便利だ。各ベンチには道標があり、折立や太郎平小屋までの距離が記されているが、それだけでなく「太郎平まで4.2km ガンバレ！」や「折立方面木の根多し スリップ注意」など励ましや注意の言葉が書かれている。各道標ごとに違うコメントが記されていて、作った人の気持ちが伝わる。
三角点までは雲は厚いものの空は明るく、雨は降らずにすむと思ったが、三角点の先のベンチ あたりで雨が降り出してしまった。カッパを着ると暑くてたまらないので、ザックカバーを着けて、傘をさして歩いた。雨粒は小さく、風も無いのでこれで十分だ。
雨は降ったり止んだりで一時は本降りになるも長くは続かない。
三角点〜太郎平小屋の間には0.5〜1kmおきにベンチがあり、休憩がしやすい。
三角点から先は森林限界を超え、お花畑が素晴らしい緩やかな尾根道になる。ガスが無ければさぞかし楽しいだろう。
12:50太郎平小屋に到着。折立〜太郎平小屋はコースタイム5時間だが、休憩込みで4時間、正味で3時間25分だったので、なかなか良い調子だ。
太郎平小屋は150人収容のかなり大きい小屋だ。雨が降っているので軒下のベンチで雨を避けながら休憩。小屋の横に水場があり、冷たくて美味しい水が流れている。周りはお花畑。水場の先の小屋の裏手には綺麗なバイオトイレがある。
太郎兵衛平は薬師岳、黒部五郎岳、雲の平への分岐点となる要衝だが、なかなか居心地の良いところだ。売店でビールを買おうとしたら、テン場でも売っているとのこと。キャンプの受付もテン場で行っているという。受付テントでもあるのだろうか？
テン場のある薬師峠は小屋から薬師岳方面に20分ほど行ったところにある。鞍部のちょっとした開けた場所で、ヤマケイのデータブックによるとキャパは100張とのことだが、せいぜい50張くらいの感じだ。
13:30に到着したが、すでに15張くらいのテントが張られている。ブロック造りの小屋があり、キャ ンプ受付とビールやジュースを売っている。幕営料500円を払い、広くて平坦な場所を探してテ ントを設営した。
テン場から少し下ったところにトイレと水場がある。ここのトイレも小屋と同様にとても新しく 綺麗なバイオトイレだ。洋式と和式があり、足踏み式の簡易水洗になっている。今日はなんともないが、足が筋肉痛のときは洋式トイレが嬉しい。
水場の水はとても冷たくて美味しい。水筒や水ボトルに水を入れると水滴が大量に付いて周りを濡らしてしまうほどだ。
管理小屋でビール(\500)を買う。なんとプレミアムモルツだ。テントに戻って飲み始めると、 本降りの大雨が降り出し、遠くでは雷鳴が轟いている。
16:00頃に雨が上がった。テント内15℃でTシャツの上にフリースを着ても少し寒い。
今回は軽量化の為フライを持って来なかったが、雨に関しては全然問題無い。しかし、前室が無いので雨が降っていなくても入口の開閉時に水滴がテント内に落ちてくる。雨が降っている時の出入りではさらに大変。1人なので入口付近を広く空けられるのでなんとか凌げるが、やはり少々重く嵩張ってもフライはあった方が良い。
17:00〜夕食開始。0.6�箸里�湯を沸かすが、1分も掛からずに沸騰する。さすがにηパワーだ 。夕食は五目おこわ、ツナ缶、豚汁。ソロ縦走なので手の込んだメニューは作れないが、そこそこ美味しい。〆はコーヒー。
食後18:00過ぎに外に出ると東南方向に青空が見えた。明日は晴れて欲しい。
小屋の人によると明日は良い天気になるかも知れないが、8/2は雨の予報とのこと。
テントの数を数えると全部で23張。その中にスーパーフライを付けたエスパースの6〜7人用テント5張があった。栃木県の真岡女子高校ワンダーフォーゲル部のものだ。
総勢25名の夏合宿だ。トイレや水場で部員たちと何度も会った。トイレ入口のベンチで天気図を書いている子もいた。なかなかしっかりしている。
後で調べて判ったのだが、真岡女子高WV部は毎年のようにインターハイに出場している強豪 校らしく、県大会では今年10年連続10回目の優勝を飾っている。
当初計画では今日薬師岳を往復することにしていたが、雨のため明日朝早くに登ることにした。
往復約5時間なので、明日は12時間以上の行動時間になる。1:30起床、3:00出発とし、19:00に就寝。テント内は15℃。
8月1日 曇り時々雨一時晴れ
薬師峠3:10(1:35)4:45薬師岳山荘4:45(40)5:25薬師岳5:40(35)6:15薬師岳山荘6:20(50)
7:10薬師峠8:30(1:10)9:40 ? 9:50(1:00)10:50北ノ俣岳11:05(40)11:45赤木岳11:45(25)
12:10 ? 12:20(55)13:15 ? 13:35(55)14:30黒部五郎岳14:50(1:10)16:00 ? 16:10(55)
17:05黒部五郎小舎(計10:50)
1:15起床。テント内15℃。外気温18℃。外はガスに包まれている。Tシャツにフリースと夏用羽毛シュラフでちょうど良かったが、シュラフから出ると少し寒いのでライトダウンを着る。
朝食は素早く3分で食べられるマジックパスタ。今朝はペペロンチーニ。食後はコーヒーを飲み 、さらにサプリメントを飲む。サプリは今回初めてだが、食料が簡素になる分の栄養補給を考えて、ビタミンB、ビタミンC、ミネラル、アミノ酸、さらに正露丸を飲んで準備万端！
1:50食事完了。3:10出発。まだ真っ暗だが、真岡女子高は撤収作業をしている。今日はどこま で行くのだろうか？
真っ暗な中、ヘッドライトの灯りを頼りに山道を登る。やがて谷筋の道になると、ルートが不明確になり、ペンキマークを探しながら慎重に登るが、何度かルートを外しそうになる。明るければなんてこと無いはずだが、視野がヘッドライトが照らすところに限定されるので、地形やマ ークを把握しにくいのだ。
薬師岳山荘の15分くらい手前で稜線に出るといつのまにか空には満天の星が輝いている。北西方向には富山市街の灯りが良く見える。反対の南東側には槍・穂高が綺麗に見える。
このまま天気が回復すると思いきや、薬師岳山荘に着いた頃には再びガスに包まれてしまった。 薬師岳山荘は昨年8月に新装オープンした、新しくて綺麗な小屋だ。
小屋の少し上に愛知大の遭難碑のケルンがあるが、この場所でルートを間違えて遭難したそうだ。
山頂から薬師岳山荘泊のパーティーが下って来るが、ガスで山頂は見えない。
5:25薬師岳山頂に到着。残念ながらガスで展望はゼロ。山頂には祠があり、中には薬師如来像が祀られているようだ。山頂には誰もおらず、誰も登ってこないので、三脚を立てて98座目の百名山登頂の記念撮影を行った。
下りは小屋を過ぎた頃からガスが切れて青空が見えるようになった。登るときには全く判らなかったすごいお花畑があちこちにあって目を楽しませてくれる。この頃になると下から続々と登ってくる。
薬師平の湿原付近ではすっかり晴れて、快適な夏山になった。ケルンのところで薬師岳山荘泊 まりの10人くらいのパーティーを追い抜いたが、このパーティーとはこのあと鷲羽岳まで何度も再会することになった。
7:10薬師峠に到着。薬師岳往復は正味3時間40分だったが、標準コースタイムは4時間50分なの で、空身とはいえなかなか快調だ！
テン場はほとんどの人が既に出発しており、テントは4張しか残っていない。晴れてきたのでひと休みしながら撤収していると、隣のテントの単独行の人が帰って来て撤収を始めた。新穂高温泉から入山し、黒部五郎岳と薬師岳を登り、今日は薬師沢・雲ノ平に向い、明日は水晶岳に登るとのこと。もしかすると水晶で再会するかも。
薬師平で追い越したパーティーが通り過ぎて行ったが、黒いウェアの女性が声を掛けていった。
8:30出発。やはりフル装備は重い。
太郎平から北ノ俣岳への登りはなだらかで広々とした湿原や草原が広がり、とても気持ちが良い。薬師峠を出たのが遅かったせいか、前にも後にも誰もいないし、誰ともすれ違わない。
北ノ俣岳は目立ったピークでもなく、とても地味な山頂だった。北ノ俣岳〜黒部五郎岳間では太郎平に向かうたくさんの登山者とすれ違った。
黒部五郎岳の直下、五郎の肩に荷物をデポして山頂往復しているパーティーがいたが、薬師平で会ったパーティーだった。薬師峠で声を掛けられた女性と言葉を交わした。
デポした方が楽だが、記念撮影をフル装備でするためにデポせずに山頂を目指す。
14:30黒部五郎岳に登頂。薬師峠から正味5時間5分。コースタイムは5時間20分なので、ほぼコ ースタイム通りだ。
誰もいないのでここでも三脚で百名山99座目の記念撮影をする。
山頂から肩まで戻り、カールに向かって降りていくと、雨が降り出し本降りになったが、傘で凌いでいるうちに約20分くらいで上がった。カールは岩と泥濘で歩きにくい。とても景色の良いところのようだが、ガスで全体感や周りの山が見えないので残念だ。
カールの出口付近で五郎平方面にきれいな虹が架かった。とても大きくクッキリとした虹で素晴らしい。
その後ガスが切れて向かい側に雲ノ平と雲ノ平山荘が見えた。その後方には薬師岳や水晶岳が見えるが、残念ながら山頂付近はガスで見えない。
17:05黒部五郎小舎に到着。黒部五郎岳からのコースタイムは1時間50分のところを正味2時間5分掛かってしまった。今日のうちに三俣山荘まで行こうと思っていたが、2.5時間掛かるので明るいうちには着けないため、今日は黒部五郎小舎止まりとした。
小屋の前のベンチには件の女性がいて言葉を交わした。薬師平、薬師峠、五郎の肩に続いて3度目の再会だ。
キャンプの受付をしてビールを2本買い、ベンチで1本目を飲んでいる最中に雨が降り出した。小屋の入口の土間でカッパを着て、小降りになったところでテン場に移動して設営した。
キャパ30張のテン場に12張が張られていたが、広くて平らな場所に張る事が出来た。設営中にまた雨が降り出し、設営が終わったあとに止んだ。
見覚えのあるエスパースのスーパーフライが5張あった。真岡女子高のテントだ。水汲みの途中で彼女達と話をしたが、折立から入山し、明日は双六泊まりらしい。若い子が大勢山に登るのは良いことだ。
外トイレは小1大2で大はポットン式、しかも紙が付いていない。まあ、ちょっと前までは山のトイレといえばこれくらいが標準だったので、気にならない。
テントに戻って夕食。今夜はカレー、ツナ缶、オニオンスープ。外はいつのまにか雨が降り出した。
今日の歩行距離はGPSによると20.4km、行動時間は3:10から17:05まで約14時間、正味の歩行時間が10時間50分、さすがに疲れた！
20:30就寝。外はガス、テント内14℃。Tシャツ＋フリースでOK。
8月2日 曇り時々雨一時晴れ
黒部五郎小舎6:40(1:15)7:55三俣分岐8:05(1:00)9:05三俣山荘10:10(1:00)11:10鷲羽岳11:20(45)
12:05ワリモ北分岐12:10(45)12:55水晶小屋13:00(35)13:35水晶岳14:05(30)14:35水晶小屋14:55(35)
15:30ワリモ北分岐15:30(55)16:25鷲羽岳16:40(55)17:35三俣山荘(計8:15)
2:00 昨夜から降り続いた雨が止んだので寝る前から我慢していたトイレに行く。あたりは濃いガスに包まれている。テント内10℃。その後雨は降ったり止んだり。
隣のテントの若い連中の声がうるさくてその後眠れない。早立ちの為に1:00や2:00から準備を始めるのは全然構わないが、話し声が必要以上に大きく、歌さえ大きな声で歌っている。まったく非常識な連中だ。
シュラフのなかで眠れぬまま4:00頃まで横になっていた。テント内10℃、雨は止んでいる。
今日は三俣山荘に幕営し、水晶岳を往復する長丁場なので、4:00か5:00には出発すべきなのだが、天気が悪いので今日は休養日にして三俣山荘止まりにしようか、水晶岳まで行くか悩むが、 とりあえず6時台に出発することにした。
5:00頃真岡女子高WVの一行25人が出発して行った。
出発の決心が遅かったので、朝食(エビピラフ)、撤収をして出発したのは6:40になってしまっ た。
小屋を出るといきなり急登が始まる。途中に分岐が3ヶ所あり、それぞれ直登とやや緩やかな ジグザグコースとの選択ができるようになっている。1つ目は急登を選んだが2つ目と3つ目は緩いほうを選んだが、展望は緩い方が良かった。登りの途中から見下ろすと黒部五郎小舎のある五郎平はなかなか素晴らしいロケーションだった。
急登を登り切るとなだらかな道になり、やがて三俣蓮華岳との分岐を過ぎ、雪渓を2回横切ると 三俣山荘に到着。9:05着、黒部五郎小舎から正味2時間15分掛かったが、コースタイムは2時間30 分なのでまずまずだ。テン場は小屋の手前の這松帯の中にある。キャンプの受付をしに小屋に行 くと件の女性とそのグループが休憩していた。これで4回目の再会だ。
受付を済ませてテントを設営。まだ9:00なのでテントは2張しかなく、水場に近い広くて平坦な一等地に設営した。
テン場にはトイレが無く、宿泊者もテントの人も小屋の中のトイレを使用する。トイレは白木造りのピカピカで、簡易水洗になっていてとても清潔だ。窓際の個室からは鷲羽岳が良く見える。 こんなトイレなら気持ちよくキジ撃ちが出来る。
テントでひと休みしてから10:10に出発。いきなりジグザクの急登になるが、荷が軽いので快調に登る。登りの途中から三俣山荘やテン場が良く見える。時々ガスが切れると黒部源流が見え る。黒部川の最初の1滴も見てみたいものだ。いつか雲ノ平と合わせて訪れたい。
山頂手前では火口湖の鷲羽池が綺麗に見える。
11:10小屋から約1時間で鷲羽岳に到着。百名山だが、1984.8.11以来27年振り2度目の登頂だ。山頂は大勢の人で賑わっているが、件の女性とまたまた再会した。これで6度目だ。
360度の大パノラマの山頂だが、ガスで何も見えない。
山頂で写真を撮っていると、単独行者に写真を頼まれた。なんとその人は昨日の朝薬師峠で隣のテントにいた人だった。お互いに記念写真のシャッターを押し合って別れた。
鷲羽岳を下り、ひと登りすると「ワリモ岳頂上」の標識があるが、全然山頂ではなく、かなり下の巻道だった。
ワリモ岳を過ぎてしばらく下ると雲ノ平からの道と合流する「ワリモ北分岐」に到着する。 ワリモ北分岐の少し先で雨が降り出し、カッパを着用する。
12:55水晶小屋に到着。27年前はかなり質素な小屋だったが、今は小さいながらも綺麗な小屋になっていた。
水晶岳は縦走路から外れており、小屋から片道30分前後の道のりだ。27年前は裏銀座縦走の際に小屋の前は通ったのだが、水晶岳山頂は踏まなかった。当時は百名山などまったく意識していなかったのだ。あのとき登っていれば、今回ここまで来ることは無かったのだが・・・・
水晶岳への道は前半はなだらかで、後半は急峻なイワイワでなかなかスリリングだ。35分ほどで山頂に到着。ついに百名山完登だ！ 小学生の頃に子供会の遠足で筑波山に登って以来、46年かけての完登である。感慨深い。ガスでなにも見えないが、それでも嬉しい！
記念撮影をしたいが、誰もいないし誰も登ってこない。しばらくすると、悪天候にも拘わらず、2人の女性が登ってきた。雨が降り出すなかシャッターを押して頂き、記念撮影。A4用紙に印刷してパウチしてきた「百名山完登 2011.8.2 水晶岳」のプレートを掲げて撮影した。
それから君津から持ってきたビールで乾杯した。
山頂で1時間ほど待ったが、ガスは切れないので下山開始。戻りは15:00過ぎという時間帯もありほとんど誰とも出会わなかった。ワリモ北分岐付近で4人くらいとすれ違っただけだった。
鷲羽岳山頂も無人だった。鷲羽岳からの下りのジグザグはいろは坂よりもカーブの数が多い！
17:35三俣山荘に到着。水晶岳往復に正味で6時間掛かったが、コースタイムは7時間20分なの で、まずまずだ。
小屋に着いて500ccのヱビスを買ったところで雨が降り出した。テントに入ろうとしてテント入口がビショ濡れになってしまった。やはりフライは必携だ。
テント場は10張ほどのテントが張られている。混雑というほどではないが、我が家の隣にはギリギリの間隔で張られていた。良い平坦地なので仕方がない。今朝設営する時に、隣に張れないようにする事も可能だったが、そんなことはしなかった。でもちょっと後悔！
テントに入ると朝には濡れていたテント内がそこそこ乾いていた。雨を警戒して締め切って出発したのだが、さすがにゴアライト！少しの晴れ間でも乾燥したようだ。
百名山完登をヱビスビール、赤飯、さんま蒲焼缶、なめこ汁で祝う。
天気予報は明日も曇りベースの不安定な天気だ。
今日の行動時間は8時間15分だったが、出発が遅かったし昨日の疲れもあるので、荷が軽かったものの結構しんどかった。GPSによる歩行距離は13.7km。
明日も結構な長丁場なので、2:00起床、4:00出発として20:30就寝。隣のテントからの鼾が強烈でなかなか寝付かれない。
8月3日 曇りのち雨時々晴れ
三俣山荘4:25(45)5:10三俣峠5:20(1:30)6:50双六小屋7:10(45)7:55くろゆりベンチ8:10(30)
8:40弓折分岐8:50(40)9:30鏡平小屋9:55(35)10:30シシウドヶ原10:40(2:05)12:45わさび平小屋13:05
(1:10)14:15新穂高温泉(計8:00)
新穂高温泉14:55-15:28平湯16:35-21:00新宿-東京21:40-22:35君津BT
2:00起床。外はガス、テント内12℃。
朝食はマジックパスタのカルボナーラ。3泊6食の食事で消費したガスは僅か40gだったので、 1食あたり6.67g。フリーズドライ中心の簡単メニューとはいえ、250缶(正味225g)で33食(16泊) まかなえる燃費だ。110缶(正味110g)でも16食(8泊)可能だ。2泊程度なら2〜3人でも110缶でOK だ。すごいぞηパワー！
撤収中に雨が降り出してしまった。小屋にトイレに行き、雨具を着けて4:25に出発。雨は本降り、あたりはまだ真っ暗だ。
テン場から少し登ったところに黒部五郎と三俣・双六との分岐がある。
本降りの雨のなか45分ほどで三俣山頂への登路と巻道との分岐点になる三俣峠に到着。計画では三俣蓮華岳と双六岳の山頂を結ぶルートで両山頂を踏むことにしていたが、疲れているうえ天気が悪いし新穂高に下山して君津まで帰るには時間も無いので、巻道をとることにした。初日に薬師岳に登れなかったことから、2日目の幕営地が三俣から黒部五郎、3日目の幕営地が双六から三俣へと1つづつ手前になってしまったので余裕のない行動になってしまった。天気がうらめしい。
三俣峠で休んでいると若い女性3人組が登ってきた。彼女たちは三俣山荘の夏山診療所をやっている岡山医大の医大生だった。
三俣蓮華岳を巻くと自動的に双六岳も巻いてしまう。双六小屋に着く頃には一部青空も見えて来た。こんな広い青空はこの4日間ででは初めてだ。
双六小屋のテン場とても広く平坦で、正面には笠ヶ岳が見えてなかなか良いところだ。次回はここに幕営したいものだ。
双六小屋からの登りの途中から青空が広がり、見晴の良いところからは槍・穂高が見えた。残念ながら稜線付近にはガスが掛かり、スッキリは見えないが、槍の穂先は見ることが出来た。
今回の山行4日間では薬師岳の登り途中の早暁の一瞬を除けば唯一の槍ヶ岳だ。
同じ頃、古川さん親子は槍ヶ岳に登頂していた。残念ながらiPhoneは圏外なのでお互いにどこにいるのか判らなかった。
双六小屋からわさび平小屋までの「小池新道」も折立〜太郎平と同様に随所にベンチがあってなかなか良いコースだ。しかも至る所に大きなお花畑があって目を楽しませてくれる。
双六小屋以降はへばったのと、足の痛み(親指の付け根と小指の先)でペースダウンし、コース タイムよりも時間が掛かる。
9:30鏡平山荘着。双六小屋からのコースタイム1時間40分のところ、正味で1時間55分、休憩込みで2時間20分掛かってしまった。
鏡平山荘の前には広いデッキにテーブルとベンチがたくさんあり、休憩しやすい。小屋の売店ではかき氷が売られているが、小さなカップで500円もするので断念した。
鏡平山荘では強い陽差しがあるものの槍・穂高は見えずに残念。明日100%晴れるのならここに 1泊しても良いのだが、天気の回復はなさそうなので、やはり今日下ることにする。
逆さ槍で有名な鏡池だが、槍・穂高はガスに隠れて残念！鏡池の前のデッキでは大勢の登山者が休んでいた。下からも続々と登ってくる。
鏡平からの下りは登ってくる人とのすれ違いが非常に多い。かなりの人気コースのようだ。道幅は比較的広く傾斜もそれほど急登ではなく、登りやすいルートだ。
途中、シシウドヶ原で休憩中に気付いたが、登山靴の踵の部分が一部剥がれてしまった。致命傷ではなく、実用的にも問題ないが、そろそろ更新か？
秩父沢を渡った後はとても立派な石畳が随所に現れるが、どうやって造ったのか不思議だ。
わさび平小屋の手前で林道に出る。広くて平坦な林道になっても足が痛いのでペースが上がらない。
12:45わさび平小屋に到着。鏡平山荘からのコースタイム2時間40分のところ、正味2時間40分、 休憩込みで2時間50分なので、へろへろのわりにはまずまずのペースだった。
わさび平小屋前のベンチでカップルがソーメンを食べているのを見て、自分も食べたくなり注文してしまった。冷たくて美味しい。
わさび平小屋から新穂高温泉まではほぼ平坦な林道だが、足が痛くてペースが上がらず、時速3kmくらいしか出せない。
大勢の登山者とすれ違うが、みな今日はわさび平小屋泊まりのようだ。
14:15新穂高温泉着。わさび平からコースタイム1時間5分のところ、1時間10分だった。へろへろの割には早かったかも。
蒲田川に懸かる橋を渡ったところでゴールの記念撮影。
今日の歩行距離はGPSで14.1km。4日間の合計は54.4kmだった。観光案内所でバスの便を聞き、16:55平湯発新宿行き高速バスを電話で予約。14:55の路線バスで平湯に向かう。
約40分で平湯のバスターミナルに到着。新穂高温泉はちょっと寂しい感じだったが、平湯はかなり賑やかだ。バスのチケットを買い、バスターミナルの3階にある温泉で4日ぶりの風呂に入る 。生き返ったが、鏡に写る自分の顔の伸びた髭が白いのにショックを受けた。体重は78.5kgで、 出発前より3.7kgも減量した。やはり夏のテント縦走は痩せる。
16:35発新宿行きバスは濃飛バス。トイレも着いているので、安心してビールが飲める。しかも40人の定員に対して乗客は10人なので、とってもゆったりだ。
途中諏訪湖SAで20分休憩し、心配した渋滞もなく定刻の21:00に新宿に着いた。
21:40のアクアラインバスで君津BTには22:35に着いた。 今回で百名山完登を達成したが、ずっと天気が悪く展望はさっぱりだったので、また行かなければならない。
また、今回の山行ではiPhoneは折立から新穂高温泉に着くまでず〜っと圏外だった。
途中の山頂や小屋で携帯で電話をしている人を何度か見掛けたが、docomoなら通じる場所があるようだ。前から考えていたが、やはり山用にdocomoの携帯が欲しい。0円携帯で電話のみなら980円で維持できると思うので、本気で考えてみよう。
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