火山災害考古学シンポジウム二日目は、浅間山の噴火に関する主として火山、地質学からの講演、最初に主催者の黒曜石研究センターの堤氏(元浅間縄文ミュージアム館長)から、江戸時代の浅間山噴火に関する多数の絵図についてデジタルアーカイブの必要性を唱え、解説した。それを受けて火山学者、地質学者らがこれまでの研究状況を解説し、火山災害がどのように進行したのか、また人びとがどのように地域社会を復興してきたのかなどを議論した。
午後からは、元文化庁長官で、考古学者の青木氏がポンペイの火山災害考古学の話をだが、北区で古代玉研究で知られる大田区立郷土館の斎藤あや氏の講演の方に向かう。秋葉原で京浜東北線に乗り換えて王子までは近い。弥生時代から古墳時代にかけての玉生産は北部九州に始まり、出雲、近畿、関東など各地に生産拠点があり、その流通は複雑でわかっていないことも多い。管玉やガラス玉など明確に半島経由で列島に入ってきた玉もあるが、勾玉はもともと動物やサメの歯や牙をペンダントにして、お守り代わりしていたものと推定され、旧石器時代から世界共通の装飾品ないしは御守りと思われる。勾玉はほぼ糸魚川周辺で、取れるヒスイを使うものが知られ、他に軟玉その他のものがある。丁字勾玉は頭のところに切り込み模様があり、丁字の実を模したように見えることから考古学者が名付けたものか？
丁字勾玉と言えば奥尻島の青苗遺跡の出土品を見たのでその印象が強く、斎藤あや氏の話も初めてなのでこちらに来てしまったのだ。糸魚川のヒスイを使った勾玉は新羅などの王冠の飾りなどとして朝鮮半島でも出土している。ガラス玉主体になりヒスイ勾玉が古墳時代を最後に姿を消すまで王様クラスのレガリアとして尊ばれた時代のお話であった。
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７月30日(日)火山災害考古学二日目と丁字勾玉講演会
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