地質解釈：続編３　東北/北海道の地質構造についての大きなヒント。

2022年06月10日 08:19△仮説詳細△全体に公開

～　島弧（西南日本と東北北海道の）地質構造の違い　～

・　引き続き、「地球システム学のすすめ」鳥海光弘２００８年　の　　
第６章：　日本列島を探る最新の地球科学　「現在もつくられつつある付加体」　より　の部分転載です。

図１：目次　（　「地球システム学のすすめ」鳥海光弘２００８年　）
図２：　現在もつくられつつある付加体　（　〃　）

　『　…　～　付加体がそのような現象（間欠的な）であるならば、
　　現在の沈み込みプレート境界で付加体が形成されているところと形成されていないところがあるだろう。

　　たしかに、「日本海溝」沿いのプレート境界では、現在のところ「付加体が形成されていない」。
　（　むしろ、太平洋プレートのすぐ上の島弧地域は「削られている」ことがわかっている。）　

　　一方、南海トラフ沿い（西南日本）では、「現在もなお大規模に付加体がつくられている」のだ。

　　双方のプレート境界の違いは　…　～　』

・　この説明を見て、これまで悩まされ続けてきた、東北/北海道の地史について、一機に解決しそうな、強烈なインパクトを感じた。

・　詳細は、分かりやすく図を描いてお話ししたいが、現時点での、イメージを要約すると、
　　「　日本海溝沿いでは、付加体が形成されていない。反対に、西南日本は、付加体が形成され続けている。」
　　　そして前回と前々回の日記でのもうひとつのヒント
　　「　いったん海洋プレートとともに、地中１０～１００ｋｍの不可さに沈み込んだ地殻や付加体が、
　　（高温低圧、低温高圧）の変成岩として、上昇してきたものが、対の変成帯である。」

・　これらを総合して、現在の島弧の西と東の違いを言い換えると、

　　①　西南日本では（従来のイメージどうり）海洋プレートから、はぎ取られ積み重なった付加体が、「陸地に押し寄せる形」で、成長し続けている。

　　②　反対に、東北北海道の海洋プレート境界（日本海溝）では、「付加体のはぎ取りはなく」海洋プレートと一緒に沈みこんでいって、地中１０～１００ｋｍから、ゆっくり上に向かって上昇し、下から突き上げる形で持ち上げていく。

・　もっと別の見方をすれば…

　　ａ）　西南日本（四国中国地方）では、まるで砂浜の砂が押し寄せるように、付加体が積み重なって、地表（地殻）が陸に向かって「成長」している。

　　ｂ）　反対に、東日本（東北北海道地方）では、陸地の先端に積み重ねは起こらず、　いったん海洋地殻と共に沈み込んだ堆積物が、島弧の内帯（日本海側）から上昇して押し上げ、　それが、地表を太平洋側へ押し出すように「移動」している…　といえないだろうか。

（　この考え方であれば、これまで西と東で、説明のつかなかった、正反対ともいえる地層や地史が…
すっきり説明出来そうに感じます、ちゃんと図にして進めていきたいと思います。）

図３：　２つの海洋プレートの沈み込みの様子　（　出どころ不明、確認中…　）
　　HIROSE Fuyuki's HP　（気象庁気象研究所地震津波研究部に所属する　　　　一一地震研究者が解析結果を紹介しているサイト）
　　「　太平洋プレート　」　より　引用
　　" https://www.mri-jma.go.jp/Dep/sei/fhirose/plate/PAC.html "

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参考過去日記
地質解釈：　「大陸プレートの成長」について…　　2022年06月
 https://www.yamareco.com/modules/diary/173565-detail-271573
地質解釈：　日本列島の「付加体の構成」について… 2022年06月
 https://www.yamareco.com/modules/diary/173565-detail-271475

2022-06-09 地質解釈：　「大陸プレートの成

2022-06-11 地質解釈：続編４　東日本の太平

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