|
|
|
最初に須藤氏が群馬側を中心とする旧石器時代をまず、氷河時代の環境、地層層序にみられる浅間火山灰や軽石層（浅間―板鼻黄色軽石＝YP）、浅間―板鼻褐色軽石（BP）層、姶良丹沢（AT）火山灰層、など年代の基準となる火山灰・軽石層序を説明。石器の解説に移る。須藤氏は旧石器を五期に分けて解説＝これは相模野編年を基本とする考え方かな？
第�鬼�石器群（群馬県遺跡数363）
１）刃部磨製石斧―日本の旧石器の初期には石斧が特徴的、とりわけ刃部磨製石斧は旧石器時代では日本にしか見られない石器だ。事例として岩宿遺跡の黒色頁岩、新潟県正面ヶ原遺跡の凝灰岩（プロピライト？？）、長野県日向林B,古城遺跡、秋田県地蔵田B遺跡などの透閃石製の石斧を挙げ、在地の石材を使うタイプと透閃石のように優れた石材が産地の糸魚川周辺から長野および日本海側に普及し、広がっている。
2）台形様石器：群馬側（下触牛伏・内堀遺跡）では、黒色安山岩・黒色頁岩が主で、信州産黒曜石では、野尻湖遺跡群の石器と同形態の石器を製作。野尻湖遺跡群では玉髄や珪質頁岩など日本海側石材が使われ、新潟の坂之沢C遺跡も珪質頁岩製
３）環状ブロック群（集落）：赤城山南麓と鏑川流域の西毛台地に環状ブロックを持つ遺跡が群集、群馬県域を誘導領域とする地域集団の存在を示す。黒曜石など石器の移動を考えるとき、後期の初め、まだナウマンゾウなどの大型動物が列島を移動していたころ、象などは300�勸幣絨榮阿垢襪海箸�あるので、そうした動物を追っていた列島人の移動ルートの中に黒曜石産地も含まれていたのではないかという（野尻湖―北陸・野尻湖ー愛鷹・野尻湖―下総・下総―東北南部など）。
第�挟�の石器群（遺跡数48）
１）赤城山麓から下総台地に至る遊動領域が形成される
大形石刃：利根川上流の黒色頁岩の原産地を背景に、大形石刃の製作遺跡が形成され、赤城南麓から下総台地の生業地（狩場）まで狩猟具（ナイフ形石器）、工具、石核として携帯された。新潟地域との関係は胴抜原A遺跡の大形石刃との関係を検討する必要がある、と述べている。後田遺跡（利根川上流）、大上遺跡（赤城南麓）、東林跡遺跡（下総台地）＝黒色頁岩、新潟の胴抜原遺跡は黒曜石
第�郡�（遺跡数23）環境悪化（寒冷化＋火山噴火）で生業領域の形成なし？
切出形石器・国府型ナイフ形石器：切出形石器は伊豆天城山黒曜石。南関東では安定した地域集団の遊動域が形成され、赤城南麓はその一部に編入されていた。新潟（御淵上遺跡・凝灰岩）同様、西南日本の地域集団が東北日本に拡散することが上白井西伊熊遺跡の国府型ナイフ形石器の出土（黒色安山岩）
�鹸�の石器
１）面取器面調整石器（有樋尖頭器）：赤城山麓に再び生業領域が形成される。新潟とは、遊動領域を共有する地域集団が存在（信州産黒曜石＋珪質頁岩利用）−今井三騎堂遺跡（信州産黒曜石）、下触牛伏遺跡（珪質頁岩）、新潟しぐね遺跡（信州産黒曜石＋珪質頁岩）
２）砂川型ナイフ形石器：砂川型ナイフ形石器を製作する南関東の地域集団の遊動領域が北関東にも形成される。新潟の地域集団は杉久保型ナイフ形石器を特徴とし、関東とは異なる地域集団を形成。両地域集団は信州産黒曜石を利用し、石器製作技術の一部にも共通性がある。
砂川型ナイフ形石器＝下触牛伏（黒色頁岩）、東長岡戸井口（チャート）、
杉久保型ナイフ形石器＝新潟 下モ原�軌篝廖平�州産黒曜石）、上ノ平C遺跡（珪質頁岩）
３）小型石槍（槍先形尖頭器＝小型石槍）：赤城山麓に主体的遊動領域を持つ大規模集団形成
剥片を素材に器面調整された槍先形尖頭器の政策と使用を示す大規模遺跡が赤城山麓に形成された。南関東・愛鷹・箱根山麓の地域集団とは信州産黒曜石を共有する地域集団群社会を形成。新潟では石刃を素材に器面調整された槍先形尖頭器を持つ地域集団
武井遺跡（信州＋天城＋高原山産黒曜石）、田名向原遺跡（信州＋箱根＋天城＋7高原山産黒曜石）、新潟県 信人原A遺跡（珪質頁岩）
�拘�石器群ー地域集団遊動領域の交差と交替（遺跡数44）
細石刃：西南日本の野岳型細石刃技術による南関東地域集団の遊動領域から、東北日本に展開した荒屋型細石刃技術による東北地域集団の遊動領域に交替する。珪質頁岩を石材とする荒屋型細石刃技術を持つ集団は、新潟を遊動領域とする同一の地域集団と評価できる。
野岳型細石刃技術：三和工業団地�鍵篝廖�頭無遺跡（信州産黒曜石）
荒屋型細石刃技術：八ヶ入遺跡、新潟荒屋遺跡（珪質頁岩）
津南段丘に展開した旧石器文化（佐藤雅一・津南市教育委員会）は、津南段丘の旧石器時代に関連して、河岸段丘の形成、上流の信州黒曜石原産地との関係、地元石材である無斑晶ガラス質安山岩（志久見川上流部）、頁岩、凝灰岩（清津川・渋海川上流）、鉄石英、緑色凝灰岩、黒曜石（守門岳・破間川流域）と石器製作を論じ、主要遺跡と石器・石材・石器製作技術などを概観し、人や石器がどのように魚後いたのか、脊梁山脈をどのように越えたのかを検討した。
写真1）会場のみなとぴあ付近から見た対岸（朱鷺メッセあたり）
写真2）長岡の少し南東側―雪は今月初めころに比べだいぶ少なくなっている
写真3）同じく浦佐付近ー越後湯沢付近もだいぶ雪は融けていた
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する