ヨーロッパの最新加速器、CERNのLHC(大型ハドロン衝突型加速器)の概要もよくわかりました。これからどのような発見がされていくか楽しみです。この本は難しい話をわかりやすく説明した良い本だと思います。この本の初版発行は今年の6月20日でヒッグス粒子の発見騒ぎより少し前ですが、今の騒ぎをしっかり予測してます。
この本で現代素粒子論の概要も理解できました。来期受講予定の「物理の世界'11」でも最後の章の方で素粒子関係の説明があるようなので、そこでも勉強していきたいと思っています。素粒子論の本は33年前に買い揃えた岩波講座 現代物理学の基礎のシリーズの中に湯川秀樹他が執筆した素粒子論があるのですが、当時もいまも殆ど理解できていません。
wakaさん、いつもながら新しい問題への探究心が旺盛ですね。
私は以前、仕事柄、各地の研究施設や研究者をずいぶんまわったことがあります。
で、このところ感じてきたことが、いまの最先端の実験的な検証は、やっと30年、40年前の理論的予見を追いかけているということでした。
その最後の対象だったヒッグス粒子にようやく検証の王手がかかったという今回の出来事は、脇から眺めてきた身からみても、「ようやく」という思いがあります。
およそ40年に及ぶ検証の時間が費やされるうちに、理論の方は一人歩きしているように感じてきました。
クォークやレプトンは、大きさでいうと10のマイナス18乗mほどの小ささ。しかし、理論の方は、そのレベルから一挙に先にすすんで、10のマイナス33乗mのオーダーあたりで、カンカン、ガクガクやってきました。(いわゆる「ひも理論」です)
もう一方の進路として掲げられてきた「超対称性理論」も、どうもやはり数学的な美しさを求め過ぎているように感じています。
物理学の歴史では、しばしば、実験で検証できるレベルからはるかに離れて、ごく数学的なモデルの夢想に走ることがしばしばありました。
それは、物事が順調に進展しているときではなく、往々にして、次の扉がなかなか開けない「壁」にぶつかたったときに見られた事態でした。
そんなときに、実験的検証の地道な一歩が、次の一歩を目の前に示しだす役割を果たしてきたように思います。
こんどのヒッグス粒子も、最終的な検証にまで到達するならば、そういう歴史的な出来事になってくれそうな気がします。
ヒッグス粒子は、予期したままが、立ち現われてくれるのではなく、単純ではない予想外の世界をそこに示してくれると、逆に、いままでの進み方の見直しにつながってくれそうで、この数カ月から1年余りは楽しみな展開が続くと思います。
この辺はtanigawaさんの得意分野の一つですね。LHCは来年以降1,2年休止して出力を倍にする改修を行なって再実験をするとのことです。それらの結果も楽しみですね。
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