北アルプス後立山連峰(蓮華岳〜唐松岳)縦走


- GPS
- 74:27
- 距離
- 42.6km
- 登り
- 4,165m
- 下り
- 4,894m
コースタイム
- 山行
- 5:42
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 6:41
- 山行
- 8:03
- 休憩
- 3:13
- 合計
- 11:16
- 山行
- 8:13
- 休憩
- 2:11
- 合計
- 10:24
天候 | 1日目:晴れ後曇りか霧 2日目:晴れ後晴れ一時曇り 3日目:晴れ 4日目:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
8月5日(水)22:19新大阪発 松本行深夜高速バス(アルピコ交通) 8月6日(木) 06:49松本BT着ー07:15JR松本発ー08:13JR信濃大町着ー08:30信濃大町発(アルピコ交通バス)ー09:10扇沢着 (帰り) 8月9日(日)アルペンクワッドリフト(黒菱平−兎平)―八方ゴンドラリフト「アダム」(兎平−八方)・・・・・・14:53JR白馬発(しなの84号)―18:48JR名古屋着ー19:03JR名古屋発(のぞみ245号)―19:53JR新大阪着 (料金)高速バス6,100円、JR松本〜信濃大町670円、バス信濃大町〜扇沢1360円、リフト300円、ゴンドラ950円、JRしなの+のぞみ12,300円 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
GPS
筆記用具
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
カメラ
双眼鏡
|
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感想
学生のころ、鹿島槍から針ノ木岳への縦走を計画したことがある。この時は連日の雨で断念。そして、2年前に今回と同じコースで計画したが、実行できなかった。宿願のコースである。
新大阪から夜行バスで松本へ、松本から信濃大町へ、そしてバスで扇沢へと一歩一歩山に近づいていく。
1日目
扇沢で登山計画書を記入して提出。登山路に入る。しばらくアスファルト道と交差するところが何度かあるのだが、矢印の向きがわかりにくくて堰堤に進んでしまう。先行の方の後をついていったのもまずかった。すぐにおかしいことに気づいて登山道に戻ることができたが、山の中よりもこんなところがややこしい。
さすが北アルプス、すぐに登山道脇にいろいろな植物が目にとまる。眺めたり、写真に撮ったりしながら歩いていると時間が無くなるのではないかと心配になる。ほどほどにして先へ進むようにする。
大沢小屋で休憩した後、しばらく歩くと大雪渓に出る。少しアイゼンなしで歩いてみるが足元が滑る。アイゼンとストックを活用して登ることにする。急登で息も上がるが先行の方の背中を追いながら登っていく。夏道に出会うところで休憩。先行のグループの方も休んでおられ、少し話をさせてもらう。上から下りてこられたレンジャーの方が蓮華岳のコマクサが見ごろだと教えてくださった。
チングルマやウサギギクが現れると針ノ木峠が見えてくる。稜線を越えたところに針ノ木小屋がある。ここで宿泊の手続きをする。翌日が冷池までの予定だというと、小屋で朝食をとると遅くなる可能性があると言われるので、朝食なしのプランにする。
小屋の人から「今から?」と言われたが、蓮華岳ピストンに出発する。蓮華岳へは初めに急な所もあるが、おおむねなだらかな登りが多く、歩くのに気持ちのいい稜線だ。ザレ場にはコマクサがたくさん咲いている。他の植物が生育できない砂礫に咲くコマクサには妥協のない気高さを感じる。ライチョウも現れた。たぶん親子だろう。あまり人をこわがらないライチョウだが、すぐにハイマツの茂みに入ってしまった。
祠が見え、山頂かと思ったが、山頂はもう少し先に進まなくてはならない。ガスが湧き展望はあまりよくないが、北葛岳など蓮華岳につながる稜線を眺めることができた。どちらかと言えばマイナーなこの稜線もおもしろそうだ。
4時半には戻る、と小屋の人に伝えてきた。間に合うように少し急いで小屋に戻る。
小屋で部屋に案内される。2回の端。夕食後、しばらく外で景色を眺める。といっても雲が多いので展望はあまりない。南の方の雲が時々ピカリと光る。雷のようだ。いっそ夕立があれば天気もよくなるのかもしれない。布団に入って眠りにつく。
2日目
3時ころ目が覚める。星空でも見ようと外へ出ると、満天の星である。同じ時に星を見に出てこられた方と雑談しながら楽しい星見の時間を過ごす。星を見ながら出発時刻を考えていたが、今出発すれば針ノ木岳でご来光を見られそうだ。準備をして4時前に登り始める。
同じようにご来光を見ようと登られている方のヘッドランプの明かりが前と後ろに見える。暗い中、ヘッドランプの明かりは心強い。山や頂に着く頃にはすでに地平線は紅く染まり、山々の輪郭もはっきりと見える。東の方を見ていると濃い朱色の太陽がちらりと登ってくる。ここからはぐいぐいと陽が昇ってくる。針ノ木岳の展望はすばらしい。周囲に北アルプスの山々を見渡せる。山頂で同じ時を過ごす人と話をしながら展望を楽しむ。
スバリ岳へ向かう。岩場が続くので慎重に歩く。赤沢岳、鳴沢岳と越えて新越山荘手前から山の雰囲気が変わる。岩場の道から植生豊かな林の中の道を歩く。植物の花も次々と現れて楽しい。新越山荘から岩小屋沢岳を越えて種池山荘に着く。針ノ木岳から山頂で少し話をしてきた方がおられ、休憩しながらここで最後の話をする。この方は柏原新道で扇沢に下られるということ。ここで別れのあいさつを告げて爺ヶ岳に向かう。
爺ヶ岳南峰に着く。9時過ぎから雲が湧き展望できなかった鹿島槍ヶ岳の雲がはれて眼前にその美しい山容を見せてくれる。中峰を経て冷池山荘に下る。
冷池山荘で手続きをして一段高い尾根上にある椅子に座ると眼前に鹿島槍が大きく横たわる。何人かの方と雑談させてもらう。聞くと山荘あたりでは午後に雨が降ったようだ。それで昼過ぎまでかかっていた雲がはれたのかと納得する。雨には遭わずちょうど良いタイミングで来たようだ。幸運!
深夜に目覚め、外へ出ると満天の星。月もちょうど昇りかけで星の明るさを消すほどではない。しばらく星景を楽しみもう一度布団の中へ。
3日目
3時に出発できれば鹿島槍でのご来光をと思っていたが、やはり疲れがあるのかいい時間に起きられず、小屋の前からご来光を見る。今日もすばらしいご来光。鹿島槍も紅く染まっていく。山頂からよりもよかったかもしれない。
布引岳を経て鹿島槍ヶ岳に向かう。登っていく途中で下山してくる人に出会う。昨日、冷池山荘でできれば鹿島槍でご来光を、と話をした方で、約束をしたわけではなかったけれどもいっしょに登れなかったことをお詫びする。山上からのご来光、そして展望もすばらしかったそうだ。ちょっと惜しいことをしたかなと思う。鹿島槍ヶ岳に着く。大勢の人が山頂で過ごしている。昨日以上に青空が広がり最高の展望。五竜岳がどっしりと構えている。
北峰にも登りキレットに向かう。緊張しながら下っていく。気をつけていればそれほどむずかしい岩場ではないが、連続した岩場は体を疲れさせる。キレット小屋で休憩し五竜岳に登っていく。五竜の登りも岩場が続く。しだいに足に踏ん張る力がなくなってきているようだ。それでも、進まないわけにはいかず、気を抜かないようにしながら体を持ち上げていく。ようやく五竜岳にについた。ほぼ同じ時刻に山頂についた方は唐松まで行かれると言われる。時間的には行けそうだが、もうそんな力は残っていない。それなら五竜でゆっくりしようと思い、長めの山頂休憩をとる。五竜からの展望もすばらしい。
五竜岳の下りも岩場が続く。疲れた足には堪える。時間はあるので、ゆっくりと下りていく。五竜岳に着き手続きをする。満室だそうだ。通路はザックでいっぱい、小屋の中も外も人でいっぱい。疲れてもいたので寝転がってうとうとしたり、隣の方と話をしたりして過ごす。
五竜山荘の夕食はカレーライスと決まっているそうだ。カレー?と思っていたが、とてもおいしいカレーだった。おかわり自由なのもいい。夕食を食べると少し元気が出て、景色を見に外へ出た。西空が紅く染まりつつある。しばらく日没の風景を見て過ごす。
4日目
五竜山荘では3時ころから五竜岳へのご来光登山に向かう人の準備の音が始まる。そんな中、うとうとしながら4時ころに布団を出て準備をし、白岳に向かう。今日のご来光は白岳で迎えるのだ。
白岳にもそこそこ大勢の人が集まりご来光を待たれている。東の空に陽が昇る。今日もすばらしいご来光を眺めることができる。朱に染まる五竜岳もいい。遠くに槍穂高も見える。ご来光と展望の後は唐松岳に向かう。唐松岳への道は、はじめはゆるやかな登り下りが続くが唐松岳手前の登りは岩場、鎖場が続く。けっこう足も腕も疲れているのでなかなか力が入りにくく登りにくいところもあったが、そんなところも何とか踏ん張り登っていくと唐松岳頂上山荘に着く。ここから唐松岳をピストンする。
唐松岳への登りではライチョウのファミリー?に出会う。ハイマツ帯の中から出てきてなんと登山道の真ん中で砂遊びを始めた。めずらしい姿をしばらく眺める。ライチョウファミリーが退散した後唐松岳山頂に向かう。
今回の山行最後の山だ。縦走してきた山々もきれいに見通せる。時間の許す限り山頂で楽しみたい。ゆっくりと過ごした後、下山にかかる。
唐松岳頂上山荘から八方尾根を下っていく。尾根から見える白馬三山や五竜岳の姿もすばらしい。登山道に咲く花々も楽しい。丸山ケルン、八方池で休憩し八方山荘まで下る。ここは登山者だけでなく観光客も多くごったがえしている。リフトを避けて遊歩道を下る。黒菱平に着く。ここからは歩ける道はなく、リフト、ゴンドラを乗りついて八方に下る。
4日間、天候に恵まれ、すばらしい展望を見ることができた。また、雪渓の登り、たくさんの花々、スリルある岩場歩きと本当に充実した山行だった。長年の宿願を果たせたことで満足感も感じることができた。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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こんばんは
私は、八方尾根から柏原新道を歩きました。
その時、針ノ木まで歩いてみたいと思いましたが、時間の都合でもう1泊が取れませんでした。
いずれは針ノ木の雪渓を歩いてみたいですね。
しかし、左に劔を見ながら歩くのはいいですね。
槍から富士まで展望できるのも。
白山といい、今年は遠征の年ですね。
兵庫の山も登り尽くして、遠征派に転向しますか。
その時はお伴しますよ。
tanosikuさん、おはようございます
柏原新道〜八方尾根のコースを歩かれるている方、多かったですね。2泊だとこのコースになりますね。
今回は3泊できたのでできるだけ歩けるコースを計画しました。
剣立山の絶景、よかったです。そして少しずつ形が変わっていくのも楽しいものでした。
県外の山へももっと足を伸ばしたい気持ちはあるのですが、やはり県外はいろいろと大変です
それでは、今後ともよろしくお願いします
hojinさん、おはようございます〜
長年の宿題、いい天気にも恵まれて良かったですね
当時の計画は鹿島槍から針ノ木だったっけ?
また別のpwかな?
中止になって竹野の海水浴場へ行ったことありましたね?
こちら、後立は若い頃にリベンジしましたが、種池から烏帽子が未踏なんで、いつか歩きたいと思っています
今回は合流できずに残念でした
またの機会に〜
FREさん、おはようございます
学生の頃の計画と言っても引退後のことで、WVとは関係なく、単独の計画でした。
麓の山小屋に大勢集まっていてそこからの出発の予定だったと思います。
何しろ昔のことで記憶は定かではありません。全然、違うかもです。
竹野行きは確か奥秩父の計画裏で3回生の時だったと思います
来夏は後立から裏銀座なんぞどうでしょうか?
FREさん、関東の山仲間との合宿
今回、白山後に少し腰痛が出ていて、山行自体を迷っていました。計画がぎりぎりになってしまいましたが、もう少し早くUPしておけば合わせてもらえたかもしれないですね
あ、それでも「大人の夏合宿」にはかないそうもないですが
では、またよろしく
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