梅雨の合間に、美山の山名「クラソ明神」について考察

2020年07月13日 12:55　＞美山の山とマップ全体に公開

・　梅雨の雨のの中休みのように、何とか晴れ間がのぞくものの、昨日までの降りようを考えると、美山へ出かけるのも、気が重い。そんな、ちょいとお山の中休みも悪くない。

・　今通っている「クラソ明神」も、あと数回は歩いてみたいが、改めて山名を考えてみると、クラソ…　とは？とよくわからないネーミングで、カタカナ表記になっていることは、もともと外語だったのか、もしくは漢字が難しくて、フリガナ表記が定着してしまったのか。

・　ネットでも、某山岳会の記録に、クラソ＝岩の記述があったが、
http://walk-about.jugem.jp/?cid=7
ぼっち氏の　「　WALK あばうと日本4,000山　」　には、珍名の山として、扱われていて、記録から一部引用させていただくと、

『　日本山岳会編「新日本山岳誌」によれば、旧美山町ではクラソ明神、旧板取村ではオオボラ明神と呼ばれてきた。すなわち、「山」も「岳」も付かない「わけの分からない系」珍名の山と…　』
と、なっている。

・　珍名ならともかく、「わけのわからない～」はかわいそうではありませんか。…　そこで、梅雨の合間の暇にまかせて、ネット検索で、その由来を想像してみました。
（　カタカナ３文字検索ではヒットしないので、漢字２文字を検索してみた、その中で、漢字の意味で山の姿を現すのにふさわしいものを書き出してみた。）

「クラ」について
くら府　倉　庫　蔵　鞍　廩　藏
蔵、おさめる／かくれる／隠して閉まっておくなど
『峅』地名に用いられる漢字で、くら。谷。谷間。山中の谷。
鞍とは、くら／人や荷を載せるため、馬・牛などの背に置く革製・木製の道具、藏とは、おさめる／かくれる／隠して閉まっておく
等々…
鞍,藏,蔵,廩,庾,庫,峅,宬,囷,囥,厫,匨,倉,夶,窈,矒,瞢,瞑,睧
眜,眛,眊,溟,曚,曖,暝,暗,晻,昬,昧,昏,懜,幽,儚,位,
『噉』,唼,迦,較,比,眩　など

「ソ」について
『阻』とは、けわしい／山や坂などが険しいなどの意味をもつ漢字。
『岨』とは、いしやま／そば／岩が重なって険しいなどの意味をもつ
砠とは、つちやま／いしやまなどの意味をもつ漢字
詛とは、そしる／うらむ／誓う／のろう／のろいなど
蘓とは、よみがえる／紫蘇／シソ科の一年草など

（　いくらなんでも、愛する地元の山に、呪いの言葉はないだろう。）

そんななかから、ふさわしいと思えるものは。

険しい　+　（　谷　／　岩　）　＝　峅阻明神　または　峅岨明神

といった感じがあてはまるのかなぁと思う。

・　さらに明神は、単なる神様のことかしらと…　これさえも大いに疑問で、地理的に板取の明石谷方面から、峠を越えて、白岩や神崎方面につながっているので、峠の名前も不明だが、「明白峠～明神峠」などとよばれていても、おかしくないと思う。
（　さすがに「明仲峠」ではゴロが悪いかも？）　　

（　あくまで素人の想像で、根も葉もないが、地元の歴史に詳しい方がおられたなら、ぜひその由来をお聞きしたいものです。　）

画像は国土地理院オンラインマップより
" http://maps.gsi.go.jp/index_3d.html?z=15&lat=35.687958083702696&lon=136.72545433044434&pxsize=2048&ls=std%7Crelief_free%2C0.68%7Cslopemap%2C0.69&blend=10&relief=3139G0000FFG1B1G0095FFG228G00EEFFG2A0G91FF00G318GFFFF00G407GFF8C00GGFF4400#&cpx=-6.029&cpy=-31.287&cpz=19.901&cux=-0.096&cuy=-0.205&cuz=0.974&ctx=4.031&cty=0.728&ctz=-1.125&a=1&b=0&dd=0 "

（　こんな調子では、今年いっぱいかかっても、美山１０山は終わりそうにありません。残りは三尾山、舟伏山、中越、他にも歩いてみたい無名峰が山ほどです。）

<追記>
・　縁起でもないが、噉相（たんそう）などもあてはまるのかもしれません。
（　南北に断層が並列に通っている白岩の山が崩れていく様を表している？　すさまじい自然の力に、荒ぶる神はむしろふさわしいのかもしれません。）
<追記>2020.07.22
写真2：　『嵓岨』っぽい、クラソ明神の沢の小滝

2020-07-06 山頂目前で方向を失って、敗退し

2020-07-17 鉄塔の位置がわかるオンラインマ

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梅雨の合間に、美山の山名「クラソ明神」について考察

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ベルクハイル

RE: 梅雨の合間に、美山の山名「クラソ明神」について考察
makobeさん、こんにちは

「クラ」という言葉は、谷川岳の一ノ倉（イチノクラ）沢や、燧岳の俎嵓（マナイタグラ）のように、険しい岩壁を意味する古い言葉ではないかと思います。

ウイキペディアによると、クラの漢字表記「嵓」は険しいという意味があるようです。

https://ja.wiktionary.org/wiki/%E5%B5%93

2020/7/19 17:45

Dr.Makobeの『未来の地球科学』

RE: 梅雨の合間に、美山の山名「クラソ明神」について考察
bergheil さん　こんにちは　
ヤマノートの「日本の山々の地質」興味深く読ませていただいています。

・　岩（簡体字）, 巌（俗字）, 嵓（異体字）…　険しい岩壁
　『嵓』がかっこよくていいですね、この漢字知りませんでした、字の印象から、おおきな岩が積み重なっている様子がうかびます。
（　俎嵓（マナイタグラ）フリガナがなければ、どう読むのか悩みそうです。前後を入れ替えると、嵓俎、嵓岨（クラソ）になりますね。）

・　山名や峠道の名前などで、カタカナ表記や、読めない漢字も多く、不勉強で私のような素人には、想像の及ばないものも多いですが、地形や地質も複雑な奥美濃について、地元なので地名の由来や地域の歴史などにも興味がわいてきます。

2020/7/20 12:05