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K取山名物と言えば、山頂直下の直線的な登り。その山麓に取り付いた辺りから、Y梨百名山の標柱がある展望地を見上げたところ。そこに黒い影のようなモノが見えた。それは、人間と同じか少し大きいくらいで、両腕を交互に上下に動かし、身体を左右にくねらせて、踊っているようにも見えた。踊っているというには、奇妙な動きではあったが。不思議だったのは、頭のてっぺんから足まで、全身が真っ黒だったこと。黒い毛の大型動物では困るなと思ったけども、鈴を鳴らしながら登っていけば、あの距離であれば移動してくれるだろうと、急な雪付斜面を登ることにした。
登りながら。ここまでトレースはあったものの、いずれも新しいものではないのだから、反対方向から歩いてきた登山者だろうか。山頂は独り占めしたいし、バッティングしたくないな。と、身勝手に思いつつ登っていると、誰ともすれ違うことなく黒い影が見えた辺りに到達してしまった。いよいよ、ご対面か。まあ、それは仕方ないなと思い、山頂に立つ。だが。
誰もいない。元来た方へ引き返したのか。トレースはあるが、いずれも新雪を被っていて新しいものではない。どこかに新しい足跡があるはずだ。見渡して探すが、ついさっき付いたと思われるトレースは、どこにもない。下から見上げた時、確かに黒い影が動いていた。しかも、数メートルの範囲で、右に行ったり左に行ったりしていたので、断じて木の枝が風で動いてたのではない。そもそも、黒い影が見えた辺りには、Y梨百名山の標柱しかない。標柱が動くわけないし、近くに見間違えるような木が生えてもいないのである。
そこには、新しいトレースも動物の足跡も無く、”誰か”がいた痕跡は無かった。自分が来るまでに、新雪でも降ったのか。そんなわけない。降ってない。不思議なこともあるものだと思いながら、展望地からの眺めを楽しみつつ、食事までして、結局、その黒い影が見えた辺りに1時間近くも滞在してしまった。その間、他の登山者が登ってくることはなかった。
K取山には、展望地のすぐ東に三角点ピークがある。そちらにも、K取山の標柱がある。周回予定なので、そちらに行く。三角点ピークまで行き、その先へ進もうとしたところで、異変に気づく。ここまであった古いトレースが完全に消えたのである。ここまで、誰ともすれ違っていない。分岐も無い。ということは、展望地に見えた黒い影は、どこに行ってしまったのか。
すれ違っていないのだから、三角点ピークの先に進むトレースが無ければおかしい。実体があるのであれば、足跡がなければならないが、それが無い。ということは。人型に見えた黒い影は、ツキノワグマや先行登山者ではないということになる。
K取山の近くには、いわくつきの伝承地である関東最恐の花魁淵がある。黒い影が躍っているように見え、そして、足跡が無いということは、、、黒い影が見えた辺りに、1時間近く滞在してしまったことが、気味悪くなった。
写真・左 この写真を撮った時に、山頂部に黒い影を見た
中 下から黒い影が見えた場所。新しいトレースが無い
右 誰も見ていないのに、行く手のトレースが完全に消えた
今の所、山の怪異にはあったことがありませんが、山は封鎖されてないのに、隔絶した不思議な空間感がありますよね。
この時は、なにか先行者か熊でもいるのかなくらいにしか思っていなかったのですけど、後日、近くに花魁淵があることを思い出し、だいぶ涼しくなりました。
実際に行ってみると、トレースはないし、どこに行ったんだろうと思いながらも、影が見えたところに、1時間もいたり。つまり、この手の話は信じてないんです。たとえ、この目で見たとしても。実際に見えたのだから、何かがいたことだけは確かと思っています。
不思議な体験は何回かありますね。山でも日常でも。
これは、信じる信じないは関係ないのかもしれません。
山でよくあるのが、霧が立ち込めてくると、明らかに登山道が無い、崖の先から人の話し声が聞こえてくるとか。
聞こえるものは仕方ないと、あまり気にしないようにしています。
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