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Yamareco

記録ID: 114325
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

南アルプス全山縦走(光岳〜甲斐駒ケ岳)

1981年08月05日(水) 〜 1981年08月18日(火)
 - 拍手
Junjapa その他8人
GPS
--:--
距離
---km
登り
---m
下り
---m

コースタイム

8/5夜 東京駅発=
8/6 =金谷=千頭=寸又峡温泉-千頭ダム-逆河内林道-寸又川左岸林道-大樽沢先[幕営]
8/7 大樽沢先-光岳登山口-栃沢の泊まり場[幕営]
8/8 栃沢の泊まり場-サワラ沢山-信濃俣-光小屋[幕営]
8/9 光小屋-易老岳-希望峰-[仁田岳往復]-上河内岳-聖平[幕営]
8/10 聖平-聖岳-[奥聖岳往復]-兎岳-小兎岳・中盛丸山鞍部[幕営]
8/11 鞍部-中盛丸山-大沢岳-百間平-赤石岳-大聖寺平-荒川小屋上稜線[幕営]
8/12 停滞[荒川小屋幕営]
8/13 荒川小屋-荒川三山-小河内岳-三伏峠[幕営]
8/14 三伏峠-塩見岳-北荒川岳-熊ノ平[幕営]
8/15 熊ノ平-三峰岳-[間ノ岳往復]-野呂川越-高望池[幕営]
8/16 高望池-仙丈岳-北沢峠[幕営]
8/17 北沢峠-甲斐駒ヶ岳-7合目[幕営]
8/18 七合目-五合目-横手駒ヶ岳神社-横手バス停=韮崎駅
8/19 韮崎市内
8/20 韮崎市内=北伊那=戸台BaseCamp 
アクセス
利用交通機関:
電車
8/5 東京駅(夜行)=[JR]=
8/6 =金谷=[大井川鉄道]=千頭=[バス]=寸又峡温泉
コース状況/
危険箇所等
8/6
大井川鉄道で千頭まで行く(ちなみに千頭センズは猟地を意味する言葉であり立山の千寿ケ原なども同じような起源と推定される)
 たくさんの荷物と不安を背に寸又峡温泉を出発した。途中トラックが来てヒッチハイクをして、乗せてはもらえなかったが、荷物は千頭ダムまで運んでもらうことができた。寸又川左岸林道を奥へ奥へと進み、初日は大樽沢の先の道路脇にテントを張った。

8/7
 長い長い林道歩きを終えてやっと光岳登山口。これで、本当に甲斐駒ケ岳までいけるのかよ!?という思い。2日目は何とか光までと思ったが、メンバーは重荷に喘ぎ、栃沢山南面の平地で再びテント。水場があった。

8/8
 やっと最初のピークである椹沢山(さわらざわやま;2313m)千頭営林署の山名を示す看板がある。南アルプス深南部らしい樹林中のピーク。続いて信濃俣(2331m)。頂上は狭く、交代で写真を撮る。ここに日本最南のハイマツが一株あるという記事を読んでいたが、確認をし忘れてあとで悔しがった。(実は日本最南のハイマツは丸盆岳に一株あり、それが本当の最南だった。また最近の記録では、このハイマツは現在確認できず、枯死してしまったとの情報もあった)たどりついた百俣沢の頭(2394m)はピークではなく稜線上の小平地。雨が降り始め雨具をつける。最後の急登を登りつめると光岳への分岐。昨年秋に深南部縦走で、中ノ尾根山から大無間山まで歩いたことを思い出した。光岳(2591m)をアタックして幕営。

8/9
 早朝のセンジガ原は気持ちがよい。イザルガ岳は南アルプス最南端という称号の光岳の威光に隠れて目立たないが、樹林がなく展望100%。光岳と比較にならないくらい素晴らしいピークだ。目の前に富士山や大無間山が見えて素晴らしい。北に目を転ずれば聖岳や兎岳が望める。まだまだ遠い。今日はありったけの力を振り絞って聖平まで行くのだ。イザルガ岳から大きくたわんで易老岳(2360m)。ひょっこりこの頂上に出た。標高が低く、全く展望が利かない。進行方向に仁田岳が高く望まれる。希望峰への暑い登りを終えると仁田岳のすばらしいピークへ。何となく形の似た茶臼岳と上河内岳のよき展望台でもある。頂上はちょっとした日本庭園風で空身で漫歩する。水溜りのような仁田池を過ぎると茶臼岳への登りにかかる。ほんの一投足で茶臼岳(2590m)。次々と南アルプスの峰を踏破できるのは豪快だが、あっけなさも感じたりする。茶臼岳の頂から上河内岳の勇姿そして、そのうしろには聖岳、赤石岳、悪沢岳などの南アの盟主たちが顔を覗かせている。お花畑はあたかも銀座通りのようだ。多くの登山者が行きかう。上河内岳がでかい。美しいお花畑を過ぎると上河内岳肩への急登。1年のMがバテ気味だが、気合で登りきる。あいも変わらずすばらしい景色だが若干寒くなってくる。上河内岳を越えて聖平で幕営する。何とか聖平までたどりつけた。

8/10
 5日目の朝があけた。今日も晴れだ。ものすごい数のテントもそれぞれに朝の出発の支度で忙しい。目の前には聖岳が急角度に立ち上がっている。樹林帯を抜けると小聖岳。目の前にはホンモノの聖岳が聳えたっている。聖岳(3020m)には一気に到着。最初の3000m峰である。やたらと人が多い。もう来ることもなかろうと奥聖岳を往復する。聖岳からは今度は急降下。聖・兎のコルはやたらと暑い。一年Mは疲労気味。兎のピークも遠く感じる。その向こうにあるのが中盛丸山だ。兎のピークで水をみんなで回し飲みする。Mがバテ気味なので止むなく中盛丸山・小兎岳のコルにあった小平地にテントを張ることにする。水場の指導標も小さいものがあり水は取れた。途中で自然公園管理員のような人がきてテントは禁止だがと云われたので、事情を説明した。

8/11
 テントサイトから約50分ののぼりで鬱陶しい中盛丸山のピークだ。メンバーのOがこっそり持ってきたカルピスを出して一同大喜び。たわみを経て大沢岳南峰へはひと登りだった。百間洞露営地では、汚れたパーティーの食器を洗ってすっきりしたあと、急登をしのぎ、8:10には百間平についた。気持ちのよい平坦地だった。他の大学のWV部に頻繁に会う。さすが南アルプス。合宿のメッカである。10:25に赤石岳(3120m)に到着した。どてっとした根張りのあるジャイアントだ。以前積雪期に来たときはもっと美しかった。やはりアルプスは雪が似合う。赤石岳〜小赤石岳はいかにも縦走のためにあるといった風情の豪快な稜線である。小赤石岳肩から急降。天気があまりよくない。12]40に大聖寺平に到着するが、荒川小屋だとテント代を取られるために稜線上の岩陰にテントを張る。大聖寺平からは悪沢岳がでかい。稜線上に張ったテントは静かで非常に快適。他のテントに煩わされることなく静かな夜をすごしたが、それがバチがあたることになる。

8/12 
 寒冷前線の通過で悪天。やむなく停滞。ところが夕方に天気はよくなり小屋のテントサイトに張っていた学生が散歩に来て我々のテントを見つけてしまったらしい。小屋の主人が稜線にあがってきて、テントサイトに下りろ!と怒られる。やむなくテントサイトに移住する。リーダーとしてちと失敗。

8/13
 荒川小屋からの朝焼けの富士山はことの他美しい。荒川三山へは急な登りだが、路傍の高山植物に元気をもらう。荒川中岳、前岳、悪沢岳を踏む。とくに悪沢岳はいい山だ。荒川岳から北に進むとしばらくは山伏峠付近まで樹林帯の道が続くようになる。高山裏露営地はごみに埋まって汚いところだった。板屋岳の山腹ではKWVの夏合宿の他のパーティーに遭遇。久々に元気を讃え合うこととなった。大日影山でも他の大学のWV部にであう。前小河内だけでは、他の登山者から「どちらからですか?」と聞かれメンバーが「光岳から」と答えると目を丸くしていた。このこのあたりになると眼前に塩見岳が迫ってくるようになる。三伏峠で幕営。合宿もだいぶん先が見えてきた。寸又峡温泉を出たのはもう何日も前になる。ずっと昔のような気さえする。

8/14
 三伏峠から本谷山に登る。本谷山からは塩見岳が眼前に見える。手前の岩峰が天狗岩、右に張り出したのが北俣尾根・・と指で差して確認する。塩見岳西峰で休憩。3047mだ。東峰にもたくさんの人がいるのが見える。塩見をすぎるといよいよバカ尾根に入る。夕方雨にたたられながら熊ノ平まで進めることができた。  

8/15
 三国平まで登ると、農鳥岳が浮かび上がってくる。三峰岳から間ノ岳を往復する。さすがに白峰三山は人が多く銀座通りのようだった。三峰岳に戻り、仙塩尾根のど真ん中に位置する高望池に一夜の夢を結んだ。池に水はなかったが、池の向こう側に水が湧いていた。

8/16
 仙丈岳に登った。あとは甲斐駒ケ岳を残すのみだ。パーティーの皆にも充実感が満ち溢れているのがわかる。仙丈岳からは甲斐駒がでかい。北沢峠へは、途中から走る。北沢峠で合宿の成功を確信した。

8/17
 双児山から駒津峰を経て甲斐駒に登頂。寸又峡温泉から運んできたジュースで乾杯!!そのまま下るのも惜しいので7合目にてテントを張った。

8/18
 麓まで軽くなった荷物と重くなった充実感を背に下る。充実感を反芻するのに黒戸尾根はちょうどよい山道だ。12:25に最後は走って駒ヶ岳神社に到着した。本当にご苦労さんと握手。以前からやりたいと思っていた南アルプス全山縦走が完遂できて150%満足だった。これで学生生活の山にはピリオドを打った。



予約できる山小屋
北沢峠 こもれび山荘
七丈小屋

感想

・学生時代最後の山は南アルプスの全山縦走に決めていた。自分がリーダーとなりパーティーを引っ張る。絶対に天気にも負けず踏破してやる・・・と思っていた。
・踏めるピークは全部踏み、ノンデポ・ノンサポートで軽量化は図らずとして臨み、最初は重い荷物に苦しんだけれど、その分だけ充実感のある山行にできた。

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