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写真�⊇佚斂收宿�(未成品）
写真��出土石斧(磨製石斧と石材産地）
越後平野西縁に位置する角田山麓には30余りの縄文遺跡が分布、角田山麓では前期初頭に定住生活が始まり、中期前葉と後期前葉に二つのピークがある。後期中葉以後は遺跡数が減少し、地域の活力が失われたと理解されてきたが、1991，1994年の御井戸遺跡の発掘調査により、その印象は覆され、縄文晩期の巨大な木柱群や大量のトチの実(殻)などの出土に驚かされた。御井戸遺跡の最新調査から、弥生時代直前の社会の在り方を考える展示と講演だった。
講演はこれまで御井戸遺跡の発掘調査に関わり、文化財課退職後も整理作業などを継続して、御井戸遺跡の解明に執念を燃やす前田精明氏。発掘調査後、10年間、他の仕事に追われて御井戸遺跡から離れたが、他遺跡の調査がきっかけで御井戸遺跡に新たな光を当てることができるようになり、退職後再び整理作業を再開し、今回の展示にたどり着いたという。その情熱に敬意を表したい。
新潟市文化財課HPより： 「ー新潟市内に定住的な縄文集落が現れるのは縄文時代前期初めです。縄文時代の集落のほとんどが、越後平野に面した丘陵の裾や新潟砂丘の上に立地します。砂丘の形成は越後平野に広大な沼地を発達させ、水辺と深いつながりをもった生活の背景となりました。
−縄文時代前期の干納（かんの）遺跡と豊原（とよばら）遺跡ではクルミやドングリが、縄文時代晩期の御井戸（おいど）遺跡ではアク抜きが難しいトチの実が多量に出土しており、長期保存のできる木の実を主食としていたことがうかがえます。春から夏にはシジミ採り、イトヨ漁、磯漁、夏の後半から秋にはヒシの実採り、晩秋にはサケ漁、冬にはシカ猟を行っていました。
ー集落で使われた実用的な石器の種類は、地域や時期によって異なります。
市内では網漁に用いた石錘（せきすい）が前期の遺跡から数多く出土し、中期以降は狩猟のための石鏃（せきぞく）が主体となります。
また、樹木の伐採や木製品の製作に使われた磨製石斧（ませいせきふ）は全国的にも高い割合で出土します。
ー生産用具などの日常生活に直接かかわる「第一の道具」のほかに、祭祀や呪術、装身具のような「第二の道具」が作られます。
これらの「第二の道具」は精神生活に重きをおいた縄文時代の特徴をあらわしていると言えます。
ー縄文土器は煮炊きに用いる深鉢（ふかばち）を基本とします。渋くて口にできなかったドングリやトチが土器の使用によってアク抜きができるようになり、食事のメニューが飛躍的に拡大しました。
中期に入ると浅鉢が、後期になると日用品とは異なる特殊な土器が目立つようになります。
ー御井戸遺跡では、伐採樹木や製作途中の木製品が窪地に水漬けされた姿でみつかりました。
木製容器は土器とは異なる形をしていて、この時代の木の文化を伝えてくれます。」
御井戸遺跡は角田山東南麓の台地南端から台地下に流れる矢垂川の氾濫原にかけて立地。後期はじめまでは遺物は出るが定住地ではなく、何らかの活動を行う訪問地で、後期中頃から定住生活の痕跡があらわれ、晩期には拠点的な集落に発展する。
縄文遺跡の栄枯盛衰と人口密度
縄文中期には信濃川流域、津南段丘周辺の集落が栄え、火焔土器圏がその中心だった。しかし後期になると、それらの集落は衰退し、海岸付近に遺跡が集中する傾向がある。縄文遺跡の研究から推定される人口密度は、世界的に見ても通常の狩猟採集民の人口密度はカラハリ砂漠では1平方キロ当たり0.1人、人口が多かったといわれる北米北西海岸の先住民集落で1平方キロmあたり1.25人で、縄文集落の最盛期にはこれより多い1.4人と推定されている。信濃川中流域の縄文中期も人口密度が高く、あるいは、そのために感染症などが流行って集落が崩壊した可能性も考えられるという。
土器の動き
土器の動きを見ると、御井戸遺跡出土の土器に類似する土器が大沢谷地遺跡や亀田砂丘の砂崩前郷遺跡などで見つかり、御井戸遺跡の人々の活動範囲と推定されている。大沢谷地は新津丘陵の末端に位置して、その近くでアスファルトが採取できる。御井戸遺跡の土器にもアスファルトの痕跡があり、アスファルト採取のキャンプがあった可能性がある。
磨製石斧
また出土した花粉分析から遺跡周囲にはクリの純林が広がっており、巨大な木柱の伐採河口を行うための磨製石斧が大量に出土している。これらの石斧の石材は、糸魚川地域のネフライトや蛇紋岩、阿賀北地域産の安山岩や閃緑岩などで、遠隔地で加工された石斧が流通していた可能性がある。
植物遺体
1991年の調査区94W区や2002年調査地から大量の種実が出土、最大はトチ殻でドングリがそれに次ぐ。ドングリはトチの補完的な役割で、土地の少ない年にドングリをより多く採取したらしい。クリは野生種よりも大型で、木材利用とともに、栽培管理を計画的に行っていた可能性がある。
動物遺体
シカ・イノシシなどの大型獣、タヌキ・キツネ、ムササビなどの中小型獣、鳥類、爬虫類、貝類などを確認、オオミズナギドリは峠を越えた海岸の岩場で入手したと考えられ、半径5�呷鮹肋綸�な活動範囲か？
木製品
磨製石斧を使って容器などを製作するのはかなりの時間が必要で、製作途中で水漬けにした木工品の製作過程がわかる未成品などが出土している。容器や皿はトチ、杓子はヤナギが使われていた。
木柱：1994年の頭部調査区(94E区）の木柱No.37は最大径60�兮罎梁膩心殘效譴蚤μ未棒佗牴湛�痕がある。柱穴の底には総重量22�圓例�を敷き、19点の板や角材を井桁に組んで木柱の沈下を防いでいた。縄文晩期の土木技術水準を示す遺構だ。多数の木柱の出土は、晩期の掘立柱建物の採用を示し、遺跡の低地化と関係するか？
噴石
９４W区の南側窪地の土層から発見され、植物繊維などが観察でき、山菜などの職位生活を想像させるようだ。
晩期の祭祀具
石棒や土偶などが出土している。
なお、2月23日の新潟市発掘調査速報会の中で御井戸遺跡に関するミニシンポジウムが開催されるようだ。
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