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Yamareco

記録ID: 28734
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

南アルプス縦走(聖岳−赤石岳−悪沢岳−塩見岳−間ノ岳−北岳)青二才編

2000年07月22日(土) 〜 2000年07月31日(月)
情報量の目安: B
都道府県 山梨県 長野県 静岡県
 - 拍手
okawari その他7人
GPS
224:00
距離
60.5km
登り
6,532m
下り
5,996m

コースタイム

日程は若干ずれがあるかもしれません。
1日目 便ヶ島にてテント泊
2日目 便ヶ島から聖平へ
3日目 聖平−聖岳−百間洞 
4日目 百間洞−赤石岳−荒川小屋
5日目 荒川小屋−荒川岳−悪沢岳往復−高山裏
6日目 高山裏−三伏峠
7日目 三伏峠−塩見岳−熊の平
8日目 熊ノ平−間ノ岳−北岳山荘
9日目 北岳−広河原−甲府 
天候 縦走中、山頂はすべて晴れた。
アクセス
コース状況/
危険箇所等
私が以前所属していたサークルの合宿です。
以前は光岳から縦走していたようです。
私一人では、絶対これだけの山行はできなかったです。
サークルのメンバーの方には、今でも本当に感謝しています。
予約できる山小屋
塩見小屋
この2年前縦走したときのもの。
荒川から富士
この2年前縦走したときのもの。
荒川から富士
2年前のもの。
心のスパイス、中盛丸山。

2年前のもの。
心のスパイス、中盛丸山。

撮影機器:

感想

一日目
新宿から長距離バスに乗り、おそらく飯田までいった。
ここからタクシーに乗り、便ヶ島へ。タクシーの荷台は、私達のザックで
いっぱいになった。
以前、ここには営業小屋があり、私もハナタレ小僧のときに泊まったこと
があった。しかし、今はつわものどもが夢の後、何も残っていなかった。
水場さえも。リーダー達が水を求めてでかけていった。
明日は聖平への登りだ。

二日目
未明、おそらく午前2時ころ出発したとおもう。
ヘッドランプの明かりだよりに前を歩くメンバーの後ろを行く。
ヒルがいないか、一人で心配する。
結局、最後までヒルとの素敵な出会いはなかったが。
沢沿いの右におちたら危ない道を行く。
西沢渡につくころには薄明るくなった。
たしか、ゴンドラを使って荷物を渡したとおもう。人間は乗らなかったはずだ。
沢を渡りいよいよ本格的な登りになる。急勾配ではないが、つづれ折の道が続く。
ザックの重さに肩がたえきれなくなったころ、ようやく薊畑につく。
ここでは涼しい風が吹いていて、メンバーが当時はやっていた映画(タイタニック)のシーンを真似て遊んでいた。
そこから枯れ木の間を縫い、聖平につく。

三日目
未明、もしかしたら1時とかに出発したかもしれない。
まず、薊畑まであがり聖岳への600Mの登りになる。
小聖岳まで登ると真正面に山頂を見据えての、石のガレ場の急登になる。
苦労の末、聖岳山頂につく。すこしガスっていた気がする。
ここからが正念場だ。まず大きく下り兎岳に登り返す。
上にあったガスが飛んでしまい、暑くなる。
兎岳山頂直下には避難小屋があったが、
絶対一人で泊まりたくない雰囲気だった。
小兎を登り返し目の前に、日本昔話のごはんのような中盛丸山が聳え立つ。
あえぎながら登る。山頂につくと山名表示はなく、古い棒がたっているだけ。
この山は虐げられている、とおもったが気持ちはわからなくはない。
大沢岳に登り返すと山頂から真下に百間洞のテント場がみえるが、
場所が残り少ないことがわかり、私はリーダーより先発隊にえらばれる。
後輩をつれ、大沢岳の畳のような石の階段をガンガン下る。
なんとか場所を死守する。
たしかこの小屋は、とんかつが食べられたとおもう。私はビールの飲みすぎ
で食べなかったうえ、飲みすぎで微妙に腹をこわし、医療係の方に迷惑をおかけした。
しかし、後輩達がここまでよく頑張る。

四日目
今日は時間に余裕がある、とはいっても赤石岳を越える。
テント場から一登りすると正面に赤石岳をみながらのゆったりした道になる。
馬の背のあたりだ。そこから名の由来となった赤みのかかった小石の
道をじわじわ登っていくと、山頂についた。
この山は、やはり南アルプスの盟主だ。
何気に日本で一番高い一等三角点がある山である。
小赤石をこえ大聖寺平につく。ここから緩やかになり、しばらくで
荒川小屋についた。テントをはり休んでいると4時ころ、「登山者が
転倒し半身不随になった。ヘリに運ぶので手を貸してほしい」と小屋の方
から頼まれる。私は別のようがあったので手伝えなかったが、その方の無事を
祈っていた。

五日目
今日は荒川岳を越える。未明、日の出前から動き出し、明かりのともる
荒川小屋がしだいに低く遠くなっていく。
前岳までは、かなりの急登だったがお花畑の中の気持ちのいい登りだ。
いつまでも登っていたい気持ちになる。
稜線にでて、荷を降ろし悪沢岳を往復する。
この山も本当にいい山だ。いつか下から登ってみたい。
荷まで戻り、荒川の大下りにかかる。
左側は崩落しており、肝が冷える。
この下りは本当につらかった。
次第にゆるくなり、道端にある水場をすぎる。
ほどなくして高山裏避難小屋につく。
小屋のオヤジさんと再会する。
以前の合宿で、オヤジさんには色々とお世話になった。
サークルにおいてもその人気は高く、「南にいったらオヤジさんの顔を見ない
と南に行った気がしない」と豪語するものもいるほどだった。
今も元気でおられるだろうか。
ここの水場は遠いが本当にうまい。

六日目
今日は三伏峠まで。大日影山というインパクトがなさそうである名前の
山の横を過ぎ、南アルプス的なツガの林の中を歩く。
途中の小河内岳は展望が開けていたとおもう。
三伏は、たしか峠のほうにテントを張ったとおもう。
前回はここから下山した。
ガスの中一瞬だけ姿をみせた塩見岳の姿をみてメンバーと再訪を誓ったこと
をよく覚えている。

七日目
今日は塩見を越える。塩見小屋までは意外と大きなアップダウンを繰り返す。
小屋からはハイマツになり、目の前に岩の灯台のような塩見岳が立ちはだかる。
縦走路において岩場といえば、ほぼここだけだったような気がする。
だが、あまりたいしたことはない。
山頂からは蝙蝠岳も見えたとおもう。いつかは行きたい山だ。
ここから再度先発隊になり、熊ノ平まで突き進む。
熊ノ平は森の中の静かな小屋だった。

八日目
今日は間ノ岳を越える。まず三峰岳への登りとなる。
途中からはガレ場の登りになり、登り付くと真正面に間ノ岳の雄姿が見える。
また、仙塩尾根がたおやかに仙丈岳まで続いていた。
間ノ岳山頂につく。昨年苦労の末、仲間の助けでようやく越えた頂だ。
真正面に凛と聳え立つ北岳が見える。
北岳小屋へ下り、テントを張る。
ここで小屋でトリスウイスキーを買い、飲んだ。
酒にあまり強くないメンバーが飲みたいというので、飲ませたら
あっという間に真っ赤になったのをよく覚えている。
明日は最後の頂、北岳だ。

九日目
最後の登りにかかる。標高差300M。山頂には以外にあっさりと
ついた。ようやく頂をふめた。
北には、先日登った甲斐駒ケ岳が聳えている。
南には自分達が歩いてきた山々が連なっている。
感無量だった。
どのコースで下山したか記憶が定かではないが、
おそらく八本歯のコルから下山したとおもう。
途中バイオトイレなるものを横目にみて、沢を下る。
途中から林の中の道になり、ようやく広河原についた。
全行程が終了した。
すばらしい山々、天気、そして何よりもすばらしいリーダーの下に
メンバーがよくまとまっていた。
長期山行でありがちな喧嘩などは、私が知る限り一切なかった。
本当にすばらしい山行だった。










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