妙な使命感に囚われた私は、鎌倉岳に登った後に、ざくの湯へ行くことにした。事前に電話する。なにかこう、心配だから。ソコまで行って、営業してませんというのは痛い。永いコールが続いた後、出た、、、かな。切れたのかな? 数秒の無音状態が続く。
藤屋旅館さんでしょうか? たまらず、訊いてみる。
男性「あ゛い゛」
あ゛い゛??? どういう意味だろうか。
私 「今日は入浴はやってますでしょうか?」
男性「あ゛い゛」
あ゛い゛??? やってるという意味なのかな。念のため、さらに訊く。
私「営業しているということでよろしいでしょうか?」
男性「あ゛い゛」
たぶん、営業しているのだろう。私の期待値を嫌がうえにも押し上げてくれるやりとりよのお。
阿武隈高原を風のように走り抜けて、ザク温泉を目指す。途中、すっげえ、狭い道を通り、枝は車体を擦る。この道しかないのかというカーナビの案内。で。到着。
ほんとに、ここか? 藤屋とは書いてあるけども、失礼ながら、なんだか廃墟みたいな建物だぞ。掲載写真参照。窓ガラスには「BY SEXUAL」ていうステッカーが貼ってあるし、傍らの草むらには、懐かしのブラウン管テレビが草と同化しつつある。カオスだ。
なーんてね。事前に調べてるから、知ってるのさ。この廃屋のような建物の裏手にあるのが、本館です。本館というか、本宅って感じですけど。
なぜか知らねど。玄関が開け放し。室内をのぞくと、暗がりの奥に誰かがいる。なんの看板もないというのは、事前情報で知っていたけども、間違えて隣の家に入ってしまったという気がしないでもない。念のため、確認。「こちらが藤屋旅館でしょうか」、、、どうやら、ここでよかったようだ。
一歩、中へ。バササ、バササ、な、なんじゃあ!?
小さな黒い物体が飛来してきた。燕だ。燕が玄関内にいる。さらに、
にゃーす!
その燕を追うようにして、暗がりから猫が勢いよく飛び出してきた。はっきり言って、この猫トラップは驚きました。
館内は猫の匂いが充満してます。猫が好きなんでしょうね。常連らしき地元のおじさんが入ってるけど、一緒に入っていいよとのことでしたが、あと30分くらいで出そうだということで、待つ。貸切がいい。で。浴室へ。いろんなニオイがする、、、猫の匂い、老人の匂い、古い民家の匂い。浴室へ向かう通路には、謎の漬物。何を漬けているのか、まったくもって、うかがい知れない。食べられるのだろうか。見た目が心配だ。
脱衣所1つ。内湯が1つ。泉質は単純放射能冷鉱泉。源泉かけ流し。無色、無臭。源泉温度は14℃なので加温しています。クチコミによると、浴室には使用済みのカミソリが放置してあるとのことだったが、、、本当だ。脱衣所のゴミ箱みたいな籠の中には、使えるのかどうか分からないドライヤーが。捨ててあるのだろうか。いたるところに蜘蛛の巣が張り巡らされ、なぜか脱皮した蛇の抜け殻まで置かれている。オブジェではないと思うが。
うろたえるな。これが、ざくの湯というものだ。
入ってやる! 入ってやるぞ! 蛇の抜け殻がなんだ!
こ、これは!?
ほぅ、思いきりのいい湯だな。手ごわい。しかし!
フフ この湯・・ この湯触りこそ 温泉よ!
湯の投入口に、レバーとハンドルがあって、どっちかがお湯でもう一方が水。開くとバドバド出てきます。自分で好みに調節。溢れるとかけ流し。この点は、素晴らしい。
はっきり言って、万人にお勧めできる温泉では全くもってないです。かなりのハード路線です。日帰り施設しか行ったことのない方は、絶対に行ってはいけません。行きたいと思うことはないでしょうけど。ただ、”普通”では満足できない方にとっては、インパクト絶大で、確実に記憶に残ります。私は嫌いじゃないですね。
また今度、入りに行ってみようかな。
今度こそという言葉は・・ あまり使いたくないものだな。
▼ざくの湯 藤屋旅館
8.00-21.00 ¥700
福島県郡山市田村町糠塚下滝405 024-975-2840
今は年取ってあらゆる面で行くことはできませぬが・・・・・。
moglessさんの行動力。裏山シイです!
正直なところ、かなり難易度の高い温泉ではありました。
いろんな意味で、手ごわい。ですが、確実に記憶に残ることは間違いないです。
阿武隈高地は懐が深いです。
気になる山があるので、また、行くと思います。
ザクの由来は、正直、わかりません。
なにか、ガンダムとの関連を探してはみたのですが、まるで見つかりませんでした。
入口に、このところ価格が沸騰しているメガサイズモデルの量産型ザクを、ずらりと並べたら、話題性があると思いますけどね。
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