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小野田さんの著書は以前読んだ。ジャングルで30年のサバイバル、しかも山登りと違って戦争状態だから、死のリスクと危機感は段違いだ。何をどう考えていたのか、どう過ごしていたのか、著書を読んでいろいろ考えた。映画はほぼ忠実に映像化している。文句はない。3時間があっという間だった。30年なんだから。
小野田さんを「終戦」させるきっかけを作った1974年のスズキ青年は、パンダや雪男や小野田さんを発見したい、と本人にさえ無邪気に語る軽薄で野次馬的な探検家だ。今の時代から見ると、その動機がアザトすぎてうんざりするが、1974年の日本って、そうだったかもしれない。とにかく彼の行動力と無鉄砲さのおかげで小野田さんは生還した。
1974年の日本の大人も若者も、戦争を本当に反省なんかしていなかったし、当時者がまだわんさか生きている中で、みな自分のそれぞれの傷と罪を背負いながら生きていたんだな、ということを何となく思い出した。小学4年だった僕も戦闘機や戦艦のプラモデルを作り、使い捨てにされた酷い死のことは特に想像せず戦記を読み、勇ましい両軍兵士の漫画は読んでいた。当時は映画の戦闘シーンでも兵士は時代劇や寸劇のように勇ましく美しく死んだ。僕だって、当時なら小野田さんを「パンダ扱い」していたようなものだ。あの時代の人々の戦争は、今の人が見る戦争とは多分違うものではないか?フィリピン人に対する目線も。
イッセー尾形演じる陸軍中野学校の教官、さすがの役ぶりと思った。
長いラストカットは好きな感じだった。
その映画観てみたいですね。今から選挙のついでに名古屋まで車を走らせようと思います。(柳ケ瀬でもやっているのだが、日に一回の上映みたい)。フランス人がどう撮ったのか非常に興味深い。
当時のことは、友人がその新聞を持って、寮のわたしの部屋に駆け込んで来たことを覚えています。大学の3年ぐらいだったのではないでしょうか。「生きていた英霊」という見出しに興奮した友人と二人、その日は休みにしたことまで思い出しました。
以上。
フランス人は著書に忠実に真っ当に撮ったという印象です。日本人には未だに「生きていた英霊」としかできない当事者感覚が残っているのか?
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