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2024年03月14日 12:04【新:海洋プレート流動説】全体に公開

地殻変動の「相対表現と絶対表現」

・ 地震、断層、地殻変動などで、どう動いたかを表すときに使われる、
 「右横ずれ/左横ずれ」は相対表現でしかない。

( 右横ずれは、断層に向き合い向こう側が右に移動したことを表す、
 反対に、向こう側からみてもこちらが右に移動して見えることから、
 どっち側がどれだけ移動したかを表してはいない。)

( 仮に断層の手前と向こう側で、どちらも右移動して、変動の前後で手前が200m、むこう側が500mの移動なら、断層は300mの右横ずれとなる。 ) 

・ 対して「隆起、沈降」は絶対表現で、どちらがどれだけ隆起沈降したかを、数値で絶対表現している。

( この場合でも、押されて隆起した場合は、どっちがどっち向きに押したかとなると、あいまいで相対的になりそうです。)

・ どんな場合でも、動いた側と停止している側があって、
 両方が反対方向に動く場合もある。

・ いくつか日本の例を上げる。

> 能登の地震は「右横ずれ」か?
 伴って海底が数メートル「隆起」。

> 瀬戸内海や四国や中央構造線は「右横ずれ」

> 諏訪湖(糸静線)は「左横ずれ」

> 棚倉断層も「左横ずれ」

> 濃尾地震の根尾谷断層は「6m隆起」
 同じ濃尾地震でも、各務原アルプスの「断層跡」は、段差1mに満たない。

・ 縦横上下の3次元の方向だけでなく、複合する場合や押し引きの他に、
 上層と下層で動きが異なる場合など、いろいろな変動があって、
 そのすべてを言い表すことは難しい。

( 普通では「上層と下層で動きが違う」とは考えない。)

・ 反対に今の地形や地質から、過去にどんな変動が起こったのか…
 それを想像することができる。

( いくつかの構造線や、「T字形のグリンタフ」や「東北の隆起と沈降」、
 日本海側の海底地形や、隆起沈降の歴史を重ねてみると 
 20Maの過去に東北にどんな変動が起こったのか、
 今より東にあった東北日本が、10Maくらいかかって西に回転移動して、
 西南日本にぶつかって接合に至った様子はどうだったのか、
 海底地形や地質から想像してしまうのは、私だけの妄想でしょうか。)

・ こんな簡単なことを… これまで想像する人が誰もいなかったのかが、
 今では不思議としか思えません。

( 今の定説の「単純な開裂」があっただけでは、
 今のグリンタフやフォッサマグナはできません。

 この壁を越えなければ、今の日本列島がどう動いているかはわからない。)

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・ 私の今の課題「太平洋の海洋地殻変動」についても、
 相対的な見方と絶対的な見方が混在する。

( 表層にある海山や海嶺は流動するが、
 「海嶺の根」に当たる「境界弱線」は「不動最下層」から発生しているので、
 ホットスポットと同様に絶対的な位置は動かない。 )

・ 海洋は流動する(それも3層で動きが異なる)、大陸も流動している中で、
 絶対位置が変動しない「ホットスポット」(点)と「境界弱線」の関係が、
 今の海洋地殻がどう動いて来たのかを追跡するための、強力な手がかりとなる。


図: 大西洋南端、サンドイッチ諸島の海底地形(Google写真マップより) 


・ 太西洋中央海嶺と円形の海底が「境界弱線」と考えると、
 絶対位置が変動しないと考えることができる。

( 南アメリカは、大西洋ができる前はアフリカとつながっていて、
 現在の南アメリカが、太西洋中央海嶺を境に、西に移動してきたことを想像しながら、この海底地形図を、今回は補助線なしで、眺めてみてください。)

・ これと同じ円形の海底が、フィジーとニュージーランドの境界弱線と、 共通している部分でもあります。
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コメント

こんにちは。
いつも興味深い日記をありがとうございます。
今回も面白い着眼点ですね。
楽しく拝読しました。

自然現象、摂理は定性的根拠の裏付けとして定量的評価をしますね。
これは相対性と絶対量の場合にも通じ、それは車輪の両輪のようなものですものね。

自然の事象は様々な側面からのアプローチが可能、いや必要です。
例えば、河川の繰り返す氾濫により形成された自然堤防も発達史地形学からは河川による平野の形成過程の一部として捉えます。
農業的土地利用の面では、水はけが良く畑作に向いている土地といえ、都市的土地利用の観点では、洪水により宅地が冠水しにくいととらえられます。

これらはどのような場合も「時間軸」により支配されます。
事象をどの立場から捉えるのかにより異なるということですね。

またの日記楽しみにしております。
長々と失礼しましたm(_ _)m
2024/3/14 16:17
geo_surveyor さん おはようございます コメントありがとうございます。

>「様々な側面からのアプローチ」
 自分の発想の枠から出て別の角度から眺めることは、意識しての努力が必要で、思い込みの激しい私には苦手なところです。
( 最近は年のせいか、行き詰って先に進めないことが多くなりました。)

>「時間軸」
 整理ができておらず不明確なところが多いです。
( 全ての地球の出来事を時間軸で矛盾なく整理することは
 これまでのバラバラの思い付きをまとめるゴールになるかもしれませんが、
 どこまで行くのか、まだ出口が見えません… )
2024/3/15 7:07
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