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今日は、9時過ぎに日向薬師行きバスで高部谷小学校前バス停下車、見学会の前に鎧塚古墳を見学、江戸時代には山内上杉氏と扇谷上杉氏の戦の戦死者の塚という伝承もあったが、明治時代に畳三畳もある天井医師が割られて、中から人骨や玉類、武器類を発見したという記録があるが、その後の盗掘で昭和63年に調査が入った時には、石室内には副葬品もほとんど残っていなかったらしい。直径21m、最大幅3.2mの周濠、片袖式横穴式石室、瑪瑙の玉類、ガラス勾玉、緑色凝灰岩の管玉、武具類などがわずかに残っていたようだ。これらの調査結果から6世紀終わりころの円墳であるらしい。ここには1号から6号墳までが記録されているが、1号墳以外は未調査で墳丘は多く失われている。1号墳の背後を見るとわずかに墳丘の上側が残されているのが2つ三つほど見える。
鎧塚を後にして、見学会に向かおうとすると、別の見学者から扇谷上杉氏の舘跡はどこかと尋ねられ、グーグル地図で経路を示し、向こう側の産業能率大学構内にあるようだ。私も子易中川原の前にその舘跡を探してみる。明神前のバス停への分岐で反対側にある産能大の方向に登り、正門前で扇谷上杉氏舘跡の解説板を発見、もう少し先まで行ってみたが、この看板しか発見できなかった。急いで戻り、明神前バス停まで進むと、見学会の案内人が立っており、指示に従って東名工事の続く道を進むとすでに大勢の人々が見学会開始を待っていた。10時半までまだ10分ほどあるので、出土品や写真を撮影し、1号墳を外から撮影。
10時半、解説会が始まり、冒頭のあいさつの後、3−4つにグループ分けがあり、私は二番目のグループで、しばらく待機した後、最初に二号墳を見学、財団の南出氏が説明ー横穴式石室の奥壁や玄室、側壁、船頭と葺石など、出土状況や石の原位置などの他、被葬者の埋葬�気凌篦蝓⊇佚敝覆猟敢此�特に須恵器の特徴から7世紀前半という年代推定があった。終末期古墳ということだ。石室の形などを比較すると桜土手6号墳とそっくりだという。
次にミニ講座があり、ぎゅうぎゅう詰めでテントの中に入り、財団の新山保和氏が、子易・中川原遺跡を中心に、県内の後期・終末期古墳について比較し説明。この時期の古墳造営の中心が伊勢原のこの地域だという。
その後、1号古墳に戻り、昨年以降の発掘調査で得られた土層の調査から、古墳の造成技術・過程に関する発見を解説、この古墳は出土遺物がほとんどなく、時期は不明だが、円墳の墳丘主体部の外側に二重の円形石積があり、さらに外側に方形石積みがある珍しい形。こうした古墳は用明天皇陵（春日向山古墳＝方墳）や千葉の龍角寺岩屋古墳（終末期の著名な方墳＝国指定）を彷彿とさせる。1号墳を下まで掘り下げ、土層観察から、この方墳の造営過程がわかった。最初に掘り下げた地面に下から石を積み上げて石室を作り、石室を安定させるための石を外側に組み、その外側に円形石積みを組んで、その間を下から盛土の土を入れて固く叩き締め、石室が崩れないように安定させ、さらにその外側にしたから盛土、円形石積み、さらにその外側から最後の盛土、方形石積みを組んでいるという。石室に近い盛土ほどスティックが刺さらないほど固く叩き締められ、外側に行けば行くほど、ゆるくなるという作り方で、中から外へ、下から上へという造成方法であることが土層の観察から分かったという（財団の皆様、ご苦労様）。
またそのほか変わった形状の横穴墓も検出されており、横穴式石室を強く意識した形で石室を丁寧に作っている横穴墓で、全国的にも珍しく、この近辺では伊勢原や日の出時折見かけるが和は少ないという。横穴式石室も大陸から伝播した石室の形式で、馬産、馬界に関係するような副葬品もあることから、馬産に通じる渡来系集団に関係する墓かもしれないという。また1号墳の北西側には縄文時代の住居址がまだ残されていた。縄文時代の住居址が埋まったうえに古墳が築かれていたということらしい。見学会でしか聞けない、見れないことをたくさん見学できてとてもよかった。
見学会を終え、次に伊勢原の古墳や遺跡を見ながら伊勢原駅に戻る予定。グーグル地図を参照しながら、最初に御領原古墳群、昭和初年には70基以上あった古墳群もすでに破壊されて墳丘は見えそうもない古墳群だーー唯一「野首＝ぬくび＝古墳だけがわずかに墳丘の上部を残しているらしいーーまずその手前の多数古墳があった場所をチェック、しかし住宅街に代わり、地形の段差だけがわずかにその存在の痕跡をとどめているのか？次に心敬塚古墳ー未調査で詳細は不明らしいが、規模は松山古墳より大きいという。「心敬」の名は地名でなく、室町時代の連歌師「心敬」が応仁の乱で鏡を追われ、この古墳付近にあった「常業寺」（今もあとが残っているという）
伊勢原市の文化財のHPには、「伊勢原市三ノ宮竹ノ内」の竹やぶの中に石碑が残ると、次のように解説している。
「三ノ宮字竹ノ内にあります。うっそうと茂る竹林の中、雲首（うんしゅ）と呼ばれる一見脳髄（のうずい）のような形に彫刻された石をのせる大きな六角形の墓石が並んでいます。江戸時代、黄檗宗(おうばくしゅう）であった当寺の歴代住職などの墓石です。また中世の五輪塔が多数散在する中に、千首地蔵と呼ばれる石仏が立っています。五輪塔の丸い火輪（かりん）が首のように見えることから、このように呼ばれているといいます。
当寺は『新編相模国風土記稿』によると、鎌倉時代の建仁（けんにん）元（1201)年源頼朝夫人の北条政子により建立されたといいます。建仁元年は、頼朝の死（正治元年・1199）から2年後で、三回忌にあたる年です。
山号を石蔵山（せきぞうざん）といい、開創当初は浄土宗で本尊は釈迦如来像でした。
この地は中世白根郷に属し、鎌倉末期には赤橋北条氏の所領であり、幕府滅亡後は足利尊氏の妻・赤橋登子から足利義詮と伝わり、足利将軍家の直轄領（御料所）であったと推定されています。
扇谷上杉氏が相模守護となり、糟屋の地に守護所が置かれたため糟屋には様々な文化人が訪れたようです。詩僧万里集九（ばんりしゅうく）は糟屋に泊まり、江戸に向かいました。浄業寺には京都東山十住心院（じゅうじゅうしんいん）の住持であった権大僧都で連歌師の心敬（しんけい）が、文明3（1471)年頃寓居したようです。心敬は太田道真・道灌親子とも連歌などを通して親しく交流しました。心敬がここで著した『老いのくりごと』には、寺の「本堂苔に古（ふ）り、台傾（かたぶ）き檜皮（ひはだ）破れて・・・」とその様子を記しています。文明7(1475)年4月12日、心敬はこの地で没しました。寺跡の南側丘陵上に「しんけい塚古墳」があります。心敬はこの古墳の傍らに葬られたのではないかともいわれています。
その後長く荒廃したようですが、江戸時代前期に中国・明の禅僧・隠元が渡来して、禅宗の一派である黄檗宗を伝えました。隠元の法をつぐ黄檗宗の高僧・独本性源禅師が江戸の新山氏と力を合わせ再興しました。江戸の豪商が力が大きかったようです。
明治維新後は寺領も減り、檀家も少ない寺は衰微に向かったようです。明治37(1904年7月の大雨により裏山が崩壊し、建物は壊滅しました。再建活動は続けられましたが、明治41(1908)年、ついに廃寺となりました。
当寺の本尊・釈迦如来像は小田原市入生田（いりゅうだ）の黄檗宗・長興山紹太寺（ちょうこうざんしょうだいじ）に、昭和4年4月4日に遷座したことが同像の首の中に墨で書かれています。」
なお、松尾芭蕉は、心敬の弟子の宗祇を敬愛していたという。
グーグル地図では心敬塚古墳は出るが、浄業寺跡石碑の位置は出ない。地図を頼りに能動を登っていくと三ノ宮高区の水道施設（配水所）があり、その門の手前の小山がそれらしい。周囲は農地を守るために電気柵が張り巡らされ、崖の急峻でとても上まで登れそうもない。むろんこれらの古墳には何の標識も看板もない。外から撮影し、次の松山古墳に向かう。
この古墳は比々多神社の北200mの丘陵上、興和工業のすぐ北の農地の中にあるという。グーグルマップを見ながら心敬塚古墳から下っていくと「叔母様」という変わった地名があり同名バス停がある。そのバス停付近に「叔母様村観音石碑」と小さな観音堂がある。
「それによると、北条氏が家臣の市施弾正左衛門康則にこのあたりを領地として与え、市施氏の伯母の梅林理香大姉が所領していたため「伯母様村」というようになったそうです。 この地は、大山詣で参詣する人たちの通り道だったようです。」
とこの地を訪問した人のブログに出ていた。
漢農道からさらに歩き、農地の中を進むと、すぐそれとわかる高まりがある。別のサイトには相模で最も美しい円墳とあるが、周囲が削平されて上部しか残っておらず、また調査も行われていない様子でよくわからない。この古墳も何の看板もなく、墳丘上部だけが残されている。おそらく私有地で、文化財として登録されていないのだろう。できれば、伊勢原市が調査をして買い取り、保存してほしいものだが、その余裕はないのだろうーー。周囲を歩いて撮影し、次の野首古墳を目指して細い農道を下り、再び車道に出る。「三ノ宮山王中学校西側」信号の方向を目指し、北上するとどうやらそれらしい高まりが工場手前に見える。他にそれらしいものがないので多分これだろうと、グーグル地図でもこの地点を指している。航空地図を拡大するとまさにこの写真が出てくる。久しぶりに長い距離を歩いたので、もはや墳丘を上る元気もなく、外から撮影しただけで戻ったが、墳丘上には石室に使われたような石材が数個露出し、副葬品も発見されているらしいーー
「こちらは心敬塚古墳の存在する台地の下、鈴川左岸の台地に存在している古墳です。主体部は明らかでありませんが、金環6、銀環1、勾玉3、ガラス小玉182、直刀1が出土しているようです。」と『ぺんの古墳探訪記』に出ていた。
さて、もはや疲れて体が動けそうもなくなったので、前回電池切れで撮影できなかった登尾山古墳再訪を諦め、伊勢原駅を目指して、その手前の「市ノ坪条里制度遺跡」と八幡台石器時代住居跡」を訪ねて今日のフィナーレとする。
体は疲れていてすぐにでもバスにでも乗って帰宅したいところだが、そう簡単にはバスが来ない。市ノ坪公園を目指してなんとか歩き通し、公園につくが、条里制度遺跡の看板は見えない。疲れた体で少し水分と菓子パンを補給し、荷物をベンチに置いて周囲を探索するが、それらしいものはない。諦めかけてベンチに戻ろうとすると公園の一つの入り口になんと「史跡 一乃坪」という小さな石柱が一本あった。これがその存在を示す唯一のもの、これじゃわかりにくいね――解説板など作らないのかな？市指定文化財ではないかーー？？！！
史跡石柱を何とか見つけて、最後の八幡塚石器時代遺跡を目指してさらに歩く。市ノ坪公園の裏手のサイクリングロードを進み、日向薬師に通じる車道に出て、そのままアップダウンを繰り返すと小田急線をわたり、その先の分岐の細い方の道を左に下り、さらに道なりに進むとなんとか、八幡台石器時代遺跡のある山王塚公園にたどり着く。
解説板があり、伊勢原市の文化財HPによると、
「八幡台遺跡は、小田急線伊勢原駅から南西約900メートルの伊勢原台地の西端に位置します。
この遺跡の調査は、昭和7年に東大竹字山王塚の畑から縄文土器や板状の石が発見されたことにはじまります。その後の発掘調査は、石野瑛（いしのあきら）・赤星直忠（あかぼしなおただ）氏らにより実施され、2カ所からそれぞれ1基の敷石住居跡が発見されました。
第一号敷石住居跡
昭和8年の調査で確認された敷石住居跡です。住居跡は南北6メートル、東西3.4メートルの長楕円形で、西側縁辺（えんぺん）の石は立っており、東側半分は石がまばらで、中央よりやや西に炉の跡があります。敷石の大半は伊豆地方で採れる扁平な安山岩、住居跡の外縁部に立つ石には日向や七沢（厚木市）で採れる凝灰岩（ぎょうかいがん）が使われていました。敷石面からは縄文時代後期の土器片が出土しました。
第二号敷石住居跡 (八幡台1丁目4番2）
昭和9年の調査で確認された敷石住居跡です。径8.5メートルの範囲に丸い形をした大小の河原石が敷き詰められ、東側には2メートル程の張り出しがあります。南西側に東西に長い炉の跡があり、炉の底にも石が敷かれていました。敷石面から縄文時代中期、後期の土器片が出土しました。
当地は現在、山王塚公園の一角となっており、解説案内板を設置しています。」とある。
今日はこれ以上のエネルギーが残っておらず、予定していたリニューアルオープンした厚木市郷土資料館や川崎市民ミュージアムに行く気力もなくなり、駅に出てひたすら北区に努めた。情けなやーー
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