台風の中ほぼテント縦走 室堂〜薬師〜槍〜上高地縦走
- GPS
- 42:45
- 距離
- 70.5km
- 登り
- 5,198m
- 下り
- 6,081m
コースタイム
- 山行
- 4:22
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 5:04
- 山行
- 9:24
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 10:03
- 山行
- 7:48
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 8:43
- 山行
- 3:44
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 3:50
- 山行
- 3:41
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 3:44
- 山行
- 5:29
- 休憩
- 3:20
- 合計
- 8:49
- 山行
- 1:10
- 休憩
- 0:08
- 合計
- 1:18
9月2日 6:30五色が原〜11:20スゴ乗越小屋〜15:35薬師岳〜16:15薬師岳山荘
9月3日 7:00薬師岳山荘〜8:50太郎平〜10:30北ノ俣岳〜13:40黒部五郎岳〜15:50黒部五郎小舎
9月4日 8:55黒部五郎小舎〜10:55三俣蓮華岳〜12:50双六小屋
9月5日 6:50双六小屋〜10:30槍ヶ岳小屋
9月6日 12:05槍ヶ岳山荘〜14:45槍沢ロッジ〜16:35徳澤園
9月7日 6:10徳澤園〜7:25上高地バスターミナル
過去天気図(気象庁) | 2011年09月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
台風が来るのは分かっていたが、決行した。一日小屋で待機していればやり過ごせるかと思っていた。しかし、自分が予想していた通りにはいかなかった。
1日目
仕事が終わってから扇沢に向かった。1時には到着した。駐車場は結構空いてた。仮眠をとり6時に起きて始発のバスに乗った。室堂に着くまで、何人かの人とお話をしたがみんなに心配されこの山旅は無事成功するのか不安になってきた。でも、無理は絶対にしないと誓ってきたし、準備もばっちりだし大丈夫だと自分に言い聞かせた。
しかし、室堂に着き「よし 歩き出すぞ」と一歩踏み出したとたん、今までの不安が吹き飛んだ。自分でもよくわからないが、山を前にして気分もよくなり、楽しくなってきたのかもしれない。改めて自分は単純なんだなーと思った。
天気は風はあったが雨は降っていなかった。NHKで田部井さんもここを歩いたんだなと思いながら、ザラ峠を越え五色が原のテン場に着いた。ここは、来てみたいと思っていたテン場だったので興奮した。結構広くてテントは張りやすそうで、水場もトイレも近くにありとても快適そうなテン場だった。でも、広いテン場でテントを張っているのは自分だけだった。一人できてるんだしソロ最高と思いつつも、ちょっと寂しい気持ちにもなった。
小屋は遠いので明日いく時に寄ろうと考え、夕食の豪華ラーメンを食べ速攻寝てしまった。
2日目
テントの外に顔を出すと、テン場の土が濡れており薄い雲がかかっていた。
とりあえず、お湯にスキムミルクを投入し飲んだ。最近スキムミルクにはまっている。テン場から離れてる小屋に着くと、小屋の方がいた。後ろか近づいたのだが、人がいるとは思っていなかったらしく、ものすごくびっくりされていた。すいません。いろいろ心配してくださって、いろいろアドバイスくれた。ありがたかった。
今日はスゴ乗越小屋まで行くかその先まで行くか悩んだが、まだ天気もそれほど崩れていないため、今のうちに行けるとこまで行こうと思い薬師岳山荘まで行く事にした。ずっと稜線歩きのため風をまともに受け結構体をもってかれそうになった。助走をつけて手を広げれば、飛べるんじゃないかと思うくらいスゴい風だった。
スゴあたりで初めて人とすれ違った。そのおじいちゃんに「もうすぐ台風近づきますね」と話しかけたら、「台風来とるんかい」と返されびっくりした。山にはいろんな人がいますね。
北薬師岳から薬師岳が遠かった。風は全然弱まらず雨も降ってきてとてもじゃないが景色なんてみられなかった。頭の中は小屋に着いたらご飯何を作ろうかなーだけだった。
小屋はとてもきれいだった。受付してるとお茶を出してくれた。温かいお茶がスゴく美味しく、とても幸せな気持ちになった。
部屋に行き荷物を整理し、布団の準備をして夕食の準備にとりかかった。自炊場は外か玄関でという事だったので、選択肢は無く玄関で調理をして食堂で食べた。
テレビでは台風情報がやっていて食い入るように観ていた。なんか速度がめちゃくちゃ遅い!
3日目
夜中、小屋にあたる風で何度か起きた。富山の街の夜景がよく見えた。
出発前、小屋の方と今後の予定を話した。「太郎平から風が強かったら、引き返した方がいいよ」とアドバイスを受けた。北ノ俣経由で稜線を行くか、薬師沢へ降りるか悩んだ。稜線の方が風が強い、沢の方は水が増えると通れなくなる。それぞれリスクはあるが、自分は北ノ俣の稜線歩きを選択した。北ノ俣の稜線は昨日のような狭い稜線ではなく、広い登山道であるからである。
太郎平からは思ったほど風も強くなく、視界も良く、歩きやすくとても快適なトレッキングができた。黒部五郎岳の肩に着いた時後ろを振り向くと、薬師岳山荘からここまでの稜線がすべて見渡せた。晴れ間はなかったが、この景色に感動してしまった。
感動もつかの間、黒部五郎小舎へのカール内の道が長く感じてしょうがなかった。膝の調子もあまり良くなく、若干ばて気味だった。唯一の救いは、カール内の水がものおすごく美味しかった事だ。今まで水は煮沸してくださいと言われ、その通りにしていたためかあまり水が美味しくなかったせいもあったのかもしれない。
小舎のテン場はやっぱりまた一人だった。ここではビールを2本も買ってしまい、夕食をとりまたすぐ寝てしまった。手帳書いたり読書しようと考えてもってきたのに、なかなか実行できない。
4日目
今日は中日という事もあり、双六小屋までの行程だ。ゆっくり出発して、小屋へ向かった。いきなりの急登も雨のせいで川になっている。滑らないように慎重にゆっくり歩いた。小屋までは巻き道コースを歩いた。この道は2年前に熊に襲われたおじさんとすれ違ったとこだ。熊と出会った時の状況を細かく説明してくれたのを思い出した。あと、そのおじさんが言っていた事で良く覚えているのが「雷鳥に出会うと、今日山にいるみんなにいい事があるんだぞ」
小屋に着いた。とてもテントを張れる状況ではない。風がものすごく強い。しょうがないというか安全のためにも素泊まりさせてもらった。小屋はめちゃくちゃ快適だった。いつも天候が悪い時にしか小屋にはお世話にならない。ご飯を作り食堂で食べさせてもらった。スタッフもみんな親切でとても良い小屋だった。談話室に入ると、やはりこの天候で足止めを食らった夫婦や、台風一過を狙ったひとやいろんな人がいた。そんな方々とおしゃべりするのも小屋の醍醐味なのかもしれない。とても楽しい時間を過ごす事ができた。
5日目
今日は槍だ。視界がほとんどないなか西鎌尾根に取り付いた。黒い岩を掴みながらどんどん標高を上げ槍へ向かった。ゆっくり休んだせいか体が軽くどんどん足が前に出た。これがクライマーズハイか?ちがうか。
小屋に着くも槍は臨めなかった。今日はテント泊だ。天気はよくないがやっぱりテントが好きだ。岩に囲まれたこのテン場は、こんなとこに張れるのかっていう感じで、とても好きなテン場だ。今回は晴れたら槍が真ん前に見える場所にテントを張らせてもらった。とりあえず、キッチン槍でラーメンとビールを頂いた。この旅初の生ビールである。感想は言うまでもない。うまっ。
もうあとは、晴れる事を願ってお祈りするしかなかった。
6日目
まだ晴れない。朝テントのジッパーを少しあげて外をのぞむが、完全にガスの中であった。今回の山行きで、晴れ間をみないで稜線から降りるのは悔しくてできないと思っていた。その願いが通じたのか、小屋に泊まっている人たちの歓声の中、槍が姿を出した。それと同時にみんな槍に登りだした。今日下山しなくては行けない人たちは、朝のうちに登らないと行けないからしょうがない。自分はちょっと時間をずらすために、とりあえず大喰岳に向かい槍と奥穂高への稜線を眺め楽しんだ。
その後、槍に登った。この登りが自分は大好きだ。梯子はちょっとビビるが、何ともいえない高揚感がある。頂上は5人もいなかった。写真撮ったり、撮ってもらったり。今まで天気が悪かったため、よりこの景色がすばらしく感じた。ずっと眺めていたい気分であった。下りはザイルで確保されながら降りている人がいたためゆっくり下った。今日はヘリでの荷揚げを何度もやっていた。台風で今までできなかったからであろうか。
もう一泊しようか悩んだが、今日中に上高地の横尾か徳澤まで降りる事にした。
お昼頃に下山を開始した。これで稜線歩きともお別れである。後ろ髪を引かれる想いで一歩づつ確実に進んだ。槍沢ロッジで少し休み一気に徳澤まで向かった。徳澤のテン場は何度も利用しているが、とても快適なテン場である。今日は無事ここまで来れたお祝いを一人でやる事にしていた。本当はワインでも買いたかったが無かったためビールにした。お祝いと言ってもいつもの夕食と変わらないのだか、そんな気分で夕食をとるとより満たされた気分になるものだ。
いつも通り速攻寝た。
7日目
最終日はバスターミナルまで行けばいいのではなく、そこから扇沢まで戻らなくてはいけない。そのため、そんなにのんびりするわけにも行かなかった。
上高地バスターミナルから新島々までバス、そこから電車で松本駅、そこか大糸線で信濃大町まで行き、バスで扇沢まで行く。約4時間の行程だった。車を回してもよかったが値段が高いのでやめた。でも、大糸線に乗って北アルプスの山を眺めながらのんびり乗るのもいいものだった。
今回の山旅、家族には心配をかけたが怪我も無く無事下山できてよかった。歩きながら次はどこに行こうか考えているのだから、山はやっぱりやめられない。
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