島が北海道で活動していたのは、たったの3か月。その間のことがダイジェスト的に描かれていて、分かりやすくはあるけども、それぞれのエピソードをもっと掘り下げてもらいたいと思ったのが正直なところ。ボリュームが欲しい。幕末から明治維新にかけての激動の時代が舞台なわけで、同時進行的な歴史的事実は、あまりにもサラッと描かれています。それらのエピソードは、他の書籍に譲るところでしょうか。例を挙げれば、勝海舟や坂本龍馬と会ったというエピソードは、たったの一コマです。
私、島義勇を全く知りませんでした。いや、司馬遼太郎先生の『歳月』を読んだ時に、その名が出てきているはずですが、まるで印象に残ってなくて。この漫画もどこで見つけて興味を持ったのか知らないうちに、買ってました。
北海道を去った後の人生は文章で数行程度書かれているだけ。何故、開拓がはじまったばかりの北海道を志半ばで去ることになったのかをもっと詳細に描いてほしかった。
最後に北海道神宮の桜の由来が出てきます。はじめて、札幌に訪れてみたい場所があることを知りました。その桜、島桜って呼ばれているんですか。一目、見てみたいですね。島義勇が見ることのかなわなかった桜を。