一人TJAR〜南アルプス編


- GPS
- --:--
- 距離
- 76.9km
- 登り
- 7,682m
- 下り
- 8,250m
コースタイム
- 山行
- 5:00
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 5:10
- 山行
- 12:40
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 12:40
- 山行
- 9:40
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:40
- 山行
- 10:20
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 10:20
天候 | 全般に曇りがち、夜雨多し |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
畑薙第一ダム〜静岡 バス |
コース状況/ 危険箇所等 |
南部は登山道が未整備な場所が多い。一瞬の気の緩みが生死にかかわる場所も多いので緊張感をもった行動が必要と思います。 |
予約できる山小屋 |
塩見小屋
|
写真
装備
個人装備 |
「感想」末尾に記載
|
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備考 | 雨水排除用スポンジを持って行けばよかった。 |
感想
一昨年の北アルプス、昨年の中央アルプスと続けてきた、TJARコースのファーストパッキング縦走。今年は、南アルプスへ。
但し、本来のTJARコースである地蔵尾根から仙丈ケ岳はアプローチが交通機関、登山道ともに難しく、下調べもあまりできなかったことから、今回は広河原から北岳に入山して、仙塩尾根をくだることにした。
(1日目)
前々日夕方より休止していた広河原までの林道バス再開を確認し、朝、東京発。
9時過ぎのバスは2台それぞれ50人以上と大混雑。乗り込み、夜叉神での乗降、土砂撤去待ち等で、11時半頃広河原に到着。30分程度の遅れ。
広河原は高曇り。登山道に台風の影響が無いことを登山センターで確認。日差しが時折あるので、日焼け止めを塗って出発。
二股経由で、右股コース、肩の小屋へ。さすがに1500m一気の急登にあえぐ。
富士登山競走で未使用だった補給セット(炎熱サプリ×2、ジェリー×1、アミノバイタルプ粉×1)を摂取。翌日以降も、ここぞの急登で摂取。
肩の小屋ではすでに曇天。沢山のテントで色鮮やか。
しばらく休んで、山頂を目指す。
山頂は霧の中。ブロッケン現象がたびたび生じる。数年前、7月上旬に大樺沢で滑落して以来の北岳。
北岳山荘着。生ビール
テント場にはたくさんのテント。展望のよい南側の良いところはだいたいうまっていたので、少し離れたところに張る。快適。
日没前後には北岳も姿を現し、素晴らしい光景。
(2日目)
5時前に出発。間ノ岳へ。カラ荷で間ノ岳や農鳥岳に向かう人たちが多い。
晴天。富士山も見える。少し北岳にガスがかかったところでご来光。素晴らしい。
間ノ岳に上るにつれガスがかかり山頂での展望は無し。ブロッケンがこの日も出現。
山頂には、早朝にも関わらず100人以上の登山者が。間ノ岳の標柱では写真行列も。
農鳥岳に行くかどうかは最後まで迷ったが、今日はどうしても三伏峠につきたい。農鳥小屋からの間ノ岳迂回路をつかってもかなりの時間ロスになる。南下の躊躇したくなってしまうのがいやだなと思い。今回はパスすることに。
36年ぶりの白根三山(間ノ岳、農鳥岳)だったが、ここはまた来れるだろう。縦走優先だ。
三峰岳へ向かう。一転して誰もいない。途中、見事なブロッケンが出る。本当にまん丸の虹のサークルの真ん中に自分の影が。
三峰岳の手前の分岐からが、本当のTJARコースだ。
三峰岳は2999m。残念だが3000mに少し足りない。
広々とした三国平を過ぎると熊ノ平小屋が見えてくる。一瞬だけガスが切れて、塩見岳が見える。遠い。
熊ノ平小屋で、女性の登山者に追いつく。北岳山荘からとのこと。健脚のこの方とはその後、相前後して仙塩尾根を進む。たぶん、この日、仙塩尾根を南下したのはこの二人のみ。北上も同様に少なく。熊ノ平から往復していた3名と、塩見小屋や三伏峠から熊ノ平を目指す数人程度。間ノ岳の喧騒とのギャップを感じる。
北荒川岳までは、静かな樹林帯。依然として高い山には雲がかかる。竜尾見晴からは、広河内岳中腹を流れ落ちるきれいな滝が見える。
ガスの中、最後の急登を詰め、北俣岳分岐へ到着。ゼリー等注入し尾根沿いに塩見岳に到着。本日、2つ目の3,000峰。
百名山塩見。鳥倉からの入山者がここからは増える。
虫が多いので、三角点のある西峰へ移動。パンをかじる。
霧が晴れないかと、数人の登山者と話をしながら待つが、この日も山頂での展望はおがめなかった。塩見小屋で泊まる健脚女性と別れ、三伏峠を目指す。途中、塩見小屋でカレーを食べる。美味い。おまけのコーヒーも普通のネスカフェながら美味い。
三伏峠を目指す。数年前に鳥倉から往復した道。ここは良く覚えていたが、水場への近道に入りそびれ三伏山を越えて峠の近くまで。ここから水場へ約10分程度下る。
三伏峠では水を売っているが、水場の水ではないらしいとの話を塩見岳で聞いていたので、明日のことを考え水場に寄ることにした。誰もいない水場。場所をわかりやすくするためか、ラジオがかけっぱなしになっている。高校野球第四試合が始まるところだ。
夕べ、体がかゆかったので、手ぬぐいをぬらして入念に体を拭いた。さっぱりして気持ちが良い。水も美味い。遠回りだったが、水場に来てよかった。
三伏峠についてテン場受付。ビールを飲んで、本日の行程を記録。
せっかくの水を無駄にしたくなかったので、どん兵衛を作ってもらい食べる。
テン場は半分ぐらいうまっていた。
明日の荒川前岳迄の行程は、これまで登ったことが無い。コースタイム9時間のここは、今回の一つの山だ。その後、荒川小屋で泊まるのか、百間洞まで行くのか。悪沢岳ピストンするかも、悩むところだ。取りあえず、前岳までどの程度の時間で行けるかだな。天候は明日以降悪化するらしい。塩見小屋での予想は、明日、雨のち曇り。明後日、曇り、時々雨。
(3日目)
明け方、3時前からかなりの強い雨。出立に躊躇する。あまりの雨に下山も頭をよぎるが、こんな程度であきらめていられるわけもなく、小やみになったところで、身支度し撤収。歩き出すと、雨は小やみながら、足元の下草はぐっしょりぬれており、すぐに靴の中までびしょぬれに。
烏帽子岳まではかなりの急登。
小河内岳の避難小屋泊の登山者とすれ違う。昨夜の宿泊者は4名。南下、北上各2名とのこと。ちなみに南アルプスの避難小屋は、夏は番人がいて泊まれるところが多いようだ。食事も、時間が限られるがレトルト食品なら可。
小河内からはかなり下るが、その後、高山裏まで、なだらかな登り下り。但し、崩壊地が多く、気を緩めると死に直結しそうなところがかなりある。
光岳から甲斐駒まで行くという学生の集団とすれ違う。大荷物で大変そうだが、女性も数人。それぞれの夏山だ。
高山裏に4時間程度で到着。順調だ。いよいよ前岳の登り。最初は緩やかに山腹を巻いていくが、谷を詰めるガレ場の急登に。ここは、穂高の白出沢に少し似ていると感じた。急登にあえぐ。10年以上前に荒川前岳は登っているが、稜線をすこしあがったところ程度の印象しかなかった。申し訳ない、なめていてすいませんと謝りながら登る。
ガス&強風の中、見覚えのある崩壊地の荒川前岳に到着。ここで、知人に偶然会うハプニング。
結局、悪沢岳にはいくことにして、中岳避難小屋に荷物をデポ。消耗していたので、悪沢岳までは遠かった。チシマキキョウの群落等、このあたりは高山植物が美しいが、展望は無し。強風。
中岳避難小屋で、レトルト親子丼を食べる。
時間は早いが、赤石方面に今日行くのは無理と判断。荒川小屋へ下る。10年以上前に来たはずだが、あたりの光景に記憶無し。荒川小屋のベンチを見て、ここで飯食ったなとの記憶が蘇った。
ビールを飲んで、さあ、テント干そうと思ったが、豪雨に。以降、断続的に激しい雨が夜半まで続いた。しみ込んだ水がテント内にたまる。厳しい環境に。当然のことながらなかなか眠れず。
(4日目)
テントを出ると、月が出ていた。晴天。月明りで歩き始めるが、小屋倉庫前で転倒。左手のひらを痛めてしまった。
しばらく樹林帯の旧坂を上るが、森林限界を超えなだらかなトラバースに。ここらあたりは前に来た時の記憶もあり。荒川三山のシルエットが見える。登るにつれて北方の山々も少しづつ見える。
富士山も雲海に浮かんでいる。西側の低い山稜を雲海が越えて流れ落ちていく。先日テレビで見た、中国の世界遺産での光景のようだ。
赤石岳頂上では、甲斐駒、仙丈、白根三山、塩見を遠望。
来年、UTMFに出場されるというトレランの方とこの後、茶臼小屋あたりまで、相前後して行く。下りは走っておられた。ザックは自分と同じOMM32L、ゴミ袋を外にぶら下げていたのも自分と同じで少し可笑しかった。
百間平、百間洞ときれいな光景が続くが、山々の山頂付近は少しづつガスに覆われてきた。雷鳥も出没。
中盛丸山、子兎、兎とアップダウンが続き、いったん下って、苦しい聖の登りとなる。
あえぎながら登った聖岳はガスの中。奥聖を往復。
茶臼小屋まで行くと、明日楽になると思えど、今日は聖平で打ち切り。
早くテントを干そうと思っていたら、豪雨になり、夜半まで断続的に降り続く。マットの外にでていた尻の部分あたりまで、シュラフが濡れたが、今夜で終わると思えばなんとか過ごせた。
(5日目)
今朝も月が出ていた。下山後のプランが無いので、早めに4時過ぎに出発。
しかし、前日同様転倒し、ストックを折ってしまった。幸い、体重を制御すると使えるレベルだったので、最後までなんとか持たせたが、最後まで集中力が必要だと身を引き締める。
畑薙ダムまで行けば、おととし始めた日本アルプス縦断も一区切りと考えると、それなりに感慨もあり。
稜線から離れた、上河内岳や茶臼岳にも登ったのも、終わりが少しもったいなく感じたからかもしれない。
茶臼小屋からは厳しい下りが続く。ウソッコ沢近くからは、沢沿いに進む。橋やはしごもたくさん出てくるがいずれも怖い。(最初の橋を渡ったところで転倒。怖い怖い。)ちょっと気を抜くと、死にそうなところも多い。TJARの選手たちはどんなに疲れても、踏み外さない方々がきっと選ばれているのであろうなと思った。
大吊橋をゆっくり、ゆっくり渡って、今回の縦走も終わり。
今回、天候が必ずしも良くはなかったが、十分に山を楽しんだ。
今後どうしよう。これまであまり行ったことのない後立山あたりで、またロングトレイルを考えるか。
今回、初めて歩いた仙塩尾根や小河内〜高山裏あたりは展望がほとんどなかったので、もう一回行ってみてもよいかな。ひょっとしたら、そのときは、地蔵尾根から入山しているかもしれないなと。
#感謝#
我らが仙塩尾根を共有いただいた女性の方、楽しい時間をありがとうございました。
おなじOMMザックのトレイルランナーさん、UTMF頑張ってください。
上河内岳で、カメラを置き忘れてしまいそうなところをご指摘いただいた若い方(椹島まで歩かれた方)、助かりました。ありがとうございました。
町田のパン屋のIさん、おかげで静岡行のバス乗れました。ありがとうございました。自家製パンと焼酎、ごちそうさまでした。
道中、お世話になったみなさん、本当にありがとうございました。
<服装>
ランシャツ (ナイキ ランニング 長袖)
アンダーシャツ
(ファイントレック スキンメッシュノースリーブ)
ブリーフ(イノベイトランニング用)
ズボン:登山用
靴下(ラン用) ):
サンバイザー(ノースフェイス)
手ぬぐい(熊野本宮)(体拭き用)
レインウェア(ノースフェイス 上下)
ダウンジャケット(パタゴニア)
サングラス(ノーブランド)
グローブ(ナイキ 指先無し)
防寒テムレス(雨天)
手袋(百均、炊事時に使用)
<装備>
ザック(OMM32?)(容量がやや不足)
ストック(ブラックダイヤモンド ディスタンスFL)
シュラフ(モンベル アルパインダウンハガー800 ♯3)
レスキューシート(SOL)(シェルターの床に敷く)
コッフェル(メタクッカー メタ台付)
コップ(プラ キティ)
ライター(予備2個)
マッチ(1個)(未使用)
エスビット(携帯燃料)小(燃焼6分)×20)(鍋底がニチャニチャになる)
料理用固形燃料(使用期限切れ/不要)
シュルター(モンベル ライトシェルター?)
マット(OMMザックに付属のマット。まあ、問題なし。)
ヘッドランプ(PETEL ミオXP) 予備電池(単三)×2(未使用)
ハンドライト(ジェントス閃)
予備電池×1(未使用)
(ヘッドランプは早朝行動時使用)
時計(G-SHOCK)
携帯電話(Iphone6)
携帯電話電池チャージャー(単三2本)
(下山後電池切れで使用。)
カメラ(パナソニック LUMIX)(充電は持った)
財布、ペン1本、メモ帳
地図(甲斐駒・北岳/塩見・赤石・聖岳)
日焼け止め
化粧水(行動後の顔体拭き、足メンテナンスに使用)
<食料>()は未使用
アルファ米ご飯 3個
カップ麺(リフィル)2個
パスタ 2個
レーズンロール(マーガリン)等3袋(1袋)
オールレーズン 2袋(1袋)
コーヒー、お茶、紅茶
ゼリー 6袋
アミノバイタル 沢山
コメント
この記録に関連する登山ルート

こちらこそ楽しい時間を共有させて頂いてありがとうございました。膝の具合があまり良くないようでしたが、無事畑薙まで下山できて良かったですね(*^_^*)雨にも負けずお疲れ様でした!TJARを実践してたんですね〜。私の方は翌朝の天気で塩見&蝙蝠はあきらめ鳥倉に下山しました(^^;)なので今度は、塩見→蝙蝠ピストン→仙丈ヶ岳と仙塩尾根をリベンジしようかな〜と思っています。またどこかでお会いできると楽しいですね! 目指せ望月さん⁉
コメントありがとうございます。なんとか最後まで持った膝に感謝しています。時間をかけて治そうと思います。TJARはテレビでもすごいですが、歩いてみると本当に凄まじいものと実感してます。本チャンにでるのは無理ですが、自分なりの限界を探して歩いていきたいと思います。いずれまた、どこかで。
ロング縦走お疲れさまでした。13日から全く同じルートの逆向きを歩きました。ただし私は小屋泊、茶臼・上河内・悪沢ピストン無しなのでずいぶん軟弱です。歩行46時間中23時間は雨だったので、泥んこトレイルに嫌気がさしは何回もエスケープを考えましたが、思いとどまることができたのは小屋で衣服を乾かせたことが大きかったと感じています。ただ熊ノ平では日本海から来たという方(TJAR出場者2名を含む それぞれ単独行 もちろんテント)が3名、畑薙スタートが私も含め3名というすごい世界でした。その超絶メンタルはとてもパワーをいただくことができました。スタート前は「一歩でもミスしたら終わり」くらいの緊張感で臨みましたが、北岳からの下りでは南アルプスが名残惜しくてゆっくり歩きました。この縦走でこの夏は満足しています。
13日に.すれ違っていたことになりますね。
後立山連峰、親不知までとかもやっておられるようですね。縦走は、忍耐ですが、達成感ありますね。
これからも、頑張りましょう!
13日は14:00頃大つり橋でした。そのとき林道側で単独行が渡り終えるのを待機しましたが、その方かな?
広河原からの登りもきついですが、茶臼への登りも大変そうでしたね。
あの橋だけはもう勘弁です。下山後の最後の恐怖。
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