薬師岳・黒部五郎岳・雲ノ平 ちょっと変わったコースをテント泊5日間 〜デジカメ忘れるわ、ザックは壊れるわ...〜
- GPS
- 100:35
- 距離
- 55.8km
- 登り
- 4,228m
- 下り
- 5,296m
コースタイム
8/12 5:30スゴ乗越〜6:30間山〜8:00北薬師岳〜9:00薬師岳〜12:00薬師峠
8/13 5:50薬師峠〜6:10太郎平〜7:55北ノ俣岳〜11:11黒部五郎岳〜13:15黒部五郎キャンプ場
8/14 5:20黒部五郎キャンプ場〜7:15三俣蓮華岳(30分ちょい景色堪能)〜8:25三俣山荘(弁当&ヘリ)〜9:35黒部川源流(休憩と水ガブ飲み)〜11:00日本庭園〜12:30雲ノ平キャンプ場
8/15 4:00雲ノ平キャンプ場〜6:25薬師沢〜9:05太郎平〜12:35折立
天候 | 初日ちょっとガスったが、後は最高の晴れ! |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
有峰口のバス停から、立山駅に向かう電鉄富山の駅まではちょっと歩きます。わかりにくいので、バスの乗員に行き方を訊いて下さい。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
越中沢岳からスゴ乗越に向かうルートは、途中道も悪く、かなりのアップダウンあり。 テント装備で立山方面から薬師岳に向かう際は、五色ヶ原で一旦刻むのがベストかと。 一気にスゴ乗越に行くのは結構ハードでした。 水場もないので、水は十分持って下さい。 黒部五郎のカールにある水場は飲めます。冷たくて美味いです。 ただし、雪渓の水なので、神経質な方は飲まない方が。 雪渓が枯れると水もなくなるかもしれません。 雲ノ平から薬師沢に向かう急登、はっきり言いいます、最悪です。 今までで一番ひどい道でした。 大石はゴロゴロ、木の根はうじゃうじゃ、苔むすは塗れてるはで滑る滑る。 雲切新道よりもしんどかった。 下りは転ばないように注意! 太郎平から折立に行く道、最後のほうに「折立まで30分」の標識ありますが、これは嘘です(笑) 45分かかりました。(疲れてるからペース遅いのもあるかも) |
写真
感想
長い長い梅雨が明けたと思ったら、思い切りの猛暑!
山も日中は暑かった! 夜と朝は寒いけど。
昨年は夏休み期間の天気は分断されていたが、今年はなんとずっと晴れ!
太陽マークが並ぶ並ぶ!
てことで、昨年より心に温めて来たロング縦走「黒部奥山めぐり、立山から入って立山に戻る、通称”馬蹄形縦走”」を実行に移そうと思い立つ。
この日のために、食料やら装備やらをチョコチョコ貯めて来た。
靴も買い替えた。
で、当日朝。
ちょっとトラブルもあり、出発が送れる。
立山駅についてみると。。。
「あ。デジカメ忘れた。。。」
そうです。
山行での自己満足写真を撮りたくて買った「Nikon V1」を忘れて来た。
ガチョ〜ン。。。(死語?)
一瞬、途方に暮れるもまさかここまで来て引き返すことも中止することも出来ず。
仕方ない、こうなりゃスマホのカメラで撮るしかない。
てことで、掲載の写真はすべてエクスペリアAXの写真です。
カメラ忘れの動揺から、始発のケーブルには乗れず。
結果、室堂を出たのは8時ちょうど。
初日の予定は、五色ヶ原をすっとばし、一気にスゴ乗越まで行く計画。
コースタイムで約9時間半。
20キロの荷物を背負い、はたして行けるんだろうか。。。
室堂から浄土山に向かうルートは道が悪いので、一ノ越経由のルートを取る。
五色に着いたのは12時丁度。
ジュースで喉をうるおし休憩。
さて、どうするか。
ここで泊まって刻むか、スゴまで行くか。
少々到着は遅くなるが、ここは行くと決断。
ところがこれが無茶な判断だった。
越中沢岳までは緩いアップダウンでペースも良かったが、そこから先はもの凄いアップダウン。
しかも道も結構悪いと来てる。
このルートを20キロの荷物では相当こたえる。
さらに、少しでも荷を軽くしようと思って水を1.5Lしか持ってなかったのも間違い。
暑さとアップダウンの激しさで、ものすごく喉が渇く。
だんだん水も心細くなり節約状態、時間もどんどん経過する。
体力もかなり浪費し、ヘロヘロ状態、ほとんど遭難に近い感じに。(^^;)
ようやくスゴのテント場が見えた地点からは、さらに大きなアップダウンが二つ。。。
倒れ込むように17時にスゴ乗越のテント場に到着。
ところが、30張り程度とただでさえ狭いテントはすでに超満員でスペースがほとんどなし。
周りの人にお願いして、ほんの少しのスペースに漸く張ることが出来た。
やはり、この日の計画は無理があったと多いに反省。
体力を過信し過ぎていた。
終日晴れていたからいいようなものの、もし普通の夏のように午後から雷雨なんかになろうものならひとたまりもなかった。
やはり、登山は早出早着が基本である。
と、思っていたら、18時過ぎに到着した二人がいた。
しかも、トレランスタイルである。
あれ? なんか見た事あるぞ?
なんと、2012年TJAR (Trans Japan Alps Race)2位 の阪田選手ではないか!
お話した方の話だと、魚津の海岸を出発し、早月尾根から剱岳、立山を経てここで一泊目だとか。
マジですか。
TJARのコースを練習中らしい。
一様にその場にいた人達は驚きのどよめき。
で、翌朝4時にはもういませんでした。(^^;)
いやぁ、無事に完走されたんでしょうか。(してるんでしょうねぇ。)
二日目。
この日は薬師岳越え。今日も天気が良い!
さて出発!とザックを担いで腰ベルトを締めると、
「バキッ!」
げ、腰ベルトが壊れた。
ベルトが繋がってるプラスチックの板が割れてしまっている。
そのため、腰ベルトがまったく締まらず、ほぼ全ての荷重が両肩に。。。
正直、テント泊ロング縦走の装備を両肩だけで背負うのはかなり辛い。
なんだかトラブル続きで気分はかなり萎えて来た。
さらにこの薬師岳、デカイのなんの、ずっと登り。
薬師岳は今回初めて。
いやぁ、いい山ですねぇ、ここは。
北アルプスも果てしなく見えるし、地元の白山もよく見える。
薬師峠のテント場に降りる道、途中、沢に入り込むがなんだかおかしい。
踏み後のようで違う。
どうやら道を外れてしまったらしく、登り返し。
テント場に着くと、埋まり始めてはいるが、平らな良い場所を確保。
この日の夜はペルセウス座流星群のピーク。
夜中に見上げると、大きな流星をいくつも見る事が出来た。
三日目
ザックも壊れたし、何より、初日の無理な配分から体力がかなりヘロヘロ。
この体力でこのザックではこの後の歩きは厳しい、ちょうどエスケープルートだし、ここから下山しようか。
太郎平にてしばし迷う。
よし、せめて黒部五郎まで行って、翌日はここまで引き返そうと決心し進む事に。
黒部五郎岳までは緩いアップダウンに見えるが、これまた結構キツいのである。
とどめの急登を登りきり、山頂。
これまた素晴らしい景色!
遠くに出発地点の太郎小屋も、これまで歩いて来たルートも全部見える!
萎えていた気持ちも少し復活! よく歩いたなぁ。
そして見えている黒部五郎小屋。
なんだ、もう少しではないか。
ところがこれがとんでもない勘違い。
ここからが遠い遠い。
黒部五郎のカールは大変美しい場所。
今年はコバイケイソウの当たり年。
水場では雪渓からの水で顔を洗いガブガブ飲む。
冷たくて最高である。
黒部五郎のテント場も、早めに着いたおかげで良い場所をゲット。
四日目。
肩だけで背負うザックにも慣れ、睡眠も十分に取れて気力も出て来たことから、結局引き返さず、雲ノ平まで行く事にする。
三俣蓮華岳山頂は思わず声が出てしまう景色!
槍穂から何から何まで全部、360度の大パノラマ!
動くのがもったいなくて、ここでしばらく景色を堪能。
写真を撮っていただいた方としばし談笑。
目の前には迫力ある鷲羽岳!
登りたい!
それに、黒部川の源流も行きたい!
当初は、三俣山荘に荷物をデポして、空身で鷲羽岳に登り、それから黒部源流に向かうつもりでいた。
が、体力がもう保たない。どっちかを諦めるしかない。
あと、雲ノ平のテント場の混み具合が心配。
ここは体力的にも時間的にも有利な黒部源流を選択。
まずは三俣山荘、山バッチと「黒部の山賊」を買おうとよって見ると、
カウンターにはお弁当が一つ、800円の札とともに。
「これ、売ってるんですか?」 「はい、売ってますよ〜!」 「く、下さい!」
ここのお弁当、イワナの甘露煮弁当で、一度食べてみたかったのである。
いやぁ、今まで食べた小屋弁当で一番美味しかった!
さて、黒部川源流、黒部マニアの自分に取っては聖地である。(笑)
ここがあの黒部川の最初のスタートかぁ、とありがたくその水をガブ飲み。
美味い、美味いぞ、黒部!
さて、ここから雲ノ平までの急登をヨレヨレ登り、憧れの雲ノ平に到着。
なんとかテントの場所を確保し、小屋に手続きに向かう。
そしたらなんと、朝、折立から登って来た山友のsakura0725さんとバッタリ!
行くよ〜!とメールは入ってはいたが、こりゃまた偶然。
sakura0725さんは、数日前に槍の北鎌尾根を征服したばかり。
手続き終わって一緒にテント場に向かうが、二泊テント装備のsakuraさん、空身の自分より歩くペースが早い。
いくらこっちが疲れているとはいえ、やはりこの方の健脚はハンパない。
sakuraさんはこのあと、黒部五郎岳を回ってから折立に下山とのこと。
本来の計画では、翌日はここ雲ノ平から、水晶岳、赤牛岳を経て、読売新道を通り、奥黒部ヒュッテに向かう予定。
ところがもう体力は限界。
やはりザックがこの状態では、肩の負担が大き過ぎ、この先のロングルートはもはや無理と判断。
翌日は折立へ戻るコースにすることを決断。
五日目
すでに馬蹄形ルートを諦めているので、この日は一気に折立まで行くか、もう一度薬師峠でテント張ってから下山するか。
折立からのバスの時間がわからなかったため、とりあえず4時に出発。
コースタイムで9時間、折立には13時くらいには着く予定。
これなら最終バスには間に合うかも?
暗い中を出発。
木道末端で登って来た人とすれ違い。
「今まで一番しんどいてひどい登り道でした。」とのこと。
はい、ハッキリ言います。
雲ノ平-薬師沢間のこの急登、最悪です(^^;)
自分の中でも、今まで一番酷い道でした。
デカイ石がゴロゴロ積み重なり、しかも苔で滑るのなんの。
裏剱で通った雲切新道もしんどかったが、滑る分、それ以上である。
転ばないように神経を使いっぱなしだったせいか、下りだと言うのに汗だく。
やっとの思いで薬師沢に到着。
ここは綺麗な沢だなぁ。
さて、ここからは太郎平への登り返し。
今まで下ったのはなんだったのだ?(笑)
太郎小屋に着いたのは予定よりやや早い9時半頃。
小屋で折立からのバスの時間を訊くと、14時が最終とのこと。
うん、十分間に合う。
ここは一気に折立まで降りることにしようと進む。
折立到着は12時半ちょい。
バスまで時間があるので、頭から水をかぶり、汗だくの服を洗って天日干し。
自販機のジュースをガブガブ。
生き返ったぁ!
バスの待ち時間、広島、千葉、そして自分と同じ金沢から来られた方々と談笑。
新穂高から入って来た方、上高地から槍ヶ岳を経て来た方、みなさん、凄いなぁ。
そういえば、今回のルートでは、ロング縦走の方々ばかり。
薬師峠から雲ノ平までずっと同じコースだったソロのテント泊の女性。
スゴ乗越、薬師峠で一緒だったややご年配の方は8日間の縦走とか。(高天原の温泉、どうでした?)
雲ノ平でテントが隣だった、S大学山岳部の3人は、13日間の縦走で、白馬大雪渓から入って、後立を南下し雲ノ平へ、最後は立山に抜けるとか。(無事、縦走完了したでしょうか?)
雲ノ平で談笑した、東京から来られたソロの主婦の方は折立から入ってきて、新穂高に抜ける予定。(ヤマレコ、楽しみにしてます!)
みなさん、ディープだ!
自分はまだまだですわぁ。
バスに乗って、有峰口で下車、そこからは電鉄富山で立山駅に。
本来の計画通りには行かなかったが、よく歩いたなぁと充実感。
最後は吉峰の温泉で、5日ぶりのお風呂。
ここで偶然、大日岳をピストンしてきた知り合いに会うサプライズも!
なんか、最初から最後まで色々あった山行だが、終止一貫してたのは最高の天気と素晴らしい星空!
このルートの稜線美は完璧な美しさである!
機会があれば、また来たいものだ。
ただし、越中沢岳〜スゴ乗越間はもうコリゴリかも。。。(笑)
次回はちゃんと五色ヶ原で刻みます!
ザックのハプニングの中これだけのロング縦走、おつかれさまでした
自分だったらデジカメ忘れた時点で、戻ってるかも(笑
でも単焦点だけで勝負できたから結果的には良かったのでは?
三俣山荘の弁当は美味いよね、随分以前に食べたとき、岩魚の甘露煮が秀逸で、小屋の人に「黒部のですか?」と訊いたら「いいえ養殖です(笑」
って、そりゃそうだ
甘納豆が入ってたような記憶があるなぁ、うまかったな
小屋泊まりの弁当用でその日余ったのを売ってたのかな、ラッキーでしたね
甘納豆は入ってなかったですねぇ。
小屋は中も綺麗でスタッフも明るい。
今度、鷲羽に再チャレンジするときは泊まりたいものです。
デジカメ忘れたのは、結果として邪魔にならず、時間ロスも少なく良かったのかも(笑)
トラブルが続く中での踏破、お疲れさまでした!
ワタシだったら、さすがにザックが壊れた時点で縦走は諦めていると思います(^-^;
ただこの期間、天気に恵まれていたことだけは幸いでしたよね。これで雨のなかの山歩きでしたら、さすがに心折れちゃいますよ(^-^;
とてもいい感じのお写真拝見させて頂きましたが、特に羨ましいのがやはり、晴れた五色ヶ原です。
今回一番楽しみにしていたところだったのですが、ワタシが訪れた時はほとんどガスの中でしたので。
やはり天気によってイメージがかなり変わってしまいますよね、ワタシも是非リベンジしたいと思いました(^^)v
いろいろありましたが、お互い無事に下山ができ幸いでしたね!
期間中、けっこうヘリを見掛けましたから、、、
では、失礼します(^^)
kamasenninさん、こんにちは!
ほんと、天気に恵まれましたね!
今年のお盆期間、ロング縦走された方は皆さん恵まれたようですね。
五色はのどかないい場所ですよ!
個人的には、雲ノ平よりも秘境感があるような。。。(^^)
リベンジはぜひ晴れた日を狙って行って下さい!
coral_reefさん。
東京からソロの主婦です
無事に終わられた様子、ロングトレイル、おつかれさまでした!
ザックのトラブルは大変でしたね!!
雲ノ平で伺った、スゴ乗越の大変さも驚きましたが、実はそんなトラブルもあって居るのだなんて、超然とした感じで想像もつきませんでしたよ〜!
蹄型は残念でしたが、coral_reefさんならいつか必ず、実現できると思います 。もちろん、五色を刻んで
私も、また必ずあの深い場所へまた行きます。
次回は室堂〜五色〜薬師・・とか
しかし、写真は携帯で撮ったとは思えない綺麗さですね〜
次回の山行は靴に続いて、NEWザックですか?
ますます、秋も楽しみですね
また、楽しみにしつつ、お邪魔させてもらいます。
miouさんこそ、無事に新穂高まで行かれたようで、お疲れさまでした!
ザックの壊れはちょっと致命的でしたけど、三日目には体がなれました(笑)
食材絞ってるわりには、いつも重くなるんですよねぇ。
いらないモノいっぱいあるんでしょうねぇ。(笑)
今回行けなかった鷲羽岳、水晶岳、赤牛岳は、そのうちリベンジです!
それまでには、ザックは買い替えじゃなくて修理かな?
またどこかでお会い出来ますように!
これからも良い山行を!
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