![]() |
![]() |
![]() |
展示では、最初にモンゴル帝国の形成、発展の歴史と日本へのモンゴル来襲に至る経緯を中国文献の中で示し、次に日本における水中考古学の歩み、とりわけそのきっかけとなった伊万里湾の鷹島遺跡の海底遺跡調査の歴史が示される。
最初のきっかけは1955年の文部省の科学研究費による「古文化財に関する保存科学――」研究の中で、水中考古学分野も取り上げられ、その具体例として鷹島の水中遺跡調査が取り上げられ、1980年代から旧鷹島町による調査が港改修事業などの機会に継続的に行われた。2005年以降、科研費による本格的な水中考古学的な調査が始まり、これまで三隻の元の沈没船を検出している。2012年には鷹島神崎遺跡が国の史跡に指定され、昨年の調査では三隻目が発見され、残りが前の二隻と比べはるかに良いことが分かった。これまでは船の部材やイカリ、船に積まれていたと思われるレンガ(バラスト材)、土器ー中国陶磁器や金属製品、「てつはう」=爆発物=などが引き上げられているが、船そのものを引き上げて保存するだけのスペースや保存体制は確保されておらず、今後の課題として現状は発見された船を海底での保存策をとって埋め戻して酸素を遮断するためのカバーをかけてあるそうだ。展示では鷹島床浪港遺跡で海底から発見された縄文早期の土器片も展示されている。さらに2022年には2013年に発見されていた元の船の碇の引き上げをクラウドファンディングで実施、木材保存に関してもトリハロースを使う新しい保存法が開発されたようだ。国家的な取り組みを積み重ねてきた韓国に大きく水中考古学分野では後れを取った日本だが、今後のこの分野の進展を期待したい。なおこの展示に関連した動画をHPで公開している。
https://www.youtube.com/watch?v=fboxA5NZ2s4
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する