槍ヶ岳(燕岳〜表銀座コース〜上高地)
- GPS
- 96:50
- 距離
- 38.5km
- 登り
- 2,736m
- 下り
- 2,679m
コースタイム
2日目 4:45燕山荘-5:10燕岳5:20-5:45燕山荘7:35-11:35大天井ヒュッテ12:15-15:10ヒュッテ西岳
3日目 6:30ヒュッテ西岳-8:05水俣乗越-10:20ヒュッテ大槍10:50-12:10槍ヶ岳山荘
4日目 6:30槍ヶ岳山荘-7:10槍ヶ岳山頂7:20-7:55槍ヶ岳山荘8:25-10:30天狗原分岐-(途中で20分お昼休憩)-11:30大曲-12:25槍沢ロッジ12:55-14:10横尾山荘14:40-15:25徳沢園
5日目 7:45徳沢園-9:40河童橋10:20-10:40帝国ホテル12:05-12:20上高地バスターミナル
天候 | 1日目 くもり・晴れ 2日目 晴れ・くもり・雨 3日目 雨・晴れ 4日目 くもり・晴れ・雨 5日目 雨・くもり |
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過去天気図(気象庁) | 2009年08月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
※喜作レリーフ〜大天井ヒュッテまでの間に鎖場あり。滑落注意の看板。 ※ヒュッテ西岳〜水俣乗越、梯子の一番下の段から次の足場までが遠い箇所がある。鎖場も足場が取りにくいので慎重に。 ※東鎌尾根、低い枝にザックが引っかからないように注意。 ※槍ヶ岳山荘には公衆電話有り。 |
写真
感想
憧れの槍ヶ岳へ登ろうと決めたのは去年の夏の登山から帰ってきた直後でした。
母が31年前に表銀座コースを歩いており、いつかそこを歩いてみたいと思ってました。
母は来年で還暦をむかえるので、体力がある内に行ってしまおう!と思い、決めました。
いつもより多くジムでトレーニングし(特に登山とは関係ないトレーニングですが)、足慣らしに箱根の明神ヶ岳、近所の山などに行ったりして備えました。
荷物は極力減らしましたが、10キロちかくありました(> <)
8/5
5時起床、6時すぎに家を出て、あずさに乗って豊科駅10:39着。普通は穂高駅からタクシーを使うのだが、諸事情で豊科スタート。
タクシーの運転手の配慮により、酔わないようにゆっくり走ってくれたのだが、予定よりだいぶ到着時間が遅くなる…う〜ん…
中房温泉からの道は14年前に登っているのだが、記憶が曖昧であまり覚えてはいない…
コースタイムは別欄参照。
このコースは最初は急登だが、距離が短いのでそんなにきつくはない。最初だから体力もあるし、高度もそこまで高くないので…
途中にベンチが多いので、とても楽なコース。地上ではお目にかかれないような植物もよく目にするので、そのあたりも楽しみながら登っていただきたい。
合戦小屋ではやっぱりスイカ!
夜行で来て登る人には、山菜そばとかも良さそう。
この日はあいにく曇っていたので合戦沢ノ頭からは槍ヶ岳は見えず。
だんだんガスが出てきて、燕山荘ももやの中からうっすら見える程度。
燕山荘のすぐ下のあたりは崩れやすく落石も多いので、休憩禁止!だそうな。怖っ。
着いてすぐ、ケーキセットをいただき、外を見ると少し晴れてきたので外に出てみることに。遠くの雲はピンクに染まっていたが、だんだん曇ってきて夕焼けは見えず…
しかし夜、ほんのり外が明るい気がして外に出てみると、満月の1日前だったがまんまるな月が!!
雲海の上にもくもく上がってきた雲を照らして幻想的。怖いくらいに。
でもなぜかその時デジカメを部屋に置いてきてしまって撮れなかった(> <)
5分もしない間に、月は雲の中へ…
燕山荘は、トイレがとっても綺麗で全然臭くないです。おぉぉ。以前は完全にボットンだったのにっ。
室内が全て超綺麗。驚き。
8/6
4:00起床、外の天気を気にしながら支度する。
ガスってる…日の出は4:48だが、微妙。
とりあえず雨は降っていなかったので燕岳山頂に向かうことにする。
朝食時間はまだだったので、ウィダーインゼリーを飲んで4:45に出発。(遅い…)
花崗岩のオブジェが立ち並んでいるような山、燕岳。
山頂についたら少し霧が晴れ、太陽が顔を覗かせた。
一応、ご来光…ってことになるのかな。
西を見ると、向こうの雲が虹色に…
部分的に見えたブロッケンなのか、虹なのか…
この日はなぜか母の支度が遅くて…
7:00に出発の予定が、7:35に。
すっかり晴れたので、表銀座コースをたっぷり満喫。
気持ちがいい。
コースは緩やかで快適。お散歩している気分。(荷物は重いけど)
残念なのは、槍が穂先の先端部分しか見えなかったこと…(> <)
コマクサもいっぱい咲いている。しかし、もうシーズンは終わりかな…
大下りからは景色が変わる。
その名の通り、とにかく下る。
そんなに急ではないけれど。
途中、27人の団体さんとぶつかる。前を行くパーティだ。
前に通してもらえず、ここからペースを乱され、とっても疲れた…40分くらい、のろのろ登山。
そんなに大人数のツアーとかって、どうなんだろうか。
せめて10人以内にしてほしい(> <)
鎖場、梯子を下ると、喜作レリーフが目に留まる。とは言え、右上にあるので見逃す人もいるそうだ。
階段を登り、分岐を右へ歩く。団体さんとはそこでお別れ。
助かった…
ちょっと危険な鎖場もあるので、注意して歩く。
なかなか大天井ヒュッテが見えてこない。
私はバテかけていた…
大天井ヒュッテでお昼休憩をし、出発。ここは色々な道の分岐になっているようだ。30分くらいでびっくり平に出る。
曇ってて何も見えず、何がびっくりなのかがわからない…
情報では「ゆるやかな登り」とあったが、少し大きめの岩などもゴロゴロしている。
雨が降ってきてしまい、視界も悪く、今自分がどのあたりにいるのか、槍はどっちにあるのか!?全く分からない。
たまに沢の音が聞こえる…
びっくり平から約2時間半でヒュッテ西岳に着く。
何だかとっても疲れた…
夜、雨が酷くなってきてしまい、ますます槍は見えず…
たま〜に一瞬だけ、もや越しに黒い影が浮かび上がる程度だった。
8/7
朝から雨。
一瞬、雲間から太陽の光が現れたが、すぐにまたガスってしまい、槍もあまり見えない状態だ。
最初から雨なんて、ちょっと憂鬱。本当はずっと槍を見ながらの予定だったのに〜〜(> <)
ヒュッテ西岳を出ると、そこからひたすら下るコースとなる。
梯子の最後の段から下に足場が無くて困ったり、鎖場や、鎖もないけど結構つるっとしてるぞ!?という大きな岩場などを抜け、鞍部に出る。
水俣乗越と間違えやすい、ニセ乗越だろう。
両側が切れたっている。そこを抜けて少し登り、また下っていくと、水俣乗越の立て札が…しかし、字の書いてある部分が落ちている。
先にそこで休んでいたパーティが、右の下りの道を歩いていったので、槍ヶ岳への道を間違えるところだった!!
そのまま道なりに真っ直ぐ、が正解。
右(北)への道は、北鎌尾根に登る人などが利用する、一般ルートではない道らしい。左に行くと、槍沢へのエスケープルートとなる。
水俣乗越の先は、いよいよ東鎌尾根。
最初から結構急な岩登り。ここからだんだん険しさを増していく。
木の枝が低いので、荷物などに引っ掛けぬよう注意。
そして、勢いで登ると反対側に転落する危険があるので、足を引き上げるように登ること。
左がおおきくハゲてる部分では、手前から右に登るといいと思う(印がなかった…)
大きな緑色のウンチが落ちていたけれども、何の動物だろう…
木の梯子をいくつも登る。
そしてその後、ほぼ垂直の長〜い鉄梯子が待っている…
梯子の先の道は両端が崩れて切り立っている!
慎重に降りれば問題ないところだけど、なんとなく胃がザワザワするというか…
その後も大きな岩や梯子があるが、集中していれば問題なし。
ただ、ずっと雨だったのできつかったです。
ヒュッテ大槍で一服後、槍ヶ岳山荘へ向けて最後のアプローチ。
岩稜を抜け、トラバースしていく。
風が強くなり、体勢を低くして風が通り過ぎるのを待ちつつ先へ進む。
やがて楽な道になり、槍沢からの道と合流し、槍ヶ岳山荘到着。
それから夕方まで強い雨が続く。
キッチン槍で休みつつ、濡れた服を乾かしに。
夕食後、雲が晴れて槍がくっきり!!
槍ヶ岳の影や、今日のコース、常念岳、それから色々な山が見える!
しかし風は強い。
強風の中、頂上に向かう人もいた。
日が沈むころ、またガスにつつまれて、夕焼けは見られなかった。
槍もだんだん雲の中へ…
8/8
朝6時から、焼きたてパンの販売があるため、ちょっと前から並んでゲット。
販売直後に売り切れるという…
このパンはお昼ご飯に。
この日はたまに霧雨状態になっていたが、天気が回復するとの予報。
そして頭上はうっすらと青空が見え隠れしていたので、槍ヶ岳山頂を目指すことに。
最初は普通のガレ場のような道、そしてすぐに急な岩場になる。
手も使って登り、一瞬平らな場所に出る。
そこからは大きな岩盤で、どこに足をかけたらよいのか判断が難しい場所に…
その後、梯子もあったかな。そして鎖場では、足のかける場所の一歩一歩が遠くて届かない。滑ったら終わりだ。岩は雨や霧雨で濡れている…
風はあまりないが、雨はたまに降ってくる(> <)
途中、手足の届きにくいところで、"鎖を両手でつかんで登れ"というアドバイスをもらうが、本当は鎖は補助的にしか使ってはいけないらしいね。三点確保で!
ほかにも手足が届きにくい場所があった。鉄の杭に手をかけ足をかけ、つかみやすい岩を探しながら、足の置き場を決める。
最後に2本の垂直梯子を登って頂上へ…
う〜ん、何も見えない(- -;
かろうじて、鷲羽岳、水晶岳方面の山腹が見える程度。
槍ヶ岳山荘も霧でぼんやり見え隠れ…
ただ、雲と雲の切れ間から青空がのぞいていた事だけが救いかな。
今度は快晴のときに登りたいです!
さあ、あまりゆっくりもしていられないので、下山です。
登りより下りが怖い。
ちょっとでも足を踏み外したら真っ逆さまだ…
足場が見えづらいので、慎重に慎重に。
途中、登りの人が増えてきていたので渋滞していたが、まぁスムーズに降りられたかな。
降りたらガスが薄くなってきた。
がーん。
でもそこまで待つ時間がない。今日は下山しなければならない。
荷物をまとめて、下山開始。
天気は快晴。(えーーーっ)
岩でガラガラしている急な道を下っていく。
でも危険箇所はないので、とても楽。
縦走していたからか、足に負担もそこまで感じられない。
途中、播隆上人が槍ヶ岳登攀した際に使っていた岩屋がある。
坊主岩小屋、播隆窟と呼ばれている。(現在、新田次郎の「槍ヶ岳 開山」を読んでます。面白い。)
途中のお花畑にはイワヒバリが沢山!綺麗な声でさえずって、心が和みます…
雪渓の天然クーラーがありました!涼しいっ。
でも崩れてきたら怖い…
天狗原分岐を越え、大曲の手前あたりで昼食。
焼きたてパンはもう焼きたてじゃないけれど…
めちゃめちゃ美味しくて、ぺろりでした(^ ^)
槍沢ロッジ、横尾山荘で休憩しながら下る。
槍沢ロッジからはゆるやかな道。
この日のお宿、徳沢園に到着。
お風呂に入って、さっぱりした。
料理も結構豪華。
お部屋は綺麗。
でも布団がせんべい……(・・;
夜、激しい雷雨になった。
1時間くらいで止んだけど…この日はめまぐるしく天気が変わった…
8/9
朝、少し雨が降っていた。
平坦な道をトコトコ行くと、上高地でゆったりお泊りの観光客らしき人が増えてくる。
途中、鴨の親子に遭遇。
慣れているのか、50センチくらいのところまで寄ってくる。
誰か餌をやっているのか……?
河童橋でお土産を見た後、バスターミナルでバスの予約。
ザックを預けて、身軽で帝国ホテルへ。
美味しいケーキとコーヒーで旅の疲れも癒される♪
久しぶりに上高地公園線を通ったが、そういえば、釜トンネルが新しくなったんだった。
以前の面影無し…少しさびしい。
今回の旅は、東鎌尾根で雨、という残念な天気だったけれど、槍ヶ岳に登ったら山がますます好きになった。
これからはもっと積極的に色々な山に登ろう!と思う。
ちなみに。
母が昔歩いた東鎌尾根は、上高地の群発地震の際にだいぶ被害があったらしく、様変わりしていたそうです。
昔はもっと、るんるんコース(楽なコース)だったみたい。
時間的に贅沢な山行ですね。
晴の山行記録、期待しています。
shigeさん>
どうしても燕山荘に泊まりたかったことと、1年に2度くらいしか行かないので体力面を考えて、ゆったり登山にしました。
晴れの日に当りたいですが、毎回雨具が大活躍してしまいます…
noraさん>本当に、表銀座の景色は最高ですよ!本当は槍の穂先を眺めながら…の予定でしたが、雲がかぶっていたのが残念です…東鎌尾根が雨だったので、リベンジしたいですね〜〜。
私も8/13〜16で槍に行ってきました。
燕〜大天井が雨に降られ、「本当だったら最高の景色の中を歩くんだけどね」と言われたのだけどピンと来ず…。
fairy_cageさんの素晴らしい写真を見て、コレはもう一度(晴れの日に)行かねば!と思いました♪
紅葉のタイミングがなかなか合わせられないのですが
10月初旬の紅葉の東鎌も良いですよ。
気温が下がり紫外線も弱くなってくるので快適です。
ただ、この時期は絶対に雨の降らない時か
雨を覚悟して冬山装備で行く選択と
山小屋の営業を確認して行くことが必要ですが。
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