図1: 海洋プレートの色別年代図とその断面図。
( 今回書き込んだ移動方向は、一般で言われている「西北西」でなくて、 実際の古地磁気年代と海底地形から、表層の実際の移動方向を書いています。)
・ 表層だけを見ても、場所によってその向きは違っていて、
まして断面図を見る場合、そこに働く力の向きは、同じ年代層の中でも、周辺の位置関係によって変わり複雑です。
------------------------
・ いろいろな断面を、3つのパターンに分類して詳細を書いていきます。
(A) 中央海嶺から左右に線状に広がる。
( 供給元が一点の場合は円形に広がる。)
(B) 周辺から中心の1箇所にむけて集まる。
( 左右から挟まれる時も同じ。)
(C) 直行する横方向からかぶさる。
( 下層と上層の移動方向が直交する。)
------------------------
図2: (A)中央海嶺から左右に線状に広がる海洋地殻の詳細図。
・ 中心部に、つきたての丸いお餅を、重ねては押しつぶすことを繰り返すイメージです。
( 自分の重さで各層がつぶれながら、左右に広がっていく様子。)
(A-1) 大西洋中央海嶺のような、供給元が直線状の場合。
直交する左右方向にまっすぐに広がっていきます。
(A-2) 太平洋海洋プレートのように、供給元が「逆L」型の場合。
それぞれの合流点で、移動方向も直交することになって、その振る舞いも複雑です。
(A-3) 砂時計の下のように、供給元が一点だけの場合。
海洋地殻は丸く成長して、同心円を描くように広がっていきます。
( 概念図は、色で年代をわけてわかりやすくしてますが、実際では、見た目は全て黒い玄武岩です。 海底地形のヒダヒダや、トランスフォーム断層の割れ目しか、方向の手がかりがありません、 ここまではっきり年代を区別できているのは、古地磁気と放射能同位体年代のおかげです。)
・ この図で、下層が上層の重さで押しつぶされて薄くひきのばされて「横ムキの力」となって、 それが、低層が左右に押し出されて変形流動していく原動力になっています。
( 諸説には、海溝に沈みこむ力で全体が引っ張られる… などの「テーブルクロス」説まであります。)
<注> 図の断面図や、移動方向については、全て私が想像して書いています。
自称「眉唾率85%」ですが、痛説に惑わされず、自由きままに思いついたものから描いています。
(B)と(C)については、次回…
小生も海洋プレート移動は沈み込んだスラブの張力が主因との説明にホントかなと思っていて、海洋プレートはマントルと連動しながら、むしろマントルの流れ(移動)が海洋プレート運動に影響していると推測しています。
先日、ちょっと述べましたが、以前からどうして海洋プレートとその下の上部マントル間で地震が起きていなのか不思議に思っています。
少し調べたら、このことは専門家にとっても大きな謎で現在研究中のようです。マントル研究はまだ開始間もないようですが、上部マントルはミルフィーユのように幾層に重なっているとの説もでてきたようです。
上部マントルが幾層にも重なっているなら、海洋プレートも層構造になっていても何ら不思議でない感じがします。
・ 今回の「海洋地殻の断面構造と3つの流動パターン」は、
現在の海洋プレートが「どう動いて今の姿になったか」を、明確に説明することができる、基本原則です。
( ハワイの海山列の屈曲も、供給量の変化で説明ができ、
プレート移動方向と、古地磁気年代の方向の違いについても、 納得のいく説明が可能です。)
( 今持っている海洋プレートイメージとは「まったく異なる視点」で見ることが必要です。)
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する